パーツ取付・交換
更新日:2018.10.22 / 掲載日:2018.10.22

タイヤ交換時のトルクレンチの必要性とは

自動車の安定走行はもちろんのこと、ドライバーと同乗者の安全を守る大切なタイヤは、適正な力で締め付けられたナットによって、車体に取付けられています。この適切な、タイヤホイールナット締付圧力のことを、「適正トルク」と呼び、締め付けトルクを適正値に併せることを目的とした工具を、「トルクレンチ」と言います。今回は、タイヤ交換作業時にトルクレンチを使用する必要性について、その使い方や注意点などとともに解説します。

タイヤ交換の際に使用されるトルクレンチとは

トルクレンチには多くの種類が存在し、今回解説をするタイヤ交換作業用の比較的大きなものから、細かいねじ・ボルト・ナットの適正締め付けトルクを調整できるトルクレンチもあり、大小・形状・動力についても、多岐にわたります。ただ、基本的な機能は共通で、トルクレンチごとに設定できる圧力範囲を上回る力で締め付けようとすると、「カチカチ」と音を立てて空転するようになっており、過度な力での締め付けできない仕組みになっています。タイヤ交換時に使用するトルクレンチの場合は、作業員自身の力で締め付けるのが主流で、

1.ホイールを車体への取付
2.ホイールナットを十字レンチもしくは規定トルク以下に調整したインパクトで締付
3.トルクレンチによる「増し締め」作業

といった流れで進んでいく、タイヤ交換作業工程の最終段階で利用されます。

タイヤ交換時にトルクレンチが必要な理由とは

タイヤ交換時にトルクレンチが必要な理由は、適正トルクで締め付けていないと自動車の安全走行に支障が出るためですが、トルクレンチを利用しない、もしくは正しく使えていないことによる不具合については、「締め付けトルクが強すぎる」「締め付けトルクが弱すぎる」という、2パターンが考えられます。まず、締め付けトルクが強すぎる場合は、作業に当たり車体側のボルトが、強すぎる締付圧力によってネジ山が潰れてしまう原因になります。一方、締め付けトルクが弱すぎる場合は、高速走行時に横触れを起こしたり、最悪のケースではタイヤがホイールごと外れてしまうという、ドライバーはもちろん周囲を大事故に巻き込みかねない、重大トラブルの原因となる可能性もあります。

タイヤ交換の際のトルクレンチの使い方・注意点とは

車のタイヤ交換で使用するトルクレンチは、カー用品店をはじめホームセンターなどでも販売されています。基本的に別売りのソケットを装着すれば、国産車種の場合ほとんどの車種に対応することができ、トルク調整ダイアルの操作によって、誰にでも簡単に適正トルクでホイールナットを締め付けることができます。トルクレンチの使い方の基本としては、下記の流れになります。

1.トルクレンチのダイアル目盛を調整しながら、トルク値を設定します。
2.ゆっくりと力を加えるイメージでナットを締めていきます。
3.ナットを締め「カチッ」と音がしたら設定されたトルクに合った合図なので、それ以上トルクをかけないようにします。

トルクレンチでは、調整したトルク以上の締め付けを防止することは可能なものの、すでに強いトルクで締め付けられている状態を判別することはできないので、手作業やインパクトレンチによる初期段階のナット締め付け作業は、弱めのトルクで実施するよう注意しましょう。トルクレンチは、タイヤ交換時に欠かすことのできないもので、適正トルクでの調整を可能とする工具です。タイヤのパンクなどでスペアタイヤへ交換作業をするとき、トランクにトルクレンチがあれば作業の正確性と、安全性は格段にアップするでしょう。タイヤ及びホイールは、車の安全にかかわる重要なパーツです。なかでも、タイヤ交換の際には、適正トルクでタイヤを取付けることがとても重要になります。タイヤ交換は自分でもできますが、車に関する知識やメンテナンス技術について自信がない方は、安全のためにも、プロが在籍する専門店に依頼することをおすすめします。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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