パーツ取付・交換
更新日:2024.04.11 / 掲載日:2018.10.22

タイヤ交換時の規定トルク(締め付けトルク)とホイールナット(ボルト)の関係性

専門の器具と技術が必要となるホイールへのタイヤ組み換え作業はともかく、スペアタイヤや冬用タイヤなど、ホイールごとタイヤを交換(脱着)する場合、自分の手で実施して交換工賃を節約したいと考える方も多いと思います。しかし、自動車にホイールを装着する際に必要となるナットには、締め付けトルクが規定されており、それを誤ると場合によっては、重大な不具合が発生するリスクも出てきます。今回は、タイヤ交換時における守るべき規定トルクの存在と、ホイールナット(ボルト)との関連性について解説します。

タイヤ交換時に重要な規定トルク(締め付けトルク)とは

自動車におけるタイヤホイールナットの適正締め付けトルクは、普通車の場合で10~12kg(約100~120N・m)で、軽自動車の場合は8~10kg(約80~100N・m)とされています。しかし、車種や車両重量はもちろん、高速道路の走行頻度や日常の走行距離によっても変化しますので、自分でタイヤ交換をする際には、適正トルクについて、しっかりと下調べをする必要があります。

規定トルク(締め付けトルク)の確認方法と正しい締め方

自分の車の規定締め付けトルクを確認したい場合は、車の取扱説明書に記載されているので参照しましょう。また、乗っている車種の販売ディーラーに問い合わせるのも一つの確認方法になります。正しい締め付け方法についてですが、締め付け具合が偏らないように、4・6本ナットの場合は対角線に、5本ナットの場合は星を書く順番で、十字レンチやインパクトによって、ナットを締めていく必要があります。最後は、トルクレンチを使って適正締め付けトルクに調節することになりますので、最初の締め付けは若干「弱いかな?」ぐらいの手加減で、実施するようにしましょう。締め付けの手加減は意外に難しいため、タイヤに関するメンテナンスについては万全を期すためにも、基本的にはプロの業者に依頼するようにしましょう。

タイヤ交換時に使用するナットの種類にはどんなものがある?

タイヤのホイールナットと一言で言っても、実はサイズや形状、用途に合わせて数種類あり、適合するものをチョイスしなければなりません。

・車側のハブボルトの直径
・ハブボルトのピッチ(ねじ山)
・取付面の形状(テーパー・平面・球面)
・貫通ナットor袋ナット

上記の通り、ナットの大きさから、ねじ山の違い、取付面の形状、穴が見えない袋ナット、穴の部分が外から見える貫通ナット、そして、スチールナット、ジュラルミンナット、クロモリナット、チタンナットといった、様々な材質のナットが存在します。また、ホイールがブランドメーカーのもので高価である場合、オリジナルのソケットでないと取り外し不可能な「ロックナット」である場合もあり、その際は付属ソケットをなくしてしまうとプロの手をもってしても作業ができない可能性も出てくるので、しっかりと保管・管理をするようにしましょう。

タイヤ交換時に規定トルク(締め付けトルク)を誤るとボルトはどうなるのか?その危険性とは?

規定トルクを誤るパターンは締め付けが強すぎるケースと締め付けが弱すぎるケースの2つあります。締め付けが強すぎるケースでは、ハブボルトごとねじ切ってしまい、修理にコストがかさんでしまう可能性があります。締め付けが弱すぎるケースでは、走行中にタイヤがブレて車体が揺れるなどの不具合が発生したり、最悪の場合ホイールごと脱輪し、ドライバーのみならず、周囲を危険にさらしてしまうこともあります。タイヤ交換の際には、必ず規定トルク(締め付けトルク)に従い、取付を行うようにしましょう。タイヤの交換だけでなく、ブレーキやステアリングなどといった足回り関連の整備・メンテナンスについては、基本的にはプロの手を借りたほうが安全です。タイヤ交換に慣れていない方や、規定の締め付けトルクについて不安のある方は、専門家にタイヤ交換を依頼するようにしましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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