コーティング・クリーニング
更新日:2019.02.27 / 掲載日:2019.02.27

目指せ30万km! オンボロジムニー快適化計画 その4

エンジンのオーバーホールと足回りのブッシュ交換で、ショックが抜け気味なことを除けば走りには問題なくなったジムニー。走りに不安がなくなったことで、内装の汚さが気になってきた。ってことで、丸洗いを決行した。

【ジムニーJA22W】1981年に登場したSJ30型から引き継いだ四角いボディを持つが、足回りは基本設計をそのままにリーフスプリングからコイルに変更したため、動きが悪くパーツが少ないなど、ジムニーマニアからはそっぽを向かれた不人気モデル。

パーツやクリップを折らないように慎重にパーツを外していく

オートマジックはアメリカで50年の歴史がある、プロ用ケミカルブランド。問い合わせ株式会社・創新

 エンジンはオーバーホールによって絶好調、足回りもブッシュ交換によりグニャグニャ感も解消して、ダンパーが抜け気味なのが気になるものの走りはバッチリ。仕事に買い物に普通に使えるクルマになりました。機能面が満足すれば、気になるのは快適性。ずっと気になっていたカーペットの汚れ、シートの汚れ、室内の異臭を取り除くべく、室内の丸洗いを決行した。

 カーショップなどでインテリアのクリーニングを行う時には洗剤を吹き付けながら水取りを行う特殊な機材を使用するのだが、AMガレージにはそんな便利なものはないので、内装をすべて取り外して、ジャブジャブと丸洗いすることにした。

 どうせやるならしっかり汚れを落としたい。ということで、ノックスドールでおなじみの創新が取り扱っているアメリカの有名ケミカルブランド・オートマジックのクリーナー各種を試してみることにした。

 まずはとにかくパーツを取り外す。ほとんどのパーツはクリップやプラスチックファスナーで留められているので、とにかくパーツを割らないように気をつけながら取り外した。

 シートや内装にはカーペットクリーナーをしっかり吹き付け、ブラシで汚れを落としたら、高圧洗浄機で汚れを吹き飛ばす。シートからは茶色く変色した水が飛び散り、恐ろしく汚れていたことが分かった。18年分の汚れがたっぷり染み込んでいたのだろう。

まずはシートから取り外す。ジムニーはレールや取り付けボルトがむき出しなので作業は簡単。

14mmのボルト4か所で留められているだけだ。

汚い!101円発見!
シートを取り外すと、レールの跡がはっきり分かるほど周囲が汚れている。お米の籾殻が落ちているのも気になる。

内装掃除の楽しみ(?)は小銭が見つかること。今回は100円玉1枚と1円玉1枚を発見した。前のオーナーさんありがとう(笑)。

リヤシートも同様に取り外す。

折りたたみ式なので、ヒンジ部分の2か所のボルトを取り外せばシートが外れる。

シートを4座とも取り外すとカーペットの汚さが際立ってくる。こんなに汚いクルマに乗っていたんだなぁ。

ハッチバック部分にある金属のプレートを外す。

2分割されている後ろ側のカーペットを取り外すことができる。

足下のキックプレートを取り外し、シフト部を取り外したら、メインのカーペットを引きはがす。

ホコリが舞い上がり車内は大変なことに。マスクと防塵メガネは必須。

ホコリが 舞い上がる!
パネル類も汚れを落とすために取り外す。

クリップやファスナーが劣化しているので、壊さないように注意して取り外す。

パネル自体も薄いので、割れそうでコワい。

No.21ファブリック&カーペットクリーナー
No.21ファブリック&カーペットクリーナー 低発泡のため、泡取り作業が短縮できる強力なファブリック&カーペットクリーナー。残留性が低く、シミ取り剤としても使用が可能。

10倍に希釈したカーペットクリーナーをスプレー。ブラシで擦ってからタオルで拭き取ると、タオルには真っ黒な汚れが。

中までクリーナーを浸透させてから水洗いすることに。

シートにはたっぷりとファブリック&カーペットクリーナーを吹き付け、シート表皮をブラシでゴシゴシ。

高圧洗浄機ですすぎを行うと、中からは茶色く濁った水が飛び出してきた。

カーペットも同様に、ファブリック&カーペットクリーナーをたっぷり染み込ませる。

汚れが気になる部分はブラシで擦って汚れを落とし、高圧洗浄機ですすぐと……

!!
泥水のような汚れた水がたまっている。クルマのカーペットってこんなに汚れているのね。定期的にクリーニングしたくなる。

Befor

After

内装のプラスチックパネルは、スペシャルクリーナーを吹き付けてブラシで擦る。タバコのヤニで変色していたパネルが、あっという間にキレイになった!

No.713スペシャルクリーナー
車内外のほとんどの箇所に使用できる万能洗浄剤。カーペット、エンジン、ホイール、ドア枠などの頑固な汚れが落とせます。タバコのヤニにも有効だ。

Befor バイザーはビニル/レザークリーナーで汚れを落とした。

After 吹き付けてウエスで拭き取るだけでキレイになる。

ヘッドレストも同様にビニル/レザークリーナーでキレイに。ウエスで拭き上げるだけで、汚れが落ちて光沢も出る。

エアコン内部もキレイにしよう

エバポレーターの入っているボックスにはいくつものクリップがあり、このクリップを外せば上下が分解できるようだ。裏側のクリップを外すのには難儀した。

すべてのクリップを外しても、簡単には分解できない。元々クルマに取り付けた状態で外せる構造ではないようだ。捩ったり捻ったりしてようやく外れた。

エアコン洗浄スプレー
エバポレーターの洗浄には市販の家庭用エアコン洗浄スプレーを使用した。ホコリや汚れがしつこく、2本使用した。

うへぇ
フィンにはホコリがびっしりと詰まっていて、嫌なニオイを発している。古い歯ブラシを使って取れる汚れを取り除く。汚い!!

ブシャーッ
汚れた洗浄液が飛び散らないように、ビニール袋でエバポレーターの下を包み込み、エアコン洗浄剤を噴射した。

エバポレーターへのアクセスは思ったより困難だった

 もうひとつ、汚れが気になっていた場所がある。それは、エアコン。この時代のクルマのエアコンにはフィルターが装着されていないので、室内外から吸い込まれた空気に含まれる汚れは、ほとんどがエバポレーターを通過する際にフィンに張り付き、蓄積されてしまうのだ。このジムニーは平成8年式、約18年分の汚れがエバポレーターにくっついている。このホコリに水分が付き、それにカビや雑菌が繁殖することで、エアコンから古びたぞうきんのような臭いが発生するのだ。そこで、家庭用のエアコンではエバポレーターに直接クリーナーを噴射してクリーニングができるのだが、クルマのエバポレーターはボックス内に入っているので、外からクリーニングすることは困難なのだ。しかし、シンプルな構造のジムニーは、エバポレーターの入るボックスが、助手席の足下に設置されている。これならボックスが分解できそうだ、とチャレンジしたのだが、思ったより面倒だった。

 ボックスをよく見るとボックスの上下はクリップで留められている。裏側の手が入りにくい場所のクリップを外したものの、なかなか分解できない。取り付けた状態で分解できる構造ではないようだ。アクロバティックな方法でようやくカバーを外し、エバポレーターのクリーニングを行ったが、どうしても裏側2か所のクリップを取り付けることができなかった。洗浄後のエアコンは嫌なニオイを発することなく、さわやかな冷風が出た。

キレイになった!
エバポレーターが入っているボックス内部にも、汚れやホコリが蓄積していて、汚い。スペシャルクリーナーでキレイにクリーニング。

1時間以上格闘し、隙間に詰まったホコリや汚れも取り除いた。洗浄スプレーのおかげでホコリやカビ菌もキレイに洗浄されたはず。

こんなに 汚れてた!
ビニール袋の中には真っ黒に汚れた洗浄液と、ホコリの塊が。こんなに汚いエバポレーターを通った空気を浴びていたなんて。

ボックスの取り付けは外した時より遥かに難しかった。ぴったりと嵌め込むまでには30分以上の時間がかかり、腕がつったよ。

後ろ側の2か所のクリップはどうしても取り付けることができなかった。

とても手が入る隙間はない。大丈夫でしょう、たぶん。

気休めに過ぎないかもしれないが、室内の空気取り入れ口には、家庭用エアコンのフィルターを取り付けることに。

適当なサイズに切り出して、エバポレーターのボックス側に両面テープでマジックテープのカギ側を貼り付け、フィルターを固定。

カーペットを剥がすと荷台の一部にサビが出ていたので、進行しないようにサビ変換剤のウルト・ロストウムバンダラーを塗布。

ロストウムバンダラーが乾いたら、防錆塗料を吹き付けておく。このようにカーペットの下ではサビが進行していることもあるので注意。

次回につづく
今回はこれにて時間切れ。とりあえずフロントシート2脚とシートベルトを固定して帰ることに。続きは次回にて!

前号で交換した デスビは……
前回交換したデスビ。無事にリビルトパーツメーカーの工場へ到着したようだ。改めて見ると汚い。

デスビからのオイル漏れ原因はシャフトのオイルシール

 前回、オイル漏れが疑われるデスビを、リビルトパーツで交換した。交換したコアはリビルトパーツメーカーの大光サービス(http://www.daiko-service.com/)で検証していただいた。点火系に関しては特に不具合もなかったため、大きなトラブルはないと思うが、再生の過程をレポートしていただいた。

 デスビキャップを外すと、早速オイルの漏れた跡が。垂れるほどではないものの、内部が湿っている。シャフトを取り外すと、シールが傷んでいて、ここからオイルが漏れていたのが分かる。他の部分には問題がなかったため、消耗パーツを交換して各部をクリーニングし、リビルトパーツとして生まれ変わった。

デスビキャップとローターを外すと、内部がオイルで湿っているのが分かる。ここからオイルが漏れていたのは間違いない。

シャフトを抜くと、オイルシールが変形しているのが分かる。このシールがダメになってオイルが漏れていたのだろう。

他の部分には異常がなかったため、消耗パーツを交換し、各部のクリーニングや調整を行って、リビルトパーツとして生まれ変わった。

【オマケ コーナー】JA22通信

JA22のドアロックノブは、上部が広がったエリンギ型。使いやすさは抜群なのだが、見た目はパッとしない。

取り外しは簡単。半時計方向に捩れば取り外せる。旧いクルマの場合、力をかけた段階でプラパーツが崩壊する可能性もある。

これが現行ジムニーJB23用のオプションパーツ「メッキドアロックノブ」 部品番号は99000-99079-200。価格は2コで530円(税別)

作業時間およそ2分で、交換完了。小さなパーツではあるが、インテリアのイメージはちょっとだけ明るくなった……気がする。

お便りありがとうございます。 JA22に関する情報大公開

 ページに余裕がある時だけ、気まぐれに連載中のJA22通信です。読者の皆さんからいただいたジムニーに関する情報を紹介したいと思います。

 車内のクリーニングをしようと思ったタイミングで、東京都の貝守さんから車内の洗浄方法を細かく解説した、長文のお便りをいただきました。今回は内装を剥がして洗浄してしまったので、別のクルマで試してみようと思います。ありがとうございます。機会がありましたら、別の企画で紹介します。

 愛知県の永井さんからもお便りをいただきました。

「A/Tフルードを交換しようと思いフルード20L、A/Tフィルターを購入その純正フィルターをみたら、フルード吸い込み口が外径 38mm……ひょっとして38mmの耐圧ホースを装着してフルード全量交換可能か?と思いネット検索したところ径38mmのホースは結構高価ということと、はたしてフルードを吸い上げられるのか?と思い悩んでます」 当方のジムニーはMTですので、試すことはできませんが、ATのバルブボディは非常に繊細です。小さなホコリが入っただけでも故障に繋がります。手がかかるかもしれませんが、繰り返しドレーンから抜く方法が確実だと思います。

 今回のオマケネタは、JB23のオプションパーツ「メッキドアロックノブ」に交換してみました。ちょっぴりイメージチェンジできたかな?

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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