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車検・点検・メンテナンス
更新日:2019.03.07 / 掲載日:2019.03.07

走れR-2 「ボンネットの補修その2」の巻

前回、ボンネットの腐った部分を思い切ってカットしたものの、この先の補修に関しては全くのノープラン。とりあえず作業を始めたものの、きちんと直せるのか自信がない。

「ボンネットの補修その2」の巻


スバルR-2は昭和44年8月、ロングセラーだったスバル360の後継車種として誕生。走りのよさからハードミニの愛称を持つ。

切り取ってしまったからには修理するしかないのだが

 諸々の事情により、再びAMガレージで作業することになった。ボンネットの先端と後端部の錆びて腐った部分を切り取ってしまったものの、この先の修理プランは全く考えていなかった。特に先端部は形状も複雑で、裏側の補強部分も切り取ってしまったので、全くもって元どおりに修理できる自信はない。とはいえ、切ってしまったからには直すしかないので、とりあえずなんとかなりそうな後端部の補修から行うことにした。
  ボンネットの後端部は、補強のためのレインフォースと外板パネルが重なった部分に水や汚れが入り込み、中から錆が発生してしまうようで、同じ構造の左右ともに錆びてしまい穴が開いていた。左右ともに一度修理はされていたようだが、きちんと錆取りの処理をしないままに、錆穴の上に薄いステンレスを溶接してパテ埋めしてあったので、内部の錆が進行して塗装が浮き上がっていた。そこで、思い切って患部を切り取って新しいパネルをはめ込んで修理しようということになったのだ。
  パネルを切り取ると、内部のレインフォースは真っ赤に錆びていた。腐って穴が開くほどには錆が進行していなかったので、ディスクサンダーに錆落とし用のディスクを取り付けて錆を落とし、パネルの隙間のディスクで取れなかった錆には「さびチェンジ」を塗り込んだ。さらに、パネルを張り込む前に、リーンフォース部分から再び錆が発生しないように、亜鉛塗料を塗り込んでおいた。

切り取った部分に合うように補修パネルを作製

錆で腐った表面のパネルを切り取ると、内側のリーンフォースは真っ赤に錆びていた。ベルトサンダーではなかなか錆が落とせない。

ディスクサンダーに錆取りディスクを装着し、ゴシゴシ削っていく。研磨力が高いので、やりすぎるとパネルが薄くなりそう。

パネルを切り出す
切り取った部分に合わせて継ぎ当てするパネルを作る。切り取った部分に紙を当てて形を写し取り、少し大きめにパネルを切り出す。

叩いて成形
使用したパネルは0.8mmの亜鉛めっき鋼板。ボンネットの曲面に合わせて、当て金とハンマーで成形していく。

削って調整
少し大きめにパネルを切り出したので、鈑金バサミやディスクサンダーを使ってサイズを調整していく。

切り取った場所に当ててみては、サイズを調整して削るという作業を繰り返し、ようやくピッタリはまる継ぎ当てパネルが完成。

パネルを溶接する前に、レインフォース部分の錆が再発生しないように、周囲をマスキングして亜鉛スプレーを吹いた。

補修パネルが完成したら、いよいよ溶接。AMガレージで自分が扱えるのが100Vの半自動溶接機しかないので、うまくいくか心配。

パネル自体が熱で歪まないように、溶接は点付けで行う。出力を下げるとくっつかないし、上げると穴が開く。相変わらず難しい。

なんとかパネルはくっついたので、盛り上がってしまった溶接部分をディスクサンダーで削っていく。

左は完成?
何か所かは穴が開いてしまったが、なんとかパネルを取り付けることができた。仕上がり具合はかなり汚いが、まぁよしとしよう。

右はちょっと複雑
右側はボンネットのパネルの後端部、縁の回り込んだ部分までカットしたので、そこに継ぎ当てするパネルは複雑な形状だ。

後端部の折り返した部分は逆アールでカーブしているので、再現するのは非常に難しい。出来はイマイチだがパネルは完成した。

こちらも点付けで溶接を行う。後端部の縁は裏側まで回り込んでいるので、縁の部分も溶接するが、なかなか難しい。

左側よりもさらに出来が悪い気もするが、とりあえずは切り出した部分のパネルを継ぎ当てできた。あとはパテでごまかすしかないな。

とりあえず完成

裏側を見ても溶接跡が汚いが、とりあえず後端部2か所の補修は完了。問題はボンネットの先端部。ちゃんと直せるかなぁ。

スバルマニアに助けを求めた

フルオリジナルのR-2を観察するために福島へ

  以前、R-2に詳しいスバルマニアの方に取材をお願いしたことがあった(2015年6月号)のだが、その方から久しぶりに連絡があった。用件は別件(p33参照)だったのだが、R-2のボディ修理で困っていることを相談してみた。すると「知り合いに一度も補修をされていない、フルオリジナルのR-2を持っている人がいるから、取材しますか?」との提案が。筆者のR-2はフロントまわりをかなり適当に修理してあって、元の状態が分からなくなっている。一度きちんとした車両を観察してみたかったので、ぜひぜひとお願いをした。さらに厚かましく、右フェンダーのパーツは余っていませんか? と聞くと、「探しておきます」とのこと。ありがとうございますっ!
  スバルマニアこと池添祥孝さんは、タクシーマニアとしても有名な方で、福島県内の自宅敷地内にはスバル車を中心に、60年代から80年代の車両を数十台所有している。R-2も数台を所有しており、ストックしているパーツも膨大。早速お伺いして右フェンダーを見せてもらった。裏側に錆があるものの、状態は悪くない。最初はタダでいいとのことだったのだが、それでは申し訳ないので3000円をお支払いした。のだが、貴重なエンブレムやバイザーまで頂いてしまって、嬉しいやら申し訳ないやら。
  今回の目的でもある、フルオリジナルのR-2を見せてもらうため、池添さんの友人であるYさんの元へ。コンテナの中にしまい込まれていたR-2をじっくり観察させていただいた。

状態のよい右フェンダーを譲っていただいた。タダで頂くのは申し訳ないので、3000円で購入したのだが。

帰り際に、貴重な初期型用のエンブレム3点セットや、ドアバイザー(右側)まで頂いてしまった。

これは非売品

これは売れないんだけれど、と見せて頂いたのはR-2用の新品パーツの数々。フェンダーやバンパーは十数年前に手に入れたもの。

ガレージに戻った後、R-2に取り付けてみた。フェンダーのフロント部分の変形もないので、これできちんと直せそう。

池添さんがいつかは手に入れたいクルマは、レオーネクーペの特別仕様車「グランダム」なのだとか。写真は標準仕様。

池添さんのガレージには貴重なパーツがたくさん保管されていた。棚に何気なく置かれていたのは、当時のブレーキフルードの缶。

当時のままのR-2がコンテナで眠っていた

R-2はトラックの荷箱部分を流用したコンテナの中に収納されていた。今までにボディ修理をしたことは一度もないという。

筆者のR-2ではテキトーな修理が行われていたライトまわりと、新車状態のままで綺麗な状態と比べると、かなり違っているな。

イベント会場などで色々なR-2を観察したがすべて違っていたフェンダーとの合わせ目の部分。少しパネルが浮いているのが正解。

ざっくり計測
きっちりと計測するための道具はなかったので、ざっくりだけど計測を行う。今修理しているフードの先端、アールはこのくらい。

ヘッドライトの下の部分は逆アールで結構凹んでいる。今回正常なフェンダーを手に入れたので、フェンダー基準で直せそう。

ライト上部の先端に定規を当て、そこからライト下部分の凹みを測ってみる。25mmくらい内側に引っ込んでいるのが分かった。

内装は明るいベージュで、破れや汚れもほとんどなく綺麗な状態。屋内に保管されていたようで、シートの表皮も柔らかい。走行距離は1.6万km。

フロントのトランクルームも非常に綺麗。ほとんどのR-2が錆びている、バッテリートレーの下も綺麗な状態だ。

製造年月日は44年10月10日だった。

コンテナの中には本もたくさんあって、オートメカニックの1973年4月号を発掘!

不定期連載? HONDA LIFE 360日記

直さなければならないクルマがたくさんあるので、なかなか手がつけられないライフ。エンジン不調の原因を探るべく、点火系を整備するつもりだったのだが、結局放置されたまま。

  スバルマニア池添さんからの電話は、勤めている会社のメカニックがホンダ系のパーツをたくさん持っており、本人も使わないので使いませんか?との申し出だった。答えはもちろんYes! 頂いた電話で恐縮ながら、R-2について相談させていただき、今回の取材に相成ったというわけ。持ってきてもらったパーツはダンボールいっぱい。ツインキャブや燃料ポンプなどがたくさん入っていた。さらには新品のバンパーまで。ライフ以外の部品も含まれているので、使わなかったパーツは読者プレゼントにでもしよう。
  さて、我がライフ360ですが、上り坂になると失火が始まりエンストしてしまうという症状に悩まされ、キャブのOH、燃料タンクの洗浄、配管の清掃と一部交換、ポンプの交換を行ったものの再発し、点火系を疑ったのが前回まで。コンデンサーが怪しいと睨んで交換したが、バッテリー上がりのために始動ができずに時間切れとなった。

コンデンサーの不具合を疑って、ポイントのカバーを開けてみると、そこには割と綺麗なコンデンサーが。

オルタネーターのベアリングがダメになっているようで、嫌な音がしていたので交換することにした。

前回、ストックしていたスペアのオルタネーターをリビルドしたので交換。年式の違いからか、プーリーの形状が異なっている。

オルタネーターを取り外すにはキャブレターまで取り外さなければならずちょっと面倒。ベルトも新品に交換した。

頂いたホンダ系パーツはダンボール箱いっぱい。パーツをくれたのはメカニックの一重ひとみさん。今回はインフルエンザで欠席。残念。

ガレージに戻ってパーツを並べてみた。新品のパーツが多く、バンパーは2本とも新品。ありがとうございます!!

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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