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車検・点検・メンテナンス
更新日:2019.06.12 / 掲載日:2019.06.12

走れR-2 「ボンネットの補修その4」の巻

錆の多かった先端部を、無計画に切り取ってしまったボンネット補修の4回目。今回はようやく外側のパネルを復元する。なかなか思うように修復が進まないボンネット編ですが、もうしばらくお付き合いください。

「ボンネットの補修その4」の巻

スバルR-2は昭和44年8月、ロングセラーだったスバル360の後継車種として誕生。走りのよさからハードミニの愛称を持つ。

 ボンネットの補修を始めてから今回でもう4回目。気がつけば年を越すどころか、すでに元号まで変わってしまい、いつまでやっているんだと怒られそうですが、今回も完成はしません。ごめんなさい。
 さて、前回はボンネット先端部の内側、リーンフォースメントの再生を行ったので、今回は外側のパネル製作にとりかかる。が、その前に、前回リーンフォースメントを製作した際に、左側のパネルを曲がった状態で溶接してしまったので、まずはこのリーンフォースメントの先端部を修正。
 左の先端部に定規を当ててみると、左端の約10cmくらいが下方向に曲がっている感じ。このままでは外側のパネルが取り付けられないので修正する。幸いにも複雑な形状ではないので、角の部分に切れ込みを入れ、はみ出している部分をカットして、その部分を溶接で繋ぎ合わせればなんとか修正ができそう。早速マーキングした部分をエアソーでカット、ハンマーで叩いてカットした部分の隙間を埋め、それを溶接した。ハンマーで叩いただけではカットした部分をぴったり密着させることができなかったので、指で押さえながら溶接を行った。革手袋をしているとはいえ真横で溶接するのは少し熱いし、左手に力を入れながらだと右手のトーチが安定しないので、キレイにまっすぐ、とはいかなかったものの、思ったより簡単に修正できた。どうせこの上に外側のパネルを溶接してしまうので、まぁいいでしょう。

前回曲がってしまった部分を修正する

曲がってる……
前回補修したボンネット先端のリーンフォースメントは、左側が溶接に失敗して曲がってくっついているので、これを補修しよう。

定規を当てて、はみ出した部分をマーキング。

左端の約10cmが曲がっているようだ。パネルを作る時に歪んでしまったのかも。

カットして ハンマーで叩いて
マーキングした部分を切り取って、そこを詰めるようにして修正しようと思う。

エアソーを使って、マークした部分をカットする。

カットしたらその隙間を埋めるように、ハンマーで叩いて修正する。切り口が少し歪んでいるが、溶接しちゃえば目立たないだろう。

直ったかな?
これでまっすぐになった? 多少の歪みは残っているものの、この上に外側のパネルを被せてしまうので問題ないでしょう。

切り取った部分を密着させるため、左手でぐいっと押さえて溶接する。

さすがに革手袋をしていてもこの距離だと少し指が熱い。

切り取った隙間を溶接したら、盛り上がった溶接部分をベルトサンダーで削り取る。最近、ベルトサンダーの調子が悪いんだよなぁ。

完成! 若干曲がってはいるものの、これならいいんじゃないかな? どうせこの上にパネルを被せるんだしね。大丈夫、大丈夫。

プレス機を使ったベンダーは便利だが

 リーンフォースメントの修正が終わったので、いよいよ外側のパネルを作る。もともとボンネットの先端部は錆がひどく、腐った部分の上に薄いステンレス板を貼り付けてパテで整形してごまかしてあったので、切り取った部分のパネルはなく、元の正しい状態がどうだったのかは全く分からない。まぁ、プレスラインもないし、結構簡単に復元できるだろう、と考えていたのだが、ボンネットの先端部は上下方向にラウンドしているだけでなく、左右方向にも緩やかに曲がっている。ということは、切り取った部分のパネルは緩く膨らんでいるような形になっている。ガレージにある鈑金用の工具はハンマーと当て金、あとは金床くらい。技術もなければ道具もないんだからできるわけがないじゃないか!と、言い訳したところでパネルは完成しないし、誰かが作ってくれるわけでもないので、自分でなんとかするしかない。
 まずは切り取った部分に工作用紙を当ててざっくりと必要なパネルサイズの型紙を作り、それに合わせて0.8mmの亜鉛めっき鋼板を切り出す。先端部を90°に折り曲げるのがなかなか難しいのだが、偶然にも他の企画で作ったらしい、油圧プレスの折り曲げ用ベンダーを発見したのでちゃっかり使わせてもらった。確かに便利だったが、当然ながらまっすぐにしか曲げられないし、思ったよりエッジが緩かったので、結局万力で挟んでハンマーでぶん殴って整形した。

パネルをひたすら叩き続けて整形した

プレス
先端パネルの欠損している部分を、工作用紙を当ててざっくりと計測。

くるりと内側に曲げられているので、少し大きめに。

切り取った工作用紙の型紙を当て、0.8mmの亜鉛めっき鋼板を、エアソーを使って切り出していく。

切り取った部分は切断面が少し荒れていてガタガタなので、ベルトサンダーでなるべくまっすぐに整えておく。

大きめに切り取った亜鉛めっき鋼板をフェンダー先端の切り口に当て、切り取る部分をマーキングして形を整える。

ボンネットの両端にはヘッドライトが収まるように円状に切り抜かれている部分があるので、それに合わせてパネルを調整。

下の部分を折り曲げる前に、なんとなく左右方向に緩やかなラウンドをつけてみた。が、これ、あまり意味がなかった。

ガレージに油圧プレスに自作っぽいベンダーが置いてあった。どうやら他の企画で作ったようだ。ちゃっかり使わせてもらおう。

エッジがゆるい
油圧プレスのベンダーは一発で曲げられるのですごく楽。ただ、想像していたよりエッジが緩めだった。

切り取ったパネルをボンネットの先端に当て、切り口に合うように調整。切り取る部分や曲げる部分などをマーキングする。

切り口に合うように、曲げてはボンネットに当て、叩いて当て、を何度も何度も繰り返してパネルを曲げていく。

溶接する位置を決め、大きさを調整するためにカットする。しかし、ガレージの鈑金バサミは切れ味が悪いなぁ。

ボンネット先端にパネルをはめ込み、形を整えていく。パネルがピタッと収まるようになるまで、これを繰り返す。

フランジ作り
パネルを溶接する際に少し重なる部分ができるように、パネルの端に少し段差ができるようにフランジを作っていく。

まぁこんなもんか
もう一度切り取った部分に当ててみて、フランジの深さや位置を調整。ハンマーで叩いて微調整を行う。

溶接部分がしっかりとくっつくように、亜鉛めっき鋼板の表面をベルトサンダーで削っておく。汚れも拭き取っておく。

点付け溶接を繰り返して隙間なく溶接が済んだら、ディスクサンダーで余分な部分を削り落として完了。

左、できた

ひたすらハンマーで鉄板を叩き続ける

叩いて曲げる
今度は右側(向かって左側)を補修。基本的には左側と同じ作業を繰り返すので、レポートしても面白くないかもしれないが。

左側は油圧プレスのベンダーを使って折り曲げたのだが、曲がり方が納得いかなかったので、万力で挟んで地道に折り曲げた。

叩いて曲げる。

こっちも叩く。

ボンネットの丸みに合うように、パネルを金床の上に置いてハンマーで叩いてひたすら曲げていく。この作業に数時間かかった。

パネルの形状を調整し、接合部にフランジを作り、パネルが歪まないように間隔をあけて点付けで溶接を行う。

ガレージにある100Vの半自動溶接機はワイヤーの送りが不安定で出力の調整もしにくいので非常に使いにくかったのだが。

さすがにずっと使い続けていたら、なんとかパネル同士をくっつけることができるようになった。まぁ、溶接跡は汚いのだけれど。

溶接跡はディスクサンダーで削って平らに均す。多少の凸凹は残ってしまうが、パテ埋めしてしまえばなんとかなるでしょ。

できた
これで先端部分の欠損部は補修完了…ではない。中央部が欠けているし、なによりライトまわりの形状が分からない。次回こそ補修完了?

今月のまとめ

 毎度毎度、鉄板を曲げるのに苦労していると、読者のTさんからアドバイスのメールが届いた。
「オートメカニックをいつも拝見して勉強させていただいています。R2レストアでボンネット先端かズレたのは、曲げる時点で歪んだのでは? 少ない経験ですが長物をハンマーで直接叩くと大抵歪みます、そういう場合私はタガネで叩いて曲げます。
 なるほど、タガネですか。確かにハンマーで叩くと歪みますからね。ありがとうございます。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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