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故障・修理
更新日:2019.07.10 / 掲載日:2019.07.10

ディーゼルエンジンの歴史

軽油を使用し、自然着火方式の燃費効率のいいエンジンとして知られるディーゼルエンジンは、パリで生まれたドイツ人ルドルフ・ディーゼルによって発明された。

 吸入した混合気を圧縮する。これによって効率の高い膨張力を得る。オットーの発明した4ストロークは、この「圧縮行程」が大きなポイントだった。空気を圧縮すると高温になるということは1800年代に既にわかっていた事実で、ドイツのルドルフ・ディーゼルはこれに着目した。オットーサイクル以上に熱効率の高い機関を目指し、1892年に圧縮点火方式エンジンの特許を取得した。これが今日のディーゼルエンジンのルーツなのだ。
 ルドルフ・ディーゼルの1号機は、圧縮比が高すぎたために、シリンダーヘッドが壊れ、失敗に終わったが、1895年に試作された2号機は連続運転が可能になった。エンジンといっても、現在のエンジンのようなコンパクトなものではなく、2号機の排気量はなんと15250cc。最高回転は200rpm程度だった。ディーゼルエンジンはその後も開発が進み、産業用、船舶用として普及していく。

自動車用ディーゼルエンジン開発の歴史

 1907年、ディーゼルエンジンの特許が切れると同時に、ベンツ社が研究に本腰を入れ始める。当時のディーゼルエンジンは、燃料をシリンダーに吹き込むのに重いコンプレッサーを使用しており、この大きさと重さが自動車用に使用するための大きな障害となっていた。
 1909年に一つのブレークスルーが起こる。ベンツのチーフエンジニアであったプロスペル・ロランゲが燃料噴射装置を考案し、予燃焼室式のディーゼルエンジンの特許を取得した。この技術を基に開発されたディーゼルエンジンはトラックに搭載され、1923年に生産が開始された。これが世界初のディーゼル自動車だ。
 技術競争を繰り広げていたダイムラー社とベンツ社は1926年に合併し、ダイムラー・ベンツ社が発足する。その10年後、世界初のディーゼル乗用車が誕生する。1936年のベルリン・オートショーで発表された2.6リッター、45HP/3200rpmのディーゼルエンジンを搭載したメルセデス・ベンツ260Dがそれだ。260Dは主にタクシーに使用されたが、その後170D、180D、190D、200D、220D、240D、300Dと進化し、耐久性に優れ、燃費の良い乗用車として人気を博していく。1950年代の後半からはダイムラー・クライスラー社以外にもディーゼルの分野に進出するメーカーが現れた。BLMC、プジョー、オペル、シトロエン、アルファロメオ、VWなどがディーゼル乗用車の生産を開始する。

エンジン本体の構造は、ガソリンエンジンと変わらないように見えるが、ディーゼルエンジンは高いシリンダー圧力と大きな熱負荷に耐えるため、全体に頑丈に作られていて、そのため同排気量のエンジンよりも重量的に重くなる。


4サイクルディーゼルエンジンの燃焼行程。吸気バルブと排気バルブの開閉で吸排気されるのはガソリンエンジンと同じ。ただし吸入されるのは空気のみでインジェクターノズルから高圧で噴射された燃料は圧縮された空気と混合されて自己着火により燃焼する。


国産ディーゼル乗用車の歴史

 ヨーロッパに比べると、国産ディーゼル乗用車の歴史は新しい。国産初は1958年の自動車ショーで発表されたトヨタ・クラウンで、1500cc、40ps/4000rpmのエンジンを搭載した。それに続いたのがいすゞ。既にトラック用のエンジンで実績のあるいすゞは1962年、2リッター、55馬力のDL201型をベレルに搭載した。クラウンの発表時は、小型車枠は1500cc以下に規制され、それ以上の排気量のエンジンを作れなかったという事情もあり、非力なエンジンは市場に受け入れられなかった。ベレルの発表時はその枠が2000ccまで拡大されたという追い風もあり、その高性能は好評を博し、タクシーにも使われた。いすゞは、その後、ベレット、フローリアン、ジェミニにディーゼルエンジンを搭載し、ビッグホーンに国産初のコモンレール式直噴を採用した。
 ダイハツの1リッター・ディーゼルも記憶にとどめておきたい一台だ。1リッターはディーゼルでは世界最小排気量で、しかも3気筒を採用。ターボチャージャーを装着したバージョンは60km/h定地燃費で37.1km/Lという優れたデータを示していた。
 日産、マツダ、三菱もディーゼルエンジンを搭載した乗用車を開発したが、多くのモデルはSUVやバンだった。2001年から施行された排ガス規制によって、国内ディーゼル市場は灯を消したようになっていく。
 その間、コモンレールと高性能インジェクターの開発によって、ヨーロッパの自動車メーカーのディーゼルエンジンは直噴化され、高性能化への道をたどる。EUでのディーゼル乗用車の比率は約50%にも達し、フランスでは70%にもなっている。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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