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故障・修理
更新日:2019.09.07 / 掲載日:2019.09.07

目指せ30万km! オンボロジムニー快適化計画 その6

前号、前々号で内装のクリーニングを行い、天井のライナーを張り替えたことで、インテリアがスッキリキレイになった。そこで気になるのがボロボロのシート。社外のシートは高価なので、純正シートを流用して交換してみた。

【ジムニーJA22W】1981年に登場したSJ30型から引き継いだ四角いボディを持つ。マニアからはそっぽを向かれた不人気モデル。

シートの形状だけでなくフロアの形状もJA11とは違う

 室内をクリーニングしたことで、余計にシートのボロさが目立ってきた。座面のサイド部分は内部のウレタンが崩壊して、乗り降りの際には金属のフレームがお尻に当たってちょっと痛い。程度のいい中古シートに交換すればいいのだが、すでに生産終了から16年以上が経過しているので、程度のいい中古はそうそう見つからない。ネットオークションをチェックしても、どれもが走行10万km以上のくたびれたものばかり。そこで、社外のセミバケットを探したものの、中古でもキレイなシートはそれなりのお値段。ネットを探索していると「ジムニーにはインプレッサのシートが簡単に装着できる」との文字が。いろいろなキーワードで探してみるものの、詳細までレポートしているページはないようだ。ま、ここは一か八かチャレンジすることに。ネットオークションに1脚5,000円で出品されていたGD8の純正シート左右をサクッと落札。シート自体は安かったものの、送料が1脚4,000円もかかってしまった。

 インプレッサのシートレールのままではクルマに入らないのでジムニーのレールを移植しようとしたのだが、ネットで見たのと形状が違うではないか。ボディ形状が変わらないので、JA11もJA22もシートの取り付け方は同じだろうと思っていたが、シートレールはもちろん、フロアの形状も異なるようだ。悩みに悩んだあげく、社外シート用のレールを使用して取り付けることにした。

届いたシートは1か所小さなキズがあったものの、全体的にはとてもキレイ。装着前にクリーニングを行う。

前々回同様にオートマジックのシートクリーナーで汚れを落とす。たっぷりスプレーして水で流すだけ。

高圧洗浄機で洗い流したら、アルカンタラ風のシート表皮が少し毛羽立ってしまった。けっこうデリケートなのね。

大失敗した場合に家に帰れなくなると困るので、まずは助手席側から作業をスタート。ヘッドレストにくっついているのはティッシュケースです。

幅を測ってみるとジムニーにギリギリ入りそう。

インプの右レールはシートのヒンジと一体化しているので、このレールを使いたい。

まずはそのまま突っ込んでみたが、レールに付いている取り付けステーがはみ出しているので、コンソールにぶつかって入らない。

インプの左側のレールは取り外せそう。取り外した跡はフラットなので、ここを加工すればいけそうかなぁ。

とりあえず邪魔なステー部分はサンダーでぶった切りました。

このレールがそのまま流用できれば簡単なんだけど、そんなに甘くはありませんでした。トホホ。

上がインプレッサシート、下がジムニーの左シートレール。加工して取り付けるのも難しそうだし、なによりレールの幅が合わない。

社外レールにシートを取り付けるために、3mm厚のアルミ製アングルとプレートを用意した。これでなんとか取り付けられそう。

「やっぱりダメだ」インプレッサ純正レールのままクルマに入れてみた。やはりこのレールのままだとシートは左に寄ってしまうので入らない。

RECAROシート用のレールを用意した。もちろん左右セットで。こうして出費が嵩むのであった。

シートレールを用意して再チャレンジ

まずはシートレールを入れてみる。JA22専用のレールなので、当たり前だがピッタリとフィットする。

取り付けボルトの位置からセンターコンソールまでの距離、ドアまでの距離を計測する。どちらにも当たらない絶妙な位置にシートを固定する。

左シートの右レールを取り外す。前述した通りシートのヒンジ部分と一体化しているので、ヒンジ部分も一旦ばらす。

右レールはこんな状態。幸いヒンジ部分とレール部分は作り殺しのボルトと強力なリベットで固定されているので、これを分解する。

ボール盤を使って、リベットをドリルで揉んで分解することに……したのだが、ドリルの刃がすぐに止まってしまう。

「ベルトが……」ボール盤のベルト部を見てみると、一部がほつれて伸びきっているようだ。これでは力がかけられない。

なんとか1か所のリベットを取り外すことができた。でも、こんなに時間がかかるようでは非常に効率が悪い。

社外のシートレールなら大幅な加工もなく取り付けられる

 そのままでは取り付けられないことが判明したので一旦作業を中止し、社外シート用のレールを用意して再チャレンジした。

 社外のシートレールは底面でボルト留めするので、インプレッサシートの底面にボルトが留められるように純正レールを加工する。インプレッサのシートレールを分解してみると、左側はレールを取り外すと平らなプレートが現れるので、この面にボルトで取り付けができそうだ。しかし、右側は前述した通り、レールがシートのヒンジ部分と一体化している。ヒンジ部分とはリベットで留められているので、これを分解してL字のアングルを取り付ければ、シートの底面はフラットとなり、社外のシートレールが取り付けできるだろうと考えた。

 早速ヒンジ部と右レールの分解を試みる。ボール盤でリベットを揉んで取り外そうとしたのだが、ボール盤のベルトが傷んでいて、ドリルの刃が滑ってしまい、頑丈なリベットには太刀打ちできない。仕方ないのでサンダーでリベットの頭を切り飛ばして取り外すことに。

 無事に分解が済んだらL字のアングルを取り付ける。左右の高さが違わないようにネジ穴の位置を決め、アングルとヒンジ部を固定し、シートに取り付けた。レールをセンターに取り付けるためにアルミプレートを左右に橋渡しして、そこにボルトで固定することでシートレールが完成。いい位置にシートが固定された。ただ、強度を含め、車検の問題はありそうなので、もとの状態に戻すことも考えないと。

そこで、サンダーを使ってリベットの頭を削って取り外すことに。リベット以外の部分までキズを付けてしまうが、致し方ない。

5か所のリベットを取り外し、ヒンジ部分とシートレールを分解することができた。ちょっとキズが付いたけど。

サンダーでキズ付けてしまった部分が錆びるとイヤなので、アンダーコートで塗装しておいた。

とりあえず、レールがすべて外れた状態でシートを室内に入れてみる。お、なんだかいいポジションになりそうだぞ。

左側に残ったレールのベース部分と同じ長さにL字のアングルをカットする。

「右レールを同じ長さにカット」

ベルトアンカーはシート側に付いているのでこれは切り取ることにした。

右レールのベースとなるようにL字アングルを取り付ける。

ヒンジ部をセットして、左右同じ高さになるようにネジ穴の位置を決める。

社外シートレールをあててみると、レール側に取り付けられているシートベルトアンカーがぶつかってしまい取り付けできない。

ベルトアンカーはシート側に付いている。

これは切り取ることにした。

「右レールができた」ヒンジ部とベースのアングルを固定し、シートに取り付けたら右レールのベースが完成。あとはレールを取り付けるだけだが……。

レールをベストな位置に取り付けるため、横方向に2本プレートを橋渡しして、これに穴を開けることでレールを固定する。

完成! ただ、機材の関係上アルミを使用したが、強度がちょっと心配。ボール盤のベルトを交換して鉄のアングルで再チャレンジすることにした。

「入った」ジムニーに取り付けてみると、ピッタリ、ベストポジション!! 強度が心配だが、今のところしっかり付いている。

運転席側は構造が違った

運転席のシートレールは左右それぞれ2か所のボルトで留まっている。右前側のみレールは下方向から留められている。

「レールはガイド留め」その他3か所のボルトはサイドで留められているので、L字のアングルを取り付ければ、社外シートレールに固定できそう。

運転席にはシート高さを調整する機構が付いているが、シートレール部分には一切干渉していないので、レールは簡単に外れた。

シートレールを外した状態で社外のシートレールを当ててみる。これならL字のアングルだけでレールが固定できそうだ。

シートレールが固定でき、なおかつ邪魔にならない長さにL字のアングルを切り出す。純正のレールより短い。

レールのアタッチメントとなるL字アングルを切り出す。左右ともに同じ長さに切り出した。

「今までご苦労さま」新車から17年、走行23万kmにわたってドライバーをサポートしてきた運転席を取り外す。長い間お疲れさまでした。

運転席側はシンプルな構造L字のアングルだけで取り付けできた

 助手席側が思いのほかうまくいったので、気をよくして引き続き運転席側を。インプレッサシートのサイドカバーを外してみると、なんと、助手席側と前々構造が違う! 運転席側はシート高の調整機構が付いているので多少は違うだろうとは思っていたが、全く違うとは思わなかった。ただ、よくよく観察してみると、シートレールの固定方法は助手席側よりシンプルで、サイドにボルトで固定されている。しかもこちらはヒンジと一体になっていることもなく、簡単に外すことができた。これなら両側ともL字のアングルを噛ませればレールが取り付けられそうだ。

 運転席側にはスチール製のL字アングルを用意していたが、ボール盤が不調なため、急遽ホームセンターに走って、楕円の穴があいたスチール製のL字アングルを用意した。これなら穴をあける作業をいくらか省くことができるので、簡単に取り付けできそうだ。

 純正のシートレールを取り外し、その部分にアングルを取り付ける。左右ともに2か所のボルトで固定されているが、右側前方だけ横方向ではなく、上方向にボルトがあるので、アングルの横を切り取り、上側に穴をあけた。左レールはシートベルトアンカーがぶつかる部分だけアングルを切り取り、最低限の加工でシートレールを固定することができた。

 装着後のシートは、若干シート座面が高くなってしまったものの、ホールド性は抜群。だた、乗り降りはちょっと大変になった。

社外のシートレールを室内にセットし、シートレールを取り外したシートを置いてみる。

ベストなポジションにして、ネジを取り付ける位置を決める。

シートレールを固定する右前のボルト付近には上下機構のスプリングがあるので、スプリングが当たる部分のアングルを切り取る。

シートの右前側ボルトは下留めになっているので、L字アングルに穴をあける。

ボール盤が不調なので、小さいサイズから穴を拡大していった。

「完成」レールを取り付けるベース部分が完成した。あとは社外のシートレールを取り付けるだけで完成! と思っていたのに。

シートベルトアンカーが取り付けベースにぶつかってしまうことが判明。

運転席側はレールごとアンカーを取り払ってしまったので…。

レールを最もいい位置に取り付けようとすると、右前の固定ボルトにぶつかってしまう。そこで、レールの端をほんの少し削った。

シートレールを取り付けて完成!

助手席側に比べれば、半分くらいの時間で作業が完了した。

取り付けベース側のL字アングルを加工することに。これでシートベルトアンカーのベースにぶつからない。

車内へ取り付け。シートのサイズが大きいのでアクロバティックにぐるぐると回転させながらようやく入れることができた。

座り心地は良好!!座面はちょっと高くなったので、林道の走行時にはよさそうだけど、街中では信号が見にくい。車検への対応も要再考。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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