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故障・修理
更新日:2019.09.10 / 掲載日:2019.09.10

大人の電子工作入門PART3-2 IG連動キットでデイライトを自動的に点灯・消灯させる

パーツ密集度は高いが、パーツ点数はそれほど多くはない

 バッテリー電圧はエンジンが始動してオルタネーターが動作すると停止時よりも上昇する。充電電流が流れ込むからだ。「イグニッションON連動スイッチキット」は、その電圧変動を感知して、接続した機器の電源をONとするユニット。ON/OFF制御にはFETが利用されているため負荷は最大3Aまでだが、ジャンパー設定の変更でエンジン始動時にOFFとすることも可能だ。コンパクトな基板でパーツ密集度は高いが、パーツ点数はそれほど多くなく電子工作入門用としても最適。製作にチャレンジしてみたい。

イグニッションON連動スイッチキット

車内から配線を引き回さなくとも、バッテリー直でイグニッションON(ACC)電源が取れる便利なスイッチキット。バッテリー電源を直接キットに入力し、出力に負荷(LEDなど)を接続するだけでエンジンON連動スイッチが完成する。

横に寝かせる抵抗1本を組み付ける

パーツリストに照らし合わせてパーツがすべて揃っているか確認する。

最も低いパーツはやはり抵抗。まずこれを組み付ける。

ただし、電子工作キットで基板に組み付ける抵抗は、横に寝かせて組み付けるケースがほとんどだが、コンパクトな基板にギッュと詰め込まれた本キットで横に組み付ける抵抗は1本のみ。

他はすべて立てた状態で取り付けるため、残りは後半に組み付ける。

オペアンプと3端子レギュレーターを組み付ける

次に低いパーツはIC(オペアンプ)とFET(大電流を流せるスイッチング素子)。次にこれらを取り付けるが、ICには組み付け方向があるので注意!

端面にある凹みが基板表示の凹面と合致するようはめ込み、ハンダ付けする。

FETは足が細くなったところで直角に曲げ、基板に密着するまで確実に押し込む。

浮き上がらないよう押さえつつハンダ付けして一段落だ。

半可変抵抗を組み付ける

次に低いパーツは半固定抵抗。これには3本の足があり、決まった位置にしかはまらない。が、組み付ける時は3本の足を同時にランド穴にはめ込むことが肝心。

組み付けたら基板に密着するまで確実に押し込み、その状態でハンダ付けする。

残りの抵抗はすべて縦組みする

いよいよ残しておいた抵抗を組み付ける。残りはすべて倒立状態で組み付けるため、まずは片側の足の根元を丸ペンチで挟んで180度曲げ加工する。

胴体が基板に密着するまでまっすぐはめ込み、ハンダ付け。

同様にして合計10本、順次組み付ける。

コンデンサーを組み付ける

次はコンデンサー。これは無理なく押し込めるところまではめ込み、ハンダ付けする。

方向性はないため、はめ込む向きはどちらでもOKだが、完成後のチェック時にパーツ確認がしやすいよう、表記が見えやすい向きに組み付けておきたい。

トランジスターを向かい合わせに組み付ける

最後にトランジスターを組み付ける。これには組み付け方向があるので注意!

平らな面が基板の形状表示と合致するよう組み付ける。

このため、2個が向かい合わさった形となる。

ジャンパー線で動作設定を行う

カラーコードが黒帯1本の0Ωの抵抗はジャンパー線で、動作設定に使用。エンジン始動と同時に外部機器の動作を開始する場合はB/CとE/H間に、始動と同時に停止させる時はA/DとF/G間に0Ω抵抗を取り付けてショートさせる。また、いずれの場合もI/J間にも0Ω抵抗を取り付けてショートさせておく必要がある。

接続配線を取り付ける

設定が完了したら再度取説と照らし合わせ、組み間違いを起こしていないかよく確認する。OKなら付属の引き出し線をハンダ付けする。

入力端子は黄線、出力端子には赤線を、白と黒線はアース線でともにGNDにハンダ付けする。

エンジンルーム内に設置するためケースへの収納が必須

 デイライトは走行中の点灯が基本ゆえ電源はエンジンキーのON/OFFに連動して点灯・消灯できる系統から分岐する。

 この要件を満たすのはACC電源もしくはIG電源の2つ。ところが、エンジンルーム内でACC電源を分岐できる可能性は低く、IG電源はあるものの分岐にはリスクが伴う。エンジンの動作に影響する重要な部位ばかりだからだ。 

 このため、ACC電源が見つからなければ車内で分岐して引き出してくるしかない。が、もう1つの選択肢がある。

 それが「イグニッションON連動スイッチキット」の利用で、ACC連動させたい電装パーツをバッ直※で利用できるため配線作業がエンジンルーム内で完結。手間を大きく省くことができるのだ。

 ただし、車載するとなるとエンジンルーム内に設置することになるため、基板むきだしという訳にはいかない。ケースーの収納が必須だ。タカチ電機工業のSW-50B という型番のプラスチックケースがサイズ的にピッタリなので、製作にチャレンジするなら入手しておきたい。

プラケースを用意し側面に配線穴を開ける

写真のケースはタカチ電機工業のSW-50Bで、これを利用すれば基板は無加工でピッタリ収まる。

ただし、配線の引き出し口の加工は必須。

側面の中心付近にピンバイスで下穴を開け、配線コードが通る最小サイズの穴にリーマーを利用して広げる。

両面テープでケース内に固定する

厚みのあるブチルラバー系の両面テープを用意し、基板裏に貼り付ける。

両面テープの剥離紙を剥がし、プラケースの本体内にまっすぐはめ込む。

基板全体を均等に押し、ケース底に貼り付ける。

接続配線を側面に開けた配線穴を通して外に引き出し、ケース際をタイラップできつく締めて抜け止め。タイラップ端をロック面ギリギリでカットして完成だ。

デイライトを組み付ける

車検公認のデイライトとして利用するためには、道交法で規定された制限範囲内に収まるよう取り付ける必要がある。

モデル車の場合、フォグの真横位置でギリギリセーフ。その位置にLEDデイライトを貼り付け、延長配線を接続する。

連動キットを組み付け、電源に接続する

LEDデイライトの+線をイグニッションON連動スイッチの赤線に、-線を白線に接続する。

バッテリー+ターミナルに配線コードを接続。

イグニッションON連動スイッチの所まで取り回してきて黄線に接続する。

イグニッションON連動スイッチの黒線をボディアースに接続して配線は完了だ。

出力ONのタイミングを調整する

固定抵抗を左に止まるまで回し、LEDデイライトの消灯を確認後、エンジンを始動する。

始動後、数秒待って点灯しないようなら、点灯するまで半固定抵抗をゆっくり右に回す。

エンジンを停止し、バッテリー電圧が下がると同時にLEDデイライトが消えるか確認して調整完了。

フタをキッチリ閉め、雨の直接かからない場所に固定する。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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