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ミッション・駆動系修理・整備[2019.10.01 UP]

最初にデフの減速比を決定

〔エンジンのトルクが駆動力になるまで〕

クルマの走行性能は、エンジン性能だけでなく、ミッションのギア比配分にも大きく左右される。今回は、ギア比の計算方法と減速比の設定方法について、解説する。
 そこで、この頁ではミッションのギア比がどのようにして決定されるかを考えてみよう。まずクルマの重量やエンジン出力、タイヤの径などを計算に入れて、最高速度をどれくらいにするかを決めてから、デフの減速比を決定する。ミッションの構造をシンプルにするため、大部分のクルマのトップ・ギアは1対1の直結だから、デフの減速比が決まれば、そのクルマの最高速度とトップ・ギアでの加速性能も必然的に決まってくる。
 デフの減速比は考えられているよりもはるかに重要だ。たとえばデフの減速比を大きくしただけで1速からトップまでの駆動力は軒並みに大きくなるが、各ギアでの最高速は低くなる。
 逆にメーカーの中には、スポーツ仕様として、減速比の小さいデ ィファレンシャル・ギアをオプシ ョンとして用意しているところもある。  デフの減速比が決まったら、次は登坂能力をどれぐらいにするかを考えて第1速(ロー・ギア)の変速比を決めていく。
 残った第2速(セカンド)と第3速(サード)のギア比は等比数列的に決めることが多いが、エンジンのトルク特性やクルマの性格を考えて多少の片よりをもたせることもある。たとえば、第3速とト ップのギア比が接近している時は、この間がクローズド・レシオになっているといい、逆に離れている時はワイド・レシオという。  それはともかく、ミッションの変速比を決定する時に重要なのは変速比と駆動力、変速比と車速との関係を正確につかむことだ。
 まず駆動力との関係は、次の公式を使って計算すればよい。

速度比を決定する

デフの減速比が決まったら、次は登坂能力をどれぐらいにするかを考えて第1速(ロー・ギア)の変速比を決めていく。
 残った第2速(セカンド)と第3速(サード)のギア比は等比数列的に決めることが多いが、エンジンのトルク特性やクルマの性格を考えて多少の片よりをもたせることもある。たとえば、第3速とト ップのギア比が接近している時は、この間がクローズド・レシオになっているといい、逆に離れている時はワイド・レシオという。

ギア比の計算方法

 それはともかく、ミッションの変速比を決定する時に重要なのは変速比と駆動力、変速比と車速との関係を正確につかむことだ。
 まず駆動力との関係は、次の公式を使って計算すればよい。  F=駆動力
 T=エンジンの最大トルク
 a=ミッションの変速比
 b=デフの減速比
 c=伝達効率
 r=タイヤの有効半径
 この式に出てくる伝達効率とはエンジンで発生した出力(動力)のうち何%が駆動力として利用されたかをみるもので、だいたい90%前後と考えればよい。
 この式でみると、ミッションの変速比の設定法がよくわかる。たとえば、エンジンの最大トルクが小さいクルマでは第1速のギア比を大きくとらないと充分な登坂能力を確保できない。
 クルマの駆動力は、ミッションの変速比だけでなく、タイヤの有効半径やデフの減速比でも変わってくるが、あらかじめ、これらのデータを決定してから、ミッションの変速比をいじくるのがオーソドックスなやり方だ。

 π=3.14

 そこで、次のようなエンジンを搭載したクルマの変速比を、どのようにセットしたらよいかを考えてみよう。
 出力=90PS/6000rpm
 最大トルク=10kg-m/4000rpm
 タイヤの有効半径=0.2m
 さて、クルマのスピードは、次の式で示される。
 r=タイヤの有効半径
 n=エンジン回転数(rpm)
 a=ミッションの変速比
 b=デフの減速比
 ここで2πrは、タイヤが1回転した時に走る距離(m)、60nは1時間当たりのエンジン回転数を示す。
 だから2πrに60nをかけた数字を最終減速比(オーバー・オール・レシオ、ミッションの変速比とデフの減速比をかけた数値で示す)で割り、さらにmをkmの単位に換算するために1000で割れば時速が計算できるわけだ。
 さて、クルマの最高速度を120km/hにしようとすればデフの減速比が決まってくる。なぜなら、ミッションの減速比はトップ・ギアの1.00、エンジン回転数は6000rpmだからだ。これらのデータを前の式に入れると、次のようになる。

b≒3.77


 こうして、最高速を120km/hにするにはデフの減速比を3.77にすればよい、ということがわかった。ただし、ここでは空気抵抗を無視している。
 デフの減速比が決まったら、次は第1速のギア比をセットしよう。たとえば、最大登坂能力を50%以上にするためには、少なくても550kgの駆動力が必要だから、次の式が成り立つ。


 このようにして、デフの減速比と第1速の変速比は、中学生でも簡単に設定できる。

第3速の減速比の設定方法

〔車速の導き出し方〕

 2速と3速の変速比は、そのクルマの性格を大きく左右する。たとえば、3速の最高速度を80km/hくらいに抑えた変速比にするとなるほど市街地走行では3速の駆動力が大きく非常に使いやすいが高速道路上では問題が出てくる。たとえば、トップで100km/hの巡航走行をしている時に、シフト・ダウンして追い越しをかける場合を想定してみよう。
 3速にシフト・ダウンしたとたんに、エンジンがレッドゾーンを超えて、エンジン・ブレーキがかかるはずだ。これでは3速ギアの役目を果たせない。だから、トップ・ギアと3速ギアの間をもっとクローズドにして、3速でも110km/hくらいまで引っぱれるようにしたい。また、こうすれば高速走行時の加速性能もよくなる。
 今日のように高速道路網が発達した段階では、第3速をハイ・ギアードに設定するほうが賢明なようだ。
 第2速はクルマのトルク特性と第3速の変速比とのかね合いをみて設定すればよい、ということになる。たとえば、トルクの値があまり大きくないクルマでは、減速比を高くとると発進から加速へと移ってからのエンジンの吹け上がりが悪くなる。なぜなら駆動力が不足するからだ。

グーネットピット編集部

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、 自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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