車検・点検・メンテナンス
更新日:2019.10.03 / 掲載日:2019.10.03

フロントガラスの修理にかかる費用は?日頃の注意点・応急処置

フロントガラスの修理にかかる費用は?日頃の注意点・応急処置

飛び石や事故などが理由で、フロントガラスを修理しなければならない事態に陥ったことはありませんか?そこで困るのが、修理費用ではないでしょうか?できるだけ安く抑えたいけれど、どこで依頼すればお得に修理できるか分からない、という方も多いでしょう。ここでは、フロントガラスの修理方法と費用についてご紹介します。また、修理を必要とするかどうかの目安や保険が効くのかどうか、傷つかないように日頃から注意すべき点や傷ついてしまった場合の応急処置も併せてご説明します。

フロントガラスを交換しなければいけない目安

そもそも、どの程度の傷になるとフロントガラスを交換しなければならないのか分からない、という方も多いのではないでしょうか?多少の傷やヒビでしたら走行に問題はないですし、一部分の傷やヒビのためにフロントガラス全てを交換しなければいけない、というのはなんだか勿体ないので、できれば修理で済ませたい、と思う方もいるでしょう。そこでここでは、フロントガラスを交換しなければいけないキズの目安をご紹介します。修理か交換のどちらが必要になるか悩んでいる方は、以下を参考にしてください。

目安は500円玉

一般的に、修理ではなく交換が必要になるのは、傷やヒビの大きさが500円玉の大きさを超えるかどうかです。500円玉以下の大きさであれば修理が可能ですし、500円玉以上になるとフロントガラスの交換が必要になってしまいます。悩んだときはフロントガラスの裏側に500円玉を当てて、大きさを確かめてみましょう。ただし、傷やヒビの状態によっては500円玉以上の大きさであっても修理が可能なケースがあります。必ず業者に依頼して状態を確認してもらいましょう。

小さな傷なら大丈夫?

飛び石などが当たって小さな傷ができてしまった、ということは良くあります。ヒビとは異なり視界の妨げにもなりにくいので、フロントガラスの交換はもちろん、修理もしなくて良いと考える方が多いでしょう。しかし、小さな傷を放置することは大きな危険を伴います。小さな傷ができることは比較的よくあることです。問題なのは、“修理しないで放置する”ことです。自動車は走行中、大きな風圧を受けますし、常時振動しています。そのため、最初は小さな傷だったものが徐々に大きくなっていく可能性があるのです。さらに、万が一傷がある場所に再度飛び石などが当たった場合、フロントガラスが割れてしまう可能性もあります。通常1度の飛び石でフロントガラスにヒビが入ることはあっても、割れることはありません。しかし、小さな傷ができて脆くなっているところに当たると、完全に割れるケースもあるのです。走行中にフロントガラスが割れては、安全な走行はできませんし、怪我をする可能性もあります。小さな傷であれば低価格で修理できるので、放置せず、ガラスの傷は小さなうちに修理しておきましょう。

リペアか交換か

リペア(修理)か交換かの判断基準は500円玉の大きさが目安、と説明しましたが、その判断基準が適応されない傷やヒビもあります。ここで重要になってくるのが傷の深さと位置。傷やヒビがどこにあると交換になってしまうのかは、以下の3点をご覧ください。

運転視界に傷やヒビが入っている

運転視界に傷やヒビが入っていると視野の妨げとなって運転に支障をきたすため、交換になります。実はフロントガラスに傷やヒビが入っていても車検が通るケースはあるのですが、運転視界に傷やヒビがあった場合はまず通りません。

フロントガラスのサッシから近い位置に傷やヒビがある

フロントガラスの端に傷やヒビがあった場合も要注意。具体的には、フロントガラスの上部や左右の端から10-20cm以内の位置に傷やヒビがあると交換になります。振動によって、いずれ大きな割れに繋がってしまうので交換しましょう。

デフロスターの風が当たる場所に傷やヒビがある

フロントガラスの曇りを除去するためのデフロスターが当たる場所に傷やヒビができた場合も、基本的に交換となります。これは、デフロスターによる温度変化が原因です。温度が急激に変化するとガラスは割れやすくなるため、修理しても再度割れる可能性が高くなります。

フロントガラスの修理交換の方法

フロントガラスの修理交換の方法

フロントガラスの修理・交換が必要になったけれど、どこに持っていけば良いのか悩む方は多いのではないでしょうか?例えばタイヤがパンクした場合には、ガソリンスタンドやカー用品店など気軽にタイヤ交換を依頼できる場所が多くありますが、フロントガラスの修理・交換となると、対応できる業者は限られています。どこに依頼すれば良いのか悩んだ際は、以下をチェックしてみてください。

自分でもできる?

フロントガラスの修理や交換を依頼する時間がないという方は、自分で修理してみましょう。小さな傷であれば、市販のリペアキットを使用して簡単に修理できます。修理する手順は以下の通り。

1. フロントガラス全体を拭いて綺麗にする:この際、塗れた布で拭くのは厳禁。乾いた布で拭きましょう。
2. 傷の中を清掃する:綿棒やピンセットを使用して汚れを取り除きます。
3. マスキングテープで養生する
4. 台座を傷部分に固定する:傷部分に台座が密着していないと失敗してしまうので、必ず密着させましょう。
5. 台座に補修液を注入する:こぼれた分は拭き取りましょう。
6. 減圧・加圧を繰り返す:注射器を押し引きすることで減圧・加圧を行います。
7. 台座を取り外す:取り外した後に補修液を1,2滴垂らすと綺麗に仕上がります。
8. 保護フィルムを貼る:貼ったら30分-1時間放置し、補修液が固まるまで待ちます。
9. 保護フィルムを剥がして不要な補修液を削りとる:カミソリなどを利用して、フロントガラスを傷つけないように削り取ってください。

ただし、素人目では傷の深さを正しく認識できないことも多く、補修が不十分になるケースも多いため、修理しても傷が広がって逆に危険になることも。また、業者に依頼したときのような仕上がりの綺麗さは得られません。中にはフロントガラスの交換も自分で行うという人もいますが、こちらも取り付けが甘くなって危険を伴いかねないのであまりおすすめできません。安く済ませられるメリットはありますが、大きなリスクがあることを承知しておきましょう。

ディーラーに持って行く

一般的にフロントガラスの修理・交換が必要になった際に依頼することが多いのが、車を購入したディーラーか、同じメーカーの正規ディーラーではないでしょうか。販売した車についてよく知っているので、その車種にあったフロントガラスを選んでくれます。さらに、ディーラーに依頼した際に使用されるガラスは純正品なので、品質が保証されているメリットもあります。フロントガラス自体にもメーカーのロゴが入るので、新車と変わらない状態にすることができます。ただし、多くの場合はディーラーの店舗内でフロントガラスを修理・交換するのではなく、ガラス専門工場に外注しているので中間マージンが発生し、価格が高くなってしまうのがデメリットです。ディーラーによっては車を自宅まで引き取りに来てくれるので、業者に依頼しに行く時間がない人などにおすすめです。

ガラス専門工場

できるだけお得にフロントガラスの修理・交換を行いたい、という方におすすめなのが、ガラス専門工場に依頼すること。つまり、ディーラーが外注している業者に依頼するということです。ガラス専門工場は、ディーラーであっても一般のお客さんであっても基本的に同じ値段でフロントガラスの修理・交換を請け負っているため、中間マージンが発生しない分価格を抑えることが可能です。さらに、フロントガラスを純正品以外の選択肢から選ぶことができるので、ガラス自体の部品価格を抑えることも可能です。店舗によっては「3年以内にフロントガラスが割れてしまった場合、ガラス交換が無料」などのガラス補償サービスがついていることがあるのも、ガラス専門工場ならでは。事前にお得に修理・交換ができる場所を調べておくと良いでしょう。

フロントガラスの修理・交換費用

フロントガラスの修理・交換費用

それでは実際、フロントガラスの修理・交換にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?ここでは、費用の内訳やできるだけ安く抑える方法、修理にかかる時間をご紹介します。

内訳はどのようになるか

高額になりがちなフロントガラスの修理・交換。高額故に、内訳がどうなっているのか気になる方もいるでしょう。しかし実は、フロントガラスの修理・交換費用の内訳は、主に以下の2つのみです。

・フロントガラス代金
・工賃

工賃とは交換作業の人件費や技術料などを指すので、内訳としてはいたってシンプル。業者によってはこれに必要部品代やガラス処分料などが上乗せされますが、基本的にはこの2つなのでフロントガラスの料金が金額のほとんどを占めているということが分かるでしょう。ただし、ディーラーや自動車修理工場などガラス専門工場以外の場所で依頼すると、ここに中間マージンが上乗せされるので要注意。内訳に「中間マージン代」と書かれるわけではなく、全ての項目が定価よりも少し高めに書かれています。

複数の業者に見積もりを依頼して比較しよう

フロントガラスの修理・交換をしようと考えたとき、早く直して欲しいがあまり最初に選んだ業者に依頼するのはあまり得策ではありません。それは、依頼する業者によって料金が大きく異なるからです。依頼する業者によっては、修理で済むようなキズでも、交換を推してくるので注意が必要です。特にディーラーでは交換を勧めてくることが多いようなので要注意。そのため、価格もディーラーのほうが高くなる傾向にあります。修理・交換が妥当な方法なのかどうかも、複数の業者に見積りを出してもらうことで知ることができるので、まずは見積りを依頼して、価格だけではなく受けられるサービス内容についても複数の業者のものを比較検討しましょう。実際にかかる費用については次の項で詳しく説明します。

車種やガラスの種類によっても異なる

フロントガラスの修理代金は、以下の通りです。ディーラーのほうがガラス専門工場の約2倍の料金がかかることが分かります。なお、傷やヒビの程度によって料金は異なるので、ご紹介した金額よりも高額になることがあります。

・ディーラー:30,000円~
・ガラス専門工場:15,000円~

フロントガラスの修理については費用をホームページに掲載している業者が数多くあるのですが、交換については費用を掲載している業者がほとんどありません。これは、フロントガラスの交換費用の大部分を占める“フロントガラス代金”に大きな幅があるためです。ディーラーでは純正品を扱いますが、ガラス専門工場などに依頼すると純正品以外にも社外品、国内品、海外品などのなかから選ぶことができます。さらにはUVカットやIRカットなどの機能がついたフロントガラスもあるので、値段の幅が数万円ついてしまうことがザラにあるのです。web上の口コミなどを総合して相場を出した場合、以下の通り。

・純正品:100,000円~
・社外品・国産品:80,000円~
・海外品・中古品:70,000円~

ただしこれらはあくまで一般的な価格です。事前に傷やヒビの状態を確認してもらうか、見積りを作成してもらうなどして、必ず値段を確認してから依頼しましょう。

修理にはどれくらいの時間がかかる?

フロントガラスの修理・交換は、どちらも1日あれば作業が完了します。つまり、朝依頼すれば夕方には直っている状態で返ってくるということ。詳しくは以下を確認しておきましょう。

フロントガラスの修理

傷の程度にもよりますが、約30-60分程度で終わるところが多いようです。

フロントガラスの交換

作業自体は約40-90分で完了しますが、接着剤を乾燥させるために約3-4時間車を動かさずにいる必要があります。そのため、結果的にかかる時間は4-5時間程度と考えておくと良いでしょう。ただしここでご紹介したのは、ガラス専門工場に依頼した場合の所要時間。ディーラーなどの作業を外注している業者に頼んだ場合は、修理であっても数時間~半日以上、交換であれば1日程度かかるので注意しましょう。

フロントガラスの修理に保険は適用される?

フロントガラスの修理に保険は適用される?

フロントガラスの修理・交換は高額になってしまうことが多いため、保険が適用されるか不安に思う方もいるでしょう。そこでここでは、保険が適用される条件や使える保険の種類、保険を使う際の注意点をご紹介します。

保険適用される条件

結論から言うと、フロントガラスの修理に保険を使うことは可能です。ただし、補償内容にフロントガラスの修理・交換が含まれている保険に入っているかどうかが問題です。契約している保険の補償内容によっては、保険が適用されません。さらに、補償が含まれた保険であっても「自分の責任ではない不可抗力」による傷やヒビであることや「飛来中の他物との衝突」でできた傷やヒビが条件になります。具体的には、飛び石やいたずらなど、自分の故意ではない原因であればOK。逆に、誤ってぶつけてしまったなどの自分の過失による傷やヒビは保険が適用しない可能性が高いので注意が必要です。詳しい条件は保険によって異なるので、契約している保険の補償内容を確認しておきましょう。

フロントガラス修理に使える保険の種類

車の保険には、大きく分けて以下の2つの種類があります。保険会社によって呼び方は異なりますが、補償の範囲はだいたい同じです。以下を参考にしてください。

補償範囲を限定した保険

企業によって「エコノミー型」や「限定カバー型」などと呼ばれている保険。保険料が安い代わりに補償範囲が限定されており、当て逃げにあった場合や単独事故の場合は補償してくれません。

幅広く補償してくれる保険

企業によって「一般型」や「ワイドカバー型」と呼ばれている保険。保険料は高いですが、地震・津波・噴火以外であればほとんど補償してくれます。なお、フロントガラスの傷やヒビの原因が飛び石だった場合、上2つのどちらとも保険は適用されます。

注意!保険を使うと等級が下がる

フロントガラスの修理・交換に保険が適用されて、修理費用が安く済んだ、と喜んでいる方は要注意です。得をしたように見えて、実際は損をしているかもしれません。それは、1度フロントガラスの修理・交換に保険を適用してしまうと、「1等級ダウン事故」として扱われ、等級が下がってしまうためです。たった1等級のダウンと考えがちですが、本来保険契約が継続されることで1等級アップしていたものが1等級ダウンしてしまうので、実際の差は2等級になります。等級が下がると翌年からの保険料は上がるため、結果的に上がった分の保険料がフロントガラスの修理費用を超えてしまうことも。そのため、保険を適用せずに自費で修理を行う人も数多くいます。自分はどちらの方がお得に修理・交換できるのか、今一度考えてみましょう。

日頃の注意点

日頃の注意点

ここまでフロントガラスの修理や交換についてご説明してきましたが、できれば修理や交換が必要な事態になることを避けたいものです。そこでここでは、フロントガラスの修理・交換のリスクを小さくする対策を2つご紹介します。また、万が一傷やヒビができた場合にとるべき応急処置の方法もご紹介するので、チェックしておきましょう。

走り方

フロントガラスに傷やヒビができてしまう原因の1つが、飛び石。高速道路走行時などに多くある被害で、前方の車や対向車のタイヤに挟まっている小石が遠心力ではじき飛ばされたり、道路上にある小石が高速回転するタイヤに巻き込まれて弾き飛んでこちらにやってくる現象のことを指します。道路上の小石を全て避けて走行することは不可能なので、飛び石の発生は仕方ないもの。こちらに飛んでくる確率も不確定なので、飛び石を100%防止する対策はありません。しかし、走り方によっては飛び石に当たる確率を減らすことができます。以下の5点を心掛けましょう。

・車間距離をとる
・スピードを上げすぎない
・トラックなどの大型車の後ろは避ける
・タイヤのゴムが柔らかいスポーツカーの後ろは避ける
・タイヤの溝の幅が大きい四輪駆動車の後ろは避ける

日差しや寒さ対策

日差しはワイパーのゴム部分を劣化させ、ゴムが割れる原因となります。ゴムが割れた状態で使用し続けるとガラスにゴムがひっかかり、細かい傷がついて大きな割れに繋がることも。ワイパーの寿命は約1年と言われていますが、ゴムの劣化が激しい場合は1年を待たずに交換しましょう。逆に、寒さでフロントガラスが凍結してしまった際にとる行動にも注意が必要です。凍ったフロントガラスを溶かそうとお湯をかけると、急激な温度変化によりヒビが入ってしまうので絶対に止めましょう。エンジンをかけたり解氷スプレーをかけたりするなどして、溶かしてください。同様に、夏場にフロントガラスを冷まそうと冷たい水をかけるのもNG。エアコンをかけるなどして、ゆっくり冷ますようにしましょう。

応急処置の方法

フロントガラスに傷やヒビができてしまったけれど、すぐには修理に出せない……という場合には応急処置を施しておくのがおすすめ。走行による振動などによる、傷やヒビの拡大を防いでくれます。応急処置には以下の方法があります。どれもカー用品店やホームセンターなどで販売されているので、手軽に購入できるのがメリット。応急処置をする際には、傷やヒビ内の汚れを取り除いてから行うようにしましょう。

・保護シールを貼る
・UVレジン液を使った補修剤を使用する

ただし、これらは修理ではなく応急処置に過ぎません。できるだけ早く業者に修理・交換を依頼してください。

まとめ

フロントガラスの傷やヒビは、小さければ問題ないと思いがちですが、見た目以上に危険をはらんでいるということを理解しておきましょう。今回ご紹介した方法で修理することも可能ではありますが、費用がかかっても業者に依頼したほうが、安全な走行ができるので安心です。また、選ぶガラスの種類や業者によって、フロントガラスの交換費用は大きく異なります。どこで依頼するかによっても違いますが、純正品を使用する場合は100,000円以上かかると考えておくと良いでしょう。高額なフロントガラスの修理・交換には、保険を適用することも可能です。しかし等級が下がってしまうので、保険を適用するか否かはじっくり考えてからにしたほうが良いでしょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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