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故障・修理
更新日:2020.10.12 / 掲載日:2019.10.03

車のエアコンがおかしい!修理や費用はどれくらいかかる?

車のエアコンがおかしい!修理や費用はどれくらいかかる?

車の中は、夏の暑さは猛烈ですし、冬の寒さも地域によっては厳しいものです。もし車のエアコンの調子が悪かったら、すみやかに対処しないと車に乗るのが苦痛になってしまいます。ですが、修理の際はできるだけ無駄なお金や時間を使いたくないはずです。少しでも無駄をなくすために、まずエアコンの仕組みを知り、故障の原因や修理・点検の内容を把握することが大切です。

車の冷房の仕組みを理解しておけば、調子の悪い原因もある程度予想できます。

冷房の仕組みは?

車のエアコンの冷房の仕組みは、家庭用エアコンと同じです。冷媒をエアコンシステム内で循環させ、液体が蒸発するときに熱を奪う原理を利用して車内を冷やします。注射の前にアルコール消毒するとヒヤッとした覚えはありませんか?アルコールは気化するときに周囲から熱を奪うので冷たさを感じるのです。エアコンの原理もこれと同じ「気化熱冷却」と呼ばれるものです。常温で気体である冷媒は、コンプレッサーを使って液体になり、循環して冷房として機能します。車の場合、コンプレッサーはエンジンの動力を使用します。冷房を入れるとガソリンが早く減るのは、コンプレッサーがガソリン消費を伴うエンジン動力を使うからです。車の冷房の原理は以上の通りです。
次に、冷房不調時に考えられる原因を見ていきましょう。

原因その1:コンプレッサー

車の冷房不調で原因として考えられるのは、まずコンプレッサーの状態です。コンプレッサーそのものは頑丈で、滅多なことでは故障しません。ただし、エンジンの動力をベルトを使ってコンプレッサーに伝える電磁クラッチの不良が起きる可能性はあります。これが原因で冷房の調子が悪くなるケースは少なくないようです。冷房を入れると電磁石に電力が流れ、電磁クラッチがエンジン動力をコンプレッサーに伝えます。そのため、電磁クラッチの調子が悪くなると、エンジン動力がコンプレッサーに伝わりません。当然、コンプレッサーは回らなくなり、冷房が効かなくなるのです。

原因その2:エアコンガスが足りない

冷房不調は、エアコンガスの不足が原因のケースがかなりあるようです。エアコンの使用そのものでガスは減りません。ただし、車の振動でエアコンガス配管の結合部分にあるわずかな隙間からガスが漏れ、少しずつ減っていくことはあります。このわずかな減少が積み重なってガス不足になり、冷房が効きにくくなるのです。不調原因が自然減によるエアコンガス不足の場合、ガスを補充すれば機能を回復させることができます。

原因その3:エアコンガスが漏れている

密閉された状態のエアコンガスは、基本的に漏れることはありません。ただし、経年劣化による部品の傷みなどで各所からエアコンガスが漏れてしまうこともあります。こうなると漏れている箇所を特定し、その部品を交換しないと漏れを止めることはできません。

暖房の調子が悪い

暖房の調子が悪い

次は車の暖房の不調の原因を理解しましょう。

暖房の仕組みは?

車の暖房機能は、エンジンが燃料燃焼して発生させる「エンジン熱」を利用するので、エンジンをかけた直後は車内は暖かくなりません。エンジンをかけて発生した熱は冷却水(クーラント)で冷やされます。温度が上昇した冷却水に風を当てると暖かい空気が発生し、車内に送り込まれて暖房として働くのです。エンジン熱を暖房として利用している仕組みですから、車の暖房は車を走らせていれば使えます。したがって、暖房用として別途でガソリンを使うことはなく、暖房を使用したからと言って燃費が下がることはありません。ただし、A/Cボタンを押すとコンプレッサーが働くので、燃費に影響します。冬場に車内の曇りを除去するためには、コンプレッサーを稼働させ除湿するのが効果的です。暖房時は燃費向上を考え、車内の曇りを除きたいときのみA/Cボタンを使用するのが良いでしょう。車の暖房の原理は以上の通りです。
次に、暖房不調時に考えられる原因を見ていきましょう。

原因その1:サーモスタットの故障

暖房が効かなくなる原因で多いのは、冷却水の温度を調節する「サーモスタット」の故障です。サーモスタットとは、エンジンを素早く温めるために、冷却水の通り道を封鎖する弁のついた部品です。温度が上昇したら弁を開き、冷却水をエンジンの冷却ラインに循環させ、水温を調節します。この弁がうまく閉じない場合、冷却水の温度が十分に上がらず、暖房が正常に機能しなくなります。

原因その2:クーラントの調子が悪い

上記で説明したように、車の暖房はエンジンを冷やすクーラント=冷却水を利用して暖かい風を作る仕組みです。クーラントがなんらかの事情で不足・漏れが生じていたり、詰まっていたりする場合は、暖房の効きが悪くなります。そのまま放置しておくとオーバーヒートでエンジンにまで影響が出る可能性もあるでしょう。そうなると、修理費用も高額になってしまうので、要注意です。

修理はどこに依頼すればいいのか?

修理はどこに依頼すればいいのか?

冷房と暖房の仕組み、そして不調の場合の代表的な原因に関して解説しました。次に、不調を把握したときはどこに修理を依頼するべきか検証してみましょう。車の修理は持ち込む場所によって費用が違ってきます。また、得意分野の違いもあります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。

整備工場

普段、車検や点検などでお付き合いのある整備工場があれば、そこにお願いするのが良いですね。個人経営や小規模のところであれば、お付き合いの内容次第で値引き対応も期待できるでしょう。レベルの高い整備士が在籍しているところであれば、技術力に関しても安心です。修理費用は、ほとんどの場合ディーラーより安く済むでしょう。

ディーラー

メーカー保証期間・ディーラー保証期間であれば、無料で修理してもらえる場合もあります。それ以外の場合、一般的にディーラーの修理費用はほかの業者に比較すると高めですから、注意してください。また、ディーラーはエアコンのような電装系の修理が得意分野ではなく、実際の修理は外注するディーラーが多いようです。

電装サービス業者

電装関係パーツの専門業者に依頼する方法です。ほとんどの場合ディーラーより安いでしょう。専門なので、電装関連の技術力は信頼できます。

カー用品店

お店によって差はありますが、比較的安価にお願いできるところが多いので、費用を確認してみるのも良いですね。ただし複雑な作業に及ぶ場合は対応できないこともあるようです。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドは給油の際に点検をかねて修理をお願いできるので、とても手軽です。こちらもカー用品店と同じく原因が表面的なものではない場合、対応できないこともあるようです。

冷房が故障したときの修理箇所・点検方法

冷房が故障したときの修理箇所・点検方法

冷房が故障した際の症状別の修理箇所、具体的な点検方法などを確認しておきましょう。

ガス漏れの確認、充填

風が出てくるのに冷えていない場合、冷房が効いていないことが疑われます。送風になってしまい、車内が冷えない状態です。この症状であれば、エアコンガスの不足か漏れの可能性が大きいでしょう。車の場合、エアコン内部のエアコンガスが循環して冷気を作るので、ガスに問題があれば冷風が出なくなるのです。エアコン内部は気密性が高いので、ガスが漏れることは基本的にありません。しかし、振動などによってごく少量のガスが漏れ続けた結果、年月の経過とともにガス不足になってしまうことはあります。また、車の経年劣化で結合部分などに亀裂ができてしまい、気密性に問題が生じているケースも考えられるでしょう。

コンプレッサーの修理

エアコンガスに問題がなければ、冷房が効かない原因はコンプレッサーの故障が考えられます。通常、エアコンスイッチを入れたときはカチッと音がしますが、この音がしない場合、コンプレッサーの故障を疑ったほうが良いでしょう。また、コンプレッサー内部に不良・損傷がある場合、エンジン付近からノイズが聞こえる場合もあります。放置しておくと修理範囲が広くなってしまう危険性があります。コンプレッサーが不調原因と特定するのは、専門業者でないと難しいです。エアコンスイッチON時の無音・エンジン付近の異音などを感じたら、ディーラーや整備工場でコンプレッサーをチェックしてもらいましょう。

ファンモーターの点検・修理

冷房をつけても風が出てこない場合、風を作り出すファンモーターが故障しているケースが考えられます。このモーター自体の故障もあり得るので、劣化状況次第では交換が必要です。

フィルターの点検・交換

エアコンから不快なニオイがするときは、エアコンのフィルターにカビが発生していたり、ホコリやゴミが詰まっている可能性があります。春や秋など、過ごしやすい季節はエアコンが必要ありません。実はカビの発生は、この「エアコンを使わない」ことが原因です。車のエアコンは使用しない期間が続くと内部で空気が循環せず、カビが発生しやすくなるのです。週に一度程度はエアコンをつけ、内部の空気循環をしてカビを予防しましょう。また、エアコンフィルターの清掃・交換も重要です。フィルターの交換に関してはDIYが可能なので、自分でやってしまうのもおすすめです。

暖房が故障したときの修理箇所・点検方法

暖房が故障したときの修理箇所・点検方法

次に、暖房が効かなくなった場合の修理箇所と点検方法を確認します。「(今は)暖房が必要ない」などの理由でクーラントやサーモスタットの不調を放置しておくと、オーバーヒートでエンジンに影響が及ぶ危険性もがあるので、不調を感じたらすぐに適切な処置を行ってください。

冷却水(クーラント)交換

車ではエンジン内を冷却水が循環し、エンジンを冷やす際に奪った熱を暖房に利用しますから、冷却水が不足すると暖房の調子は悪くなります。この場合、冷却水を補充、交換すればOKです。

サーモスタットの確認、修理、交換

冷却水の量に問題がなければ、暖房不調の原因はサーモスタットにあると考えられます。サーモスタットは冷却水の温度を調節する部品。暖房が効かない・暑くなりすぎるなどの現象が起きた場合、サーモスタットの故障を疑い、修理・交換しましょう。

ラジエーターの点検、分解

ラジエーターは、エンジン内を循環し、熱を蓄えた冷却水を走行風で冷却する部品。内部は冷却水で満たされ、走行中は冷却水が常に循環し、エンジンを冷やします。暖房に不調を感じたら、ラジエーターリザーバタンク内の冷却水が「FULL」と「LOW」の間にあるか点検しましょう。冷却水の減少が激しいときは、ホースなどから冷却水が漏れている可能性があります。このような状況の場合は、専門業者に点検・修理を依頼しましょう。

ファンモーターの点検・修理

暖房をつけても風が出てこなかったり、変な音がしたりする場合、ファンモーターが故障している可能性があります。ファンモーターは経年劣化しますので、使用年数次第では交換が必要です。

車のエアコン修理にかかる費用・かかる時間

車のエアコン修理にかかる費用・かかる時間

エアコン不調時の故障箇所の特定方法は、以上の通りです。エアコンの修理はガスや冷却水の扱いが必要なため、専門知識と専用工具や安全対策が求められます。フィルター交換はDIYでも大丈夫ですが、それ以外は自分でやるのはリスクも高いでしょう。ここでは、業者に依頼した場合のおおよその費用に関してご紹介します。費用は、修理箇所によってかなり差があることを覚えておいてください。

冷房修理の相場

原因・修理内容ごとに費用に違いがあります。

エアコンガスの不足が原因

エアコンガスの補充だけなので、3,000-5,000円程度の費用です。

エアコンガスの漏れが原因

亀裂や劣化によって漏れが生じているようなら、ガスを補充するだけでは解決しません。ガス漏れ箇所の修理が必要です。漏れている場所にもよりますが、2-5万円程度の費用がかかるでしょう。

コンプレッサーの修理が必要

コンプレッサーの故障は専門家でないと特定が難しく、修理に持ち込んで判断される場合も多いようです。コンプレッサーの交換費用は、5-10万円とやや高額。車の買い替え時と重なっていれば、交換するか買い替えてしまうか、比較検討したほうが良いかもしれません。

ファンモーターの交換が必要

2-3万円はかかってしまいます。

暖房修理の相場

暖房修理の場合、サーモスタット・クーラントの交換が必要です。経年劣化したファンモーターも交換になります。痛い出費ではありますが、これらが不調だとエンジンがオーバーヒートを起こし、深刻な事態を招く恐れもあるのです。早めに修理してしまいましょう。

サーモスタットの修理

エアコン以外にも重要な役割を持つ部品です。故障した場合の交換費用は1万円前後が相場と考えてください。

冷却水(クーラント)交換

冷却水の交換費用は5,000円程度です。

ファンモーターの交換

2-3万円程度は覚悟しましょう。

修理にかかる時間

修理箇所によって違います。エアコンガス・冷却水の補充程度なら、ほとんどの場合数時間程度で終了します。それ以上の修理・交換になると、3日間から1週間程度はかかるでしょう。部品の在庫がなく取り寄せになってしまい、予想した以上に時間がかかるケースもあります。

車が古いと修理は高くつく?

各々の修理費用は、それだけ見れば特別高額ではありません。多くの方は、修理して車を乗り続けようと考えられるでしょう。ただし、その車自体が古い場合、中古車買取に出しても基本的に金額がつく可能性がとても低いのが現実です。市場価値がほとんどない車にお金をかけて修理するのは、とてもコストパフォーマンスの悪いことだと言えます。古い車の場合、修理してもその後も不具合が出る可能性も大きいでしょう。そのような状況が続くと、修理が結果的にとても高くついてしまいます。修理は、車の市場価値と相談して行うのがおすすめです。

フィルターのメンテナンスも大切

フィルターのメンテナンスも大切

車のエアコンのフィルターは、車外からホコリ・花粉が侵入するのを防いでくれる頼りになる存在です。ですが、エアコンから出る風に不快なニオイを感じたら、フィルターの汚れが疑われます。ニオイを感じるまでいかなくても、フィルターには汚れが溜まっているはずです。フィルターを定期的に清掃・交換しておけば、このニオイから解放されますし、カビや雑菌の繁殖を抑えることができます。また、家庭用エアコンと同じように、車のエアコンもフィルターのメンテナンスによって「効き」が違ってきますので、しっかりメンテナンスしましょう。一年に一度のフィルター交換を推奨するメーカーが多いので、交換の目安にしてください。

エアコンフィルターは自分で交換可能

実はフィルターの交換は自分で行えます。助手席のグローブボックス奥にエアコンフィルターが付いている車種であれば、簡単に交換できる場合がほとんどです。

車のエアコンフィルター交換の方法

具体的な交換の手順を解説します。

エアコンフィルターの購入

エアコンフィルターは、カー用品店・ディーラー・ネット通販などで購入できます。費用は1,500-5,000円程度。商品の適合車種を確認して購入しましょう。同じ車種でも、年式・型式で適合フィルターが違う場合があります。車の年式は車検証の「初年度登録年月」、型式は同じく車検証の「型式」欄に記載されていますので、購入前に必ず確認してください。

グローブボックスを外す

グローブボックスのフタを開け、アジャスターが引っかかっているところを取り外してください。アジャスターを外したら、そのままグローブボックスを引き抜きます。

使用中のエアコンフィルターを抜く

グローブボックスを取り外したところの正面に、エアコンフィルターがあります。フィルターのカバーを外し、中のフィルターを抜きましょう。

新しいエアコンフィルターをセット

上下の向きを確認して新しいフィルターをセットします。カバーをつけ、外したときの逆の手順でグローブボックスを元に戻しましょう。車の取扱説明書にフィルター交換に関する記載がある場合、そちらを一読するのもおすすめです。

まとめ

車のエアコン不調の原因は、冷房ならコンプレッサーかエアコンガス、暖房ならサーモスタットか冷却水にある場合がほとんどです。修理が必要な場合、どこにお願いするかで費用は違ってきます。それぞれの業者のメリットを比較し、一番お得なところにお願いしましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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