故障・修理
更新日:2019.10.01 / 掲載日:2019.10.01

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第8回 高回転で高温のため水温計は必須!」

前号のタコメーター装着で高回転連続運転が判明した3AT仕様。当然冷却経路もかなり高温になっていることは想像に難くない。RRレイアウトは冷却水経路も複雑でメンテナンスも大変。水温計の装着で冷却系をしっかり管理するゾ!。

高温になる連続運転で水温はいったい?

 前回で取り付けたタコメーターで常用回転数を見ると4000rpm付近が多く、高速道路巡航では6000rpm近くをうろついている。EN07エンジンはタフでよく回る軽自動車では珍しい4気筒エンジンだが、回転数を見る限りはまるでサーキットランをしているような回転数である。当然エンジンから発生する熱量も多くなり、冷却水経路がかなり気になってくる。

 サンバーはRRレイアウトで、ラジエーターはちょうど座席の下あたりに配置され、前方から取り込んだ空気によって冷やされている。エンジンとラジエーター間が長いということはその間をホースで繋ぐ形となり、そこでも冷却効果が期待できるためにラジエーターは小さくて済むという図式だが、たとえばラジエータートラブルなどで交換となった場合、その作業は通常のフロントエンジンと比べると10倍ほど時間がかかるという、メンテナンス性の悪い車両なのだ。

 ディーラーでも「水温管理はしてください。できれば水温計があったほうがいいです」といわれるほどで、通常ならほとんどメンテされることがないだろう冷却水は、サンバーの場合錆びやすくラジエーターを詰まらせてしまう事例もかなりあるようだ。こういったことからも、高回転エンジンの負担を軽減させ、定期メンテで冷却水の交換を考えるならば水温計は必須。多少はエンジンに優しい季節になってきたものの、水温計装着後4000回転付近に水温上昇のカギがあり、常時80度付近でピークは96度ほど。水温の変化は思ったよりも激しく3ATの場合、2速でのアクセルオンーオフの変化が一番大きかった。

 装着にあたって、タコメーターからのリンクケーブルが短く、コネクターを探したが、秋葉原中を歩いても見つからずで、コネクトピンだけを探すことに。若干形状が違うが、幸い国産のピンが使用できることが判明し、途中で電線を切って延長というスタイルではなく、カプラー間で延長できるため、まとまりもスッキリで配線によるトラブル回避もできた。

高回転で高温のため水温計は必須!

ホワイトフェイス60mmにケース、ハーネス、センサーなど。取り扱い説明書に日本語はないが理解は容易。価格11,880円(税込)

サンバーのホースは22mm直径と小径で自動車用アダプターが使えず、SP武川の汎用アダプター07-04-22を使用。2,700円(税込)

フロントをジャッキアップしラジエータードレンボルトから冷却水を抜く。キャップをあけずに気長に抜くと飛び散らないで済む。

水を抜く時間を利用してセンサーをアダプターにねじ込む。シールテープは回転方向に合わせて1~2巻きしておく。逆は厳禁!

ラジエーターの後ろ側にホースが並んでいる。細いほうが送り側となる。直線部分を20mmカットしてセンサーを潜り込ませる。

センサーケーブルはフロントアンダーガードの真上に。パワステモーターのエア抜きパイプを抜くとケーブルがすんなり通る。

電源関係はタコメーターからの分岐でラクに取れるが、付属ケーブルは15cmと短く、このメーター配置には使えない。

コネクター単品としてはたぶん国内に存在していないだろうと思われる。ピンだけはどうにか使えそうなものがあった。日圧のSPHD-001T-P0.5。単品購入だと10円程度。

延長ケーブルは汎用4芯のVVC 018の4芯。純正が24AWGなのでほぼ太さもOK。コネクターピンの圧着も容易だ。シースは灰色。

「リンクケーブル 完成!」付属のハーネスは約15cm。製作したのは120cm。メーターパネルを取り外した時に余裕がほしかったのでこの長さにした。

メーターを外すとダッシュボードの隙間に手が入るので、ブレーキリザーバーの奥から電線をメーターに誘引した。唯一手が入る。

苦労するRR冷却水エア抜き

「エンジンルーム」エンジンルーム手前真ん中にエア抜きグロメットがある。メーカー手順としては最後に抜くが、水を入れる時に外しておくとラク。

「助手席足元」運転席左足元のカバーを外すとヒーターコアが見える。その奥側にエア抜きのゴムキャップがある。まずはここからエアを抜く。

「助手席下」ラジエーターキャップ脇のエアー抜き部分。ヒーターコアの次にここを外してエアを抜く。エンジン側を抜くと全体のエアが抜けやすい。

キャップを外したままだと運転席がベチャベチャになるので、ホースを繋いでペットボトルなどに冷却水を溜めるようにするといい。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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