故障・修理
更新日:2019.10.02 / 掲載日:2019.10.02

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第9回 110%以上の高効率スパーク!」

サンバーはリヤエンジンなのでバッテリーまでの距離が遠く、車齢を重ねると銅線の酸化によって電圧降下が大きくなる。燃焼効率を上げるためには強烈なスパークが必要だ。燃費向上、トルクアップと非力なサンバーを電源系から強化する!

遠くに見えるバッテリー電圧降下恐るべし!

 FHIメイドサンバーはRRという独自のエンジンレイアウトとフルキャブ仕様で唯一無二の存在だ。だが、軽自動車枠の中で補器類を無理やり詰め込んだレイアウトでは、長く使用していると劣化による弊害が出てくるのは確かだ。

 その中でもバッテリーの位置は問題だ。バンやワゴンは助手席下部に設置されているのだが、リヤエンジンのためオルタネーターからの配線引き回しはどうしても長くなってしまう。

 一般乗用車であればエンジンルームにバッテリーがあるため、配線の引き回しはそれほど長くないが、サンバーバン、ワゴン系はホイールベースの2倍ほども引き回されているのだ。この銅線も経年変化を起こし熱のかかる部分もあるために酸化して抵抗値が増加していくのだ。

 当企画に登場しているサンバーも7年目(取材当時)。エンジン停止状態でのバッテリー電圧と、エンジンを回転させるためにプラグスパークを起こさせるイグニッションコイルへの印加電圧を測定してみると0.22Vも差が出ていた。たかがそのくらいと思うかもしれないが、イグニッションコイルはバッテリー電圧12Vを約1500~2000倍にしてスパークプラグを点火しているので、コンマ数ボルトが数百ボルトに変化しているのだ。

 電圧降下によってスパークプラグの火花の強さが変われば、当然燃焼効率に影響が出てしまうので、できるだけ強力なスパークを飛ばしたいとなる。

 オルタネーターはバッテリーを充電させながらクルマの必要な電源を供給していて、内蔵されたレギュレーターによって安定化電源となっている。ここでの電圧は最大14.5V付近であり、それをイグニッションコイルに与えれば、純正よりも強いスパークが得られることになり、爆発力は高まる。

 実際に取り付けてみると、圧倒的な低速トルクの増大が体感でき、加速が楽しくなるという具合。高速にある「ゆずり車線」に行かずに済む場面も増加して、NA+3ATの劣等感を体感することが少なくなった。

110%以上の高効率スパーク!

オルタネーターの発電をそのままIGコイルに供給する、ダイレクトハーネスキット。価格12,900円(税込)。

オルタネーターで発電された電気はホイールベース分以上の往復をしてイグニッションコイルに与えられている。

バッテリー 12.67V
エンジンを始動せずバッテリー単体で電圧測定すると12.67V。これを基準として各部を計測してみることにする。

乗用車であればオルタネーターとバッテリーとイグニッション回りは三角の位置関係にある。ここにバッテリーを搭載できなかったのが辛いトコロ。

発電機 14.6V
オルタネーターはエンジンを始動して始めて機能するので、レギュレーターを通過した直後の電圧は14.6Vと、割と高め。

IGコイル端子 12.45V
イグニッションコイルのカプラーをはずして電源オンで測定。バッテリー端子電圧より0・22Vも電圧降下を起こしていた。

ハーネスを割り込ませる場所はエアクリーナーホースの真下にある茶色のカプラーだ。グリスが塗布してあるので抜けにくい。

カプラーはエンジン側に固定されているので、抜けにくい場合はマイナスドライバーをロックに当てて少しこじるといい。

左の矢印がオリジナルでリレー作動用。カプラーに戻るほうが発電機からの電圧をイグニッションコイルに印加するためのモノ。

ダイレクトハーネスの概略。既存のイグニッション電源はリレー作動用に使用。オルタネーターからの電圧をイグニッションコイルに与える方法で、単純に2V程度上昇し、最終で数千ボルトアップするというもの。

ハーネス部分は水がカブリやすいので、カチッと音がすることを確認できるまではめ込む。防水カプラーだが油断は禁物。

プラス側はゴムキャップの配線に忍び込ませて端子に接続。かなりの電流が流れるところなので、キャップをきちんとかぶせておく。

アース端子はオイルフィラーゲージの上あたりにエンジン回りのアースポイントがある。できるだけアースポイントはまとめたい。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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