故障・修理
更新日:2019.10.08 / 掲載日:2019.10.08
絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第12回 ワゴンスプリングに交換」
前回でディアスワゴン系のフロントスタビライザー装着を試みたわけだが、シャシー側に溶接改造が必要になり、今回ではできあがったブラケットの溶接作業とスプリング交換となる。軽自動車という造りの小ささから登録車では一般的に使える工具が使えないなど、組み付けひとつにしてもなかなか楽しませてくれる。そして完成度は文句なしの快適さだ!
スプリングコンプレッサーが使えないという微妙な悩み
前回ではバン系シャシーにないスタビライザーブラケットを製作して、今回ではいよいよ装着となる。純正パーツのブラケットにはスタビライザーパーツをすべて仮装着して位置を確認しながらバイスグリップなどを使用して固定する。この位置決めがすべての動きを決めてしまうので慎重におこない、溶接で点付け仮固定して動きを確認しておく。スタビリンクを取り付けずにスムーズに動くかどうかをチェックする。
万が一動きが悪い場合はタガネで点付けをヒットすればやり直しがきく。
仮固定で動きが確認できたらすべてのパーツを取り外して、製作した角材だけをじっくり溶接していく。狭い場所なので半自動溶接機が便利。周囲には防炎マットを巻いてしっかり養生しておくといい。ガソリンタンクは比較的遠いので防炎マットだけで十分に安全圏と見た。
溶接後はワイヤーブラシなどで溶接面のカスを取り除き、周囲に飛び散ったスパッタがあれば小さいハンマーなどで取り除き、その後熱のかかった部分を中心に錆転換材をしっかり塗布しておく。特に角材の内側に入り込んだナットなどにはしっかり塗布しておく。錆びてボルトが抜けなくなる恐れがあるからだ。本来ならフレームシャシーの内側にも塗っておきたいところだがさすがに手を入れるのは遠すぎるのでそのまま。
ディアスワゴンのスプリングはかなり柔らかいが、その分自由長を伸ばしてサスペンションにプリロードをかけて車高を上げているのが特徴。ロールが出た時にスタビライザーが効き始めるので通常走行ではソフトな乗り心地が約束される。しいていうなら軽自動車ゆえのコストダウンでダンパーがガス併用式ではないことだろう。
スプリング装着時にダンパーとスプリングのクリアランスがなく、通常のスプリングコンプレッサーが使えないことが判明。悩んだ油圧ジャッキにベルトを2本かけてダンパーの伸び側を制限して油圧をかけることでスプリングを縮めてようやくサスペンショントップにネジをかけることができた。このあたりはアタマと工夫でひねり出す臨機応変さが必要。
ワゴンスプリングに交換
純正パーツ番号は20330TC050左コイルスプリング。20330TC060右コイルスプリング。価格は共に6010円(税込み)現物を見てもまったく左右の違いが分からず、個体差かと思う程度の長さ違いしか分からない。
バンとディアスワゴンのフロントスプリングの差は見た目でもハッキリ分かる。バンのほうが明らかに太く1.6kg/mmもレートが違う。