故障・修理
更新日:2019.10.09 / 掲載日:2019.10.09

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第13回 アライメント調整」

乗り心地重視のワゴン用サスペンションとスタビライザーで操縦安定性は驚くほど改善したわけだが、サスペンションスプリングを交換すると、必ずといっていいほどバネの初期ヘタリが発生する。交換直後は車高に変化がなかったものの、約1か月で車高がダウン。アライメントの変化が直進性を含めた部分で影響が出始めたので、アライメントをチェック。

SUBARU Sambar TV1 app.K (2007)

前側タイロッド位置の構造上、車高ダウンはトーアウトに

バン系のフロントサスペンションからディアスワゴン系へと変化した足回りは日常の足として、高速道路移動でもかつてない快適性を手に入れることができた。これほどまでに違うのかと驚嘆し、約7年間なにもしなかったことが後悔される。腰痛の助長もこれが原因だったのかもしれない。

ディアスワゴンのサスペンションに交換した直後は車高もほぼ元のままなのでアライメント調整はまったく考えていなかった。だが、普段レース車両のアライメントなどでスプリングには初期ヘタリがあることは分かっていたので、念のためにアライメントを計測してみた。

装着約1か月でフロントは元の計測ポイントで約15mmダウンしていた。見た目にもフロントが下がっているなという印象だったので、計測して正解だ。

サンバーはサスペンション回り、ステアリングタイロッドを含めたフロントセクションはフロント車軸より前側にタイロッドがある。この構造上、ステアリングラックを前側にしてタイロッドをハの字状にしてアライメント変化を最小にする工夫はしてあるのだが、サスペンションが縮むとタイロッド長に変化はないのでトーアウト方向になる。

つまり車高ダウンで1G時のアライメントはトーアウトになっていることが考えられる。リヤスプリングをワゴン用に交換すれば前後とも車高が変わるので、アライメントは適正になるだろうが、フロントのみダウンの場合、トーアウトはサイドスリップ検査で車検にも通らないほど……。軽自動車は非力なので、タイヤがトーインやトーアウトになるとタイヤにスリップアングルが発生して抵抗になるため燃費にも影響が出そうだ。

メーカー基準値に調整し直すことでクルマ本来の性能が出るようにしてみた。

アライメントは糸張りという昔ながらの方法があるが、これはかなり面倒でオススメできない。だがアライメント調整でショップに依頼するとこれまた高額請求がくる。そこで簡易アライメントテスターを使ってみた。レースでは頻繁にアライメントを調整するので、このツールをよく使う。仲間同士で1台持つには手頃なのだ。ぜひオススメしたい。

第13回 アライメント調整

「15mmダウン!」サスペンション交換後、約1か月で車高を以前のポイントで計測してみるとバネの初期ヘタリが出て15mmほどダウンしていた。

「530mm」3月号で計測した時の数値は530mmで、空気圧変化が出ないようにホイール下端からセンター通過での計測値。左右は、ほぼ同じだった。

「515mm」ワゴンのバネは長かったので装着直後は変化が出なかったが、走行にして約500kmで計測してみると15mmほど車高がダウンしていた。

アライメント測定の場合、タイヤのたわみが出やすいので、機械部分だけの計測を考え、ロワアームを接地させる方法を試してみた。

「正ネジ」潤滑剤をかけ、タイロッドを先に緩めておくが、サンバーはロッド両側にネジがある。

「逆ネジ」センター側が逆ネジになっているので注意。

アライメント測定の場合、タイヤのたわみが出やすい。

機械部分だけの計測を考え、ロワアームを接地させる方法を試してみた。

ステアリング固定!
調整時にステアリングが動いてしまうので、見た目でかまわないのでセンターを出してガムテープでがっちり固定しておく。

フロントセクションのゲージ取り付けはハブナットにバーをキッチリ手でねじ込み、プレートを指定P.C.D穴に固定しておく。

リヤはハブボルトをなるべく水平になるようにしてサイドブレーキを引き、バーをキッチリ奥まで手で締まる範囲でねじ込んでおく。

長いバーには5mm単位で切れ込みがあるが、ローレット加工の近くに深い溝がある。これが基準値で、前後のトレッド差をここで合わせる。

サンバーの場合は前後同トレッドなのでゼロポイントにゴムリングをかける。

ステアリングセンター位置で車両の左右にゴムを張ることでトータルトーを確認できる。できるだけ平らな地面で左右の傾きがないところを選ぶのが肝心。

純正アライメント、その他サスペンション回りのデータ。トーインは前後共にゼロ。ダンパーはバン・ワゴン共通ということが判明。

「before」タイロッドを緩めてしまったので若干誤差はあるが15mmダウンの測定値はトーアウト1度も! 片側約5mmもアウトになっている。

「after」タイロッド長を調整して左右共にゼロに合わせる。必ず確認は同じ人が左右を見ることが大切。ゴムがわずかにゲージに触れる位置で。

車体形状やトレッドに関係なく左右のゴムを平行に張ることができるのが特長。計測だけの場合はリヤを先にというのが基本だ。

修正後、ロックナットを締め付けるが、ロッドをしっかり固定しないとアライメントは簡単にずれてしまう。何度も確認しながら締める。

ワゴンローター入手! 遂にブレーキ大径化!

本当に偶然だがディアスワゴンの未使用ローターとブレーキパッドを手に入れることができた。以前に強化したパッドだが、それでも効きはイマイチだったので、遂に大径化に踏み切ることに。オークションで探したワゴン

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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