故障・修理
更新日:2019.10.11 / 掲載日:2019.10.11

ポンコツジムニーハコ替え計画 その11

JA22Wのワゴンボディを、JA71Cのオープンボディに載せ替える「ハコ替え計画」。ダメージの大きかった左右のサイドパネルを交換したが、サイドシルの繋ぎ目部分はまだ未処理だったので、ココをくっつけます。

2代目ジムニーの四角いボディが採用されている最後のモデルであるJA22W。ジムニーシリーズで初めてコイルスプリングが採用された。2代目のジムニーシリーズの中では乗り心地がいい。

 JA71Cのボディをシャシーから引っ剥がしたのが昨年5月。あれから約1年半が経過しているのに、まだボディは取り外されたまま。ダメージのひどかった右フロアパネル、左右サイドパネル、バルクヘッドを新品のパネルに交換し、そろそろボディ修理のゴールが見えてきた。と思ったのだが、サイドパネルは交換したものの、サイドシル部分との接合部はそのままになっていて、大きな隙間が空いている。本来の構造はサイドパネルの上にサイドシルのパネルがのっていて、フロア&内側パネル、サイドパネル、サイドシルが3枚重なっている。今回は状態の悪いサイドパネルを交換するために、サイドシルと接している部分はエアカッターで切り取っている。そこで、サイドシルパネルを少しめくって、残ったサイドパネルの残骸を取り除き、サイドパネルを差し込んでサイドシルと溶接するということにしたのだが、サイドシルは簡単にめくれないし、スポット溶接されているパネルの残骸はなかなか剥がれないし、こねくり回しているうちにサイドシルのパネルはヨレヨレになってしまった。とりあえずサイドパネルを取り付ける時にはサイドシルとボディの隙間に差し込んであるものの、めくれたサイドシルパネルとボディパネルの間には大きな隙間ができてしまった。しかもこの部分は以前に補修されていたようで、パテを剥がしたらサイドシルのパネルはさらにヨレヨレになっていることが発覚した。

サイドパネルとサイドシルを接合する

サイドパネルはサイドシルとボディパネルの間に挟んであったので、サイドシルのパネルをめくったために大きな隙間ができてしまった。

この隙間をなくさないと溶接できないので、いろいろな角度からハンマーで叩いてみる。

しかし、すでにサイドパネルが入っているのでうまくいかない。

シートベルトが収納されていた部分から手を入れて、裏側に当て金を当てながらひたすらハンマーで叩く。裏から強く押しながら叩くと、少しずつ隙間が小さくなった。

サイドシルの凹みも同時に修正しながら、ひたすらハンマーを振り回して、ようやくこのくらいまで隙間を小さくできた。

カットしたサイドシルの縁部分が荒れているので、ベルトサンダーで削っていく。ついでにサイドパネルの溶接する部分の塗料も剥がしておく。

少し隙間が空いたままだが、こうして指で押さえつければ溶接できそうだ。パネルを押さえつけて固定する道具があればいいんだけどなぁ。

結局そんなに都合のいいツールは見つからず、左手の親指で押さえつけながら溶接を行うことに。革手袋をしているとはいえ、これほど近いと熱い(マネしないで)!

押さえつけながらの溶接はなかなかうまくいかず、盛りすぎてしまったので、ディスクサンダーで余計な溶接部分を削っていく。

ディスクサンダーで粗く削った後は、ベルトサンダーを使って表面を均していく。

ドア側のパネルは形状が複雑で、ベルトサンダーでも削るのが難しい。

一応、サイドパネルとサイドシルパネルを溶接することができた。相変わらず素人溶接なので、溶接跡は汚いが、パテで埋めちゃうからいいかな。

サイドシルのドア側の部分は形状が複雑なので溶接も難しい。しかもサイドシルパネルは歪みも大きく仕上がりは汚い(言い訳かも)。

なんで本来の構造にこだわってしまったんだろう

 元々の構造にこだわってサイドシルパネルをめくってまでサイドパネルを差し込んで固定したのだが、パネルを固定し終わってからこの部分を見ると、わざわざサイドシルパネルの下に入れなくても、サイドシルの上に重ねて溶接すればよかったのではないのかと思う。いや、間違いなくそうすればよかったのだ。ああ、なんでこんなことをしてしまったんだろう。と、後悔したところでもう元には戻せないので、このまま進めるしかない。
 まずはこの大きな隙間をなんとかしなくてはいけない。この部分の裏側にはシートベルトの巻き取り装置が収納されていた穴があるので、ここから手を突っ込んで当て金を当てながら、ハンマーでひたすら叩く。1時間近く叩いてみたものの隙間をなくすことはできないので、浮いたサイドシルパネルを押さえて溶接することにした。ただ、この隙間を固定するための道具がいまいち思いつかなかったので、左手の親指で押さえつけながら溶接をした。離れた場所を押さえても隙間ができてしまうので、溶接するのは左親指の真横1cmくらい。革手袋をしていてもさすがにこの距離は熱い! 溶接時が熱いのはもちろん、ボディパネルが熱を持つので下からも熱い。とても連続で作業することができないので、一か所くっつけては冷えるまで休憩という、非常に効率が悪い溶接作業を繰り返し、なんとかくっつけることができた。サンダーで表面を削って、右側は完成とした。

左のサイドシルは状態が悪い

サイドパネルの上側、Bピラー部分の上部にも隙間が開いている。パテ埋めでも問題はなさそうだが溶接する。写真は左だが、右も同様だった。

サイドパネルはパネルボンドでしっかり固定されているので、そのままでも問題はなさそうなのだが、多少の強度アップを期待して、この隙間を溶接で埋めることにした。

前側の隙間をすべて溶接して内側のパネルと外側のパネルをくっつけた。

余計な溶接跡をベルトサンダーで削ったら完成。あとはパテ埋めで。

左側はサイドシルのダメージが大きく、右側より隙間が大きくなってしまった。

しかも、サイドパネルをカットする際に大きくカットしすぎたのか、ドア側の部分は少しパネルが足りないように見えるのだが、どうだろう。

右側と同じように裏側の穴から手を入れ、当て金を押し付けながらハンマーで叩く。

しかし、左側は一度補修がされているためかパネルの歪みが大きく、一部だけパネルが厚くなっているので、なかなかうまくいかない。

上部が反り返ったパネルを、なんとか元に戻す方法はないかといろいろと試した。

くの字に曲がったタガネを隙間に突っ込んでハンマーで叩き、逆側にパネルを反らそうと思ったが、それほどうまくはいかなかった。

ある程度は隙間が小さくなったので、縁部分をベルトサンダーで削って修正。同時に、サイドパネルの溶接する部分の塗装を剥がしておく。

こちらも1時間近く叩きまくってようやくこのくらいまで隙間を小さくできた。

やはり右側と比べるとサイドシルのパネルが少し足りないようで、ドア側部分は溶接できるほどパネルに余裕がない。

右側と同じように、親指で押さえながら溶接。熱いのには少しずつ慣れてきたが、左側は上部の反り返りが大きいので、押さえる親指に力が必要。指が痛い、そして熱い。

気合と根性で溶接作業を終了させ、溶接跡をサンダーで削る。

溶接跡の凸凹をできるだけ平らにしようと削りまくっていたら、以前補修したであろう部分に穴を開けてしまった。直さなければ(泣)。

薄くなってしまったパネルを削り取り、パッチが溶接しやすいように穴の形を四角く整形する。できるだけ穴を広げないように小さく。

亜鉛めっき鋼板を切り出して、削った穴に合うようにサイズを調整してパッチを製作する。

削っていると小さなパッチは熱くなるので、絶対素手では触らないこと。

開けてしまった穴よりほんの少し小さいパッチを製作して穴にはめ込む。穴の中に落ちてしまわないように、マグネットツールで押さえて溶接していく。

サイドシルパネルはカットしすぎてしまった?

 左側のサイドシルパネルは、カットする時に切りすぎてしまったためか、右側に比べてサイドパネルと重なる部分が少ない。前側のドア部分に至っては叩いて整形していくと溶接するには少し足りないくらいになってしまった。
 とりあえず横側を溶接して、盛り上がった溶接跡を削ったのだが、元々この部分のサイドシルは補修してあったこともあり、なるべく平らにしようと削り込んでいたら穴が開いてしまった。この部分はパッチを製作して穴を埋めた。
 問題は前側のドア部分。パネル同士の隙間は2mm以上あり、溶接で盛っていっても綺麗に接合するのはほぼ無理。なので、この部分もパッチを被せて溶接することで処理しようと思う。まずはパッチを切り出し、サイドシルの形状に合わせて整形。そのまま上にのせて溶接すればそこだけ盛り上がってしまうため、このパッチがのる部分はあらかじめタガネとハンマーを使って少しだけ凹ませておいた。その凹みにパッチをはめ込んで溶接し、不要な部分を削り取ったら完成だ。
 これでボディパネルの補修はほぼ終わり、と思っていたら、給油口のパーツを取り付けるのを忘れていた。新車時にはロウ付けで取り付けてあったのだが、溶接でも問題ないだろう。ということで、養生テープで仮止めして溶接した。給油口の取り付けはうまくいったのだが、仮止めしていた養生テープが熱で溶け、ボディにべったり張り付いてしまった。

パネルとの隙間が大きいぞ

穴にはめ込んだ小さなパッチを溶接して取り付ける。

パッチは小さいし、ちょっと触ると動いてしまうので、なかなか溶接がしづらい。

左側のサイドシルは補修されていたので、分厚くパテが盛られている。この部分を叩いて整形したいので、ワイヤーブラシのエアーツールで塗装とパテをガリガリ剥がしていく。

サイドシルパネルとサイドパネルとの隙間を埋めるためにパッチを貼り付ける。そのパッチをはめ込むために、パッチ分の厚みである0.8mm分、タガネなどを使って凹ませていく。

この隙間の上に被せるパッチを作る。

亜鉛めっき鋼板パネルを適当なサイズで切り出し、ドア部分の隙間の上にぴったりはまるサイズに整形していく。

この部分は緩やかにラウンドしているので、パッチも叩いて凹ませながら形を作る。

補修跡はできるだけ大きくしたくないので、パッチはある程度ラウンドしたパネルを作ってから、隙間部分に合わせて細く切り取った。

隙間はサイド部分まで広がっていたので、パッチもサイドまで回り込んだ形状にした。

これをマグネットで押さえながら、溶接した。

元々のパネルとパッチの段差ができないように、溶接部分を剥がれない程度に削り込んだ。

あとは小さな凹みをパテで埋めれば大丈夫だろう。

サイド部分も同じように溶接跡を削って、できる限り平らにするように努力はした。が、パネル自体の歪みもあるので、平らにはならなかった。ここもパテを盛って補修しよう。

ボディの補修はほぼ完了かと思ったが、給油口を取り付けるのを忘れていた。

2度の再塗装がされた分厚い塗料をエアーツールのワイヤーブラシで削る。

給油口を取り付ける位置を決めたら、養生テープを使って表側から仮止めを行う。この裏側の数か所を溶接する予定だ。しかし、このテープを使うのは失敗だったと後で知る。

新車時には4か所がロウ付けされていたが、溶接でくっつけることに。

5か所くらいを点付けしてしっかり固定できた。仮止めしたテープを剥がそうとしたら熱で溶けてこびりついた。

カウルトップ部分の右端は錆がひどく、錆を落とすつもりで削っていたら大きな穴になった。割と奥深くまで錆が進行しているようだ。

パッチを当てやすいように開いた穴を整形していく。

ちょうど角部分なので1枚のパッチで埋めるのは難しそう。2枚を組み合わせて塞ぐことにした。

まずは外側の穴を埋めるパッチを製作。この部分に貼り付けてマグネットで固定して溶接。その内側にもパッチを貼り付けて溶接する。

内側部分はパネルが数枚重なっていたので穴は開かなかったが、上側パネル1枚分は錆で欠損したので、それを補うようにパッチを被せて溶接した。

溶接跡の余分な部分を削り取ったら作業は完了。少し凸凹してしまったが、パテで均せば大丈夫だろう。これでボディの気になる部分はほぼ補修完了。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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