故障・修理
更新日:2019.10.29 / 掲載日:2019.10.29
絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第18回 USB電源製作……実装編」
前回で実験したUSB電源用として使える5V電源キット基板を今回は実装する。レギュレーターを使用したキットをオーバーヘッドシェルフの中央に装着。実験でかなりの温度上昇が見られたために、ヒートシンクや基板を載せるシャシーなどに工夫を凝らし天井に近い部分の温度上昇を下げる工夫をしたおかげで、充電や連続使用に耐える電源となった。
電源はルームランプの配線に割り込ませることで簡単に
前回で5V電源基板キットを作製し、車載USB電源として使えるかどうかを検証した。レギュレーター素子を使用した安定化電源は熱さえ克服すれば大電流による急速充電でタブレットやスマートフォン2台を充電できることが分かった。例えば1台はナビゲーションに使用しながら、もう一台を充電することが可能ということで使用範囲が拡大する。
サンバーのオーバーヘッドシェルフはバングレードではオプション扱いだが、ワゴンには標準装着の便利なもの。ちょうどセンター部分だけが仕切られた箱形状なので、そこに電源ユニットを装備してみた。ラッキーなことに左右の網状の部分の穴を利用すると、iPhoneのライトニングプラグが通せるのでワイヤリングもスッキリする。
熱対策では前回で使用したレギュレーターのヒートシンクを大型化する必要があったのだが、ヒートシンクをシャシーのプレートと合体させ、さらに銅板を使用することで放熱効果を上げようと考えていた。しかし、たまたま手持ちで、捨てようと思っていた初期型iMacのビデオ基板用の大型ヒートシンクを流用することに。ここまで大きくする必要はないのだが、装着して実験すると、2台充電時にほんのり温まる程度だったのでそのまま使用。実際にはもっと小さくても十分だろう。
メイン電源はちょうどセンターにあるルームランプの配線から分岐する。常に12Vがきているため電源ユニットにスイッチを付けて、必要な時だけ使えるようにした。あとはお約束で必ずヒューズを入れることと、確認用に12V・5VにはLEDを入れて状態を監視できるようにしている。
組み込んだ部分の上部はカバーを作らなかったが、ヒートシンクのサイズが決まれば、薄い銅板を鈑金してカバーを作り、ハンダでシャシー部分の銅板に固定すればさらに大きなヒートシンクが完成する。
クルマは見えない振動が多く存在するので、完成した基板や部品をホットボンドなどを使用して動かないようにしておく。これが車載用電子部品製作の基本だ。これだけで大きなトラブルはなくなる。