故障・修理
更新日:2019.11.29 / 掲載日:2019.11.29
絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第28回 クランクシール交換【2】」
前回でドライブシャフトが抜けないという顛末にはあわてたが、誰にでも抜ける方法をディーラーで伝授してもらい、クランクシールに到達した。しかし蓋を開ければほとんど漏れはなく、ドライブシャフトシールのほうがモレモレドロドロという始末。持病ともいえるので精神衛生上交換したほうがいいと考え、丁寧に組み込んでようやく完了。
トルクコンバーターがEG側に残ったのは作業行程ミス
前回はドライブシャフトが抜けないという顛末だったが、なぜ抜けないかという原因探求をすることになった。ディーラー(以下D)へ行って話を聞くと、まれに固着して抜けなくなっているものがあるというが、一度バラした車両を突貫で組み立ててDでチェックしてもらったら、「抜けましたよ」とものの5分もしないうちに解決!「多分固着していたか、Cリングが引っ掛かっていたんだと思います。動いたことで外れやすくなったのかもしれません」と。
これまでの経験よりドライブシャフトの嵌合部のガタがスバル車は多め。以前はピン嵌合ということを考えると「抜け」に対してかなり真面目に考えている様子なのだ。
ポイントを聞くと、バール2本掛けでエイヤッ!ではなく、片方はドライバーでガタを消すようにするといいらしい。その場で試させてもらったが、ドライバーを挟んでおくだけで、いとも簡単に抜けてくれた。あまりの簡単さに(図解参照)あっけにとられてしまった。
で、ようやくミッション降ろしに成功したが、なぜかトルクコンバーターがエンジン側に残った。これもDで聞くと、ATサンバーはミッションを降ろす時にトルクコンバーターが固定されているボルト3本をエンジン側からリングギヤを含めて先に外しておくのだという。
フライホイール、リングギヤとトルクコンバーターが一体になっているので、ATF漏れを防止するために、先にエンジン前側の隙間から外しておくのだそうだ。組み付けは完全に逆の手順。嵌合部のオイルシールのダメージもまったくないが、ここは念のために交換することにした。
クランクシールの交換はいとも簡単で、プーラーが必要だったが、簡単なアルミアングルで代用プーラーを製作。持病持ちサンバーの専用工具だ。
うっすらと漏れがメインシールから始まっていたので、保険も兼ねて交換しておいた。漏れがひどい場合はシールまわりが真っ黒に汚れているはず。
それよりもミッションまわりのシールがダメになっていてドロドロ。ドライブシャフトさえ外せば交換できるので、部品発注で全組み立て終了。ようやく快適走行を取り戻すことができそうだ!