故障・修理
更新日:2019.11.29 / 掲載日:2019.11.29

絶滅危惧種スバルサンバーを快走仕様!「第30回 サスペンション交換 第2弾」

第20回でサンバー用のローダウンサスペンションを紹介した。しばらく試乗していて気がついたが、誌面に登場しているサンバーはTVだが、フロントサスペンションにはTW用を使用しているため、かなりハードになったなという印象だった。

ということはTW系を所持しているユーザーには硬すぎると判断し仕様を再度変更してみた。

SUBARU Sambar TV1 app.K (2007)

仕様変更でTW系にぴったりマッチする感触になったが…

 もうすでに1年以上が経過しているが、第20回でサスペンションプラスのローダウンサスペンションキットを紹介した。メーカーではTV用として販売しているので、TV系ならばこのスプリングを装着して走行してもハードさに驚くことはないだろう。元々サスペンションの真上に座っているのだから、サンバーユーザーの場合突き上げには日頃から慣れているはずだからだ。

 しかし、誌面に登場しているTVはTW系のスタビライザーを装着して、柔らかい足で乗り心地を確保しながらもリヤはTVのスプリングで荷物が積める仕様にしている。それに慣れきっている自分のカラダでローダウンサスを入れて試乗している時に「こりゃ硬いかもしれない。TWユーザーにはちょっと辛いかな」と感じて、一度TV系の足に戻し、スタビライザーがない状態で試乗してみた。

 TV系であれば「突き上げ上等(汗)」なのでそのままでよかったが、TWでドライブなんてユーザーには勧められなかった。そこでなんとか改良をとサスペンションプラスにお願いしてみたら、先日「できましたよ」というメッセージとともに現物が送られてきた。WEBページのカタログを見ると品番が変わっていて、SP312V 529からSP382V 529になっている。バネレートなど、それ以外のデータは変更がないのでなにかしらの改良と見直しが行われたのだろう。

 早速組み込んで、乗り心地では最も悪い165/55R15という扁平大径タイヤで試乗。見た目はローダウンもバッチリでかっこいい!

 走り回ってみると、かなりの確率でバンプタッチしているようで、胃が揺さぶられる感じの、バネレートでいえば10キロ以上のフィーリング。走り出しは快適だが、すぐにハードサスに変わる。

 ダウン量を測ってサスペンションの位置を出してみると、フロントはバンプタッチまで僅かに5ミリほどしかなく、リヤは15ミリほどだった。こりゃ気持ち悪くなるのは当たり前。バンプラバーを2節カットして、フロントを35ミリ確保してみたら、まあ快適。扁平大径タイヤでも全然OKで、TW系にもお勧めできるサスペンションに仕上がった。

第30回 サスペンション交換 第2弾

給油ノブのガードを外す。

フロントシートを外す。

フロントサスペンション交換の正式なやり方は、給油ノブのガード、シートを外すことから始まる。

シート下のグロメットを外すとストラット固定の2本のナットにアクセスできる。板ラチェットがあれば隙間からでも可。

サスペンションプラスのカタログページを見るとTV1がSP382V529に品番変更されている。セットでこの価格はバーゲンプライスだ!

エクステンションを入れたラチェットハンドルを使えば、ボディを貫通した状態でストラット固定ナットを外すことができるようになる。

下部のボルトをすべて外した状態で、ストラットトップをロワアームごと押し下げるようにするとボディの外側に頭が出てくる。

ストラットトップナットはインパクトレンチで一気に外すと、ビョーンとスプリングが伸びるので、怪我をしないように注意。

左がTWノーマル。右の新型は線径を上げながらもターン数を多くすることで乗り心地とバネレートの両立を狙っているのが分かる。

スプリングコンプレッサーの爪をかける場所がないので、ジャッキにベルトをかけてわずかに縮ませることでナットを掛けた。

装着時の固定は先に下部を完全に締めてロワアームにジャッキをかけて持ち上げ、わずかにウマから浮いたらトップナットを本締め。

リヤバネの取り外し。ダンパー上側を外したら、誰かにリヤハブを踏みつけてもらうことでバネを隙間から外すことができる。

リヤバネもノーマルは同ピッチで巻かれているが、新型はピッチを変え、TVと比べて細い線径でターン数も多く巻かれている。

サンバーのお約束でロワアームの座面部分はサビサビ。ワイヤーブラシでキレイにすることでバネの動きは確実によくなる。

リヤも同様にわずかにリヤ側のウマから浮いた状態でダンパーの固定ボルトの本締めを行う。1G締めはサスまわり固定の基本だ。

1Gをかけて計測したらフロントのストロークは5ミリしかなく、ほぼバンプタッチの状態で走行していたことに……

こりゃ酷い!

走行テストは乗り心地の悪さとバネ下の重さで条件が悪い165/55R15でテスト。カッコはいいけれどもサンバーに最も合わないタイヤだ。

バンプラバーをとりあえず2節カットすることで、ストロークは35ミリ確保できた。これでも足りないが、足回りはちゃんと動く。

バンプラバーは節の部分でカットしたが、当たりの違いを考慮して入れ替えることを前提に保存しておくことにした。

リヤは1Gで約15ミリ、さらに本来のバンプタッチまで考えれば35ミリほどはあるので、今回はそのままにしておいた。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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