故障・修理
更新日:2019.12.12 / 掲載日:2019.12.12

乗用車用ホイールの規格

●乗用車ホイールとは
 ホイールとは、JIS規格に記載してある用語では「タイヤを装着し、車軸ハブに取り付け、荷重を支え回転する部分とされている。一般にリムとディスクの二つの主な部品から構成する。これらは一体である場合もあり、永久的に取り付けられているか、着脱可能な場合もある(JIS D4102-2007)」と定義される。

 一般的にクルマのホイールといえば、スチールかアルミの違いといった材質面の違いや、サイズやデザインなどが注目されるが、トラックや建設機械などの産業用も含めると、それぞれの用途に適合した形状が多く存在している。

■規格上のホイールの種類

 JIS規格上のホイールの種類としては、一般的なクルマでよく使われる「ディスクホイール」のほかに、二つ割りホイール、ワイヤホイールという少数の車種で使われるタイプがある。また、ホイールの定義で触れられていたように、ディマウンタブルリムホイール、アジャスタブルホイールといった、リムが着脱可能となっていたり、リム位置をディスク面に対して軸方向に変更できる方式まである。乗用車用ホイールのサイズ表示については、7JJ×17などと表記されることが多いが(旧JIS)、新しい規格ではリム径×リム幅×フランジ形状で読むという規定になっている。

■ホイール各部の名称

■ホイールサイズ表記の意味

■乗用車用ホイールの規格・その2~各種安全基準や試験法~

 アルミホイールなどの軽合金製ホイール(マグネシウムも含む)には、各種の安全基準や各種の試験法が定められているが、一般に広く知られているのがJWLやVIAというマークである。

■軽合金ホイールの品質基準適合マーク

 WLは国(旧運輸省、現在の国土交通省)で定められた技術基準を元にしたもので、自動車メーカー純正品も含めた軽合金ホイールに適用されるもの。これに対して、VIAというのはJWLの基準に基づいて定められた、アフターマーケット用ホイールの製造や販売に関わる団体や試験機関によって、技術的に適合しているか確認して、製品の登録を行うもの。この試験や登録が完了した製品にはVIAマークが表示される。JWLやVIAは日本で適用されるものである。

 VIAマークは多くのアフターマーケット用ホイールで見られるが、例えば必要な強度の基準は実際にクルマのデータから作られている。例えば、ホイールに「VIA 690KG」(15インチ以上、5穴-PCD114.3)と示してある記号は、「限定表示荷重記号」と呼ばれるが、これは日本で正式に型式登録を行ったクルマ(正規輸入車も含む)の諸元から車両総重量を調べて、一輪あたりの荷重が最も重いクルマから算出された番号である(数字はある数式を元に算出された番号)。つまり、日本で正規に発売しているクルマ全てに対応できる強度を持つことになる。そのためVIAの基準は従来の数値を超えるクルマが発売されると改訂されることがある。

■アフターマーケットのホイール規格表示例

■ホイールの強度確認試験の種類

ディスクホイールリム部のフランジを回転円盤に固定し、端部に剛性の高い軸とディスクホイールを車両への取りつけと同様の状態でつけ、曲げモーメントを与えながら最低10万回転させる。試験後に亀裂の有無、著しい変形、締めつけナットの異常なゆるみがないかチェックする。写真提供:トピー実業

タイヤを装着したディスクホイールを車両に取りつけたのと同様にし、半径方向の負荷を加えながら、ドラムを回転させてディスクホイールを最低50万回転させる。この試験でも亀裂ができないか、著しい変形、締めつけナットの異常なゆがみがないかチェックする。

取りつけ台にタイヤを装着したホイールをその軸が鉛直線方向に対して13°の角度をなすように固定し、リムフランジ上端に重りを自由落下させる。そのとき貫通亀裂が出来ないか、リムとディスクの分離および空気もれがないかチェックする。※JWLは13°、JWL-Tは30°で試験。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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