故障・修理
更新日:2019.12.23 / 掲載日:2019.12.12

ホイールナットの種類と規格

 クルマのホイールはタイヤを交換するときやブレーキなどのメンテナンスを行うときなど、必要に応じて脱着が簡単にできるようになっているが、ホイールを固定するために使われるのがホイールナットだ。今回は、ホイールナットの役割と規格について、解説する。

のホイールナットは、レーシングカーやビンテージカーでは中央の大型ナット1つで固定するセンターナット式が使われているが、一般的にはPCDの円周上に4~5本均等に配置されている。

■ホイールナットの役目

 ホイールナットは走行中の衝撃や駆動力などに対応できるよう十分な機械強度を持つものとされており(実際にはホイールとハブ面の摩擦で固定され、ナットはホイールを押し付けるだけの役目)、その取り付け方法には乗用車やバス、トラックなどの用途によって数種類のバリエーションがある。

■ホイールナットの取り付け方法の種類(JIS D4220)

乗用車に使われるホイールナットでよく問題になるのが、座面形状の違いだ。これは、ナットとホイールの接する面の形状で、純正アルミホイールの一部では「平面座ぐり」が使われ、社外ホイールでは「テーパー座」タイプが多い。また、ホンダ車のように「球面」を採用するクルマもある。さらに、ホイールメーカーが専用品を用意することもある。当然のことながらナットとホイール間で座面形状が違ったものを組み合わせると、ホイールを傷めるばかりでなく、緩みやすくなるなど危険である。また、アルミホイール用ナットを装着したときは、スペアタイヤにも使えるか確認しておきたい。

■ホイールナットの規格

ホイールナットの規格はD2701だが、ここでは関連するホイール側のネジ穴の規格が含まれているD4220も紹介して、表や図の内容を掲載している。

■座面タイプ別にみるホイールナットの形状

テーパー座のホイールナット穴で、ナットの座面と密着する。ここに球面タイプを組み合わせたりするのはタブー。

取り付け部の断面
両図ともナット座はテーパー。アルミホイールでは座面に鉄のテーパーを入れてあるものが多かったが、最近では省略する例も見られる。

ホンダ車で見かけることが多い球面の座を持つタイプ。テーパーと混用しないこと。図中の二面幅は6角面の対面幅を示す。

トヨタ車などのアルミホイールに使われる平面座ぐり。先端の面取りは60°テーパーでスペアタイヤの固定も可能。

取り付け部の断面
平面座は多少着脱性が落ちるが、ホイール側の座面に食い込まない特徴も。ちなみにホイールの取り付け中心はナットではなくハブセンター穴で出すのが本筋。

■ナットの種類(例)

Aは平面座ぐり、Bは袋ナットのテーパー座、Cは貫通ナット、Dは貫通ナットで球面座、Eは欧州車用のボルト式(JISにはない形状)。

■ナットを換えるときは、座面とネジの適合に注意

ナットを交換するときは、ネジ径とピッチ、そして座面形状を合わせておくことが大切。上表ではM10径を含んでいるが、現在は軽自動車でもM12を採用する。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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