DIYスキルを向上させよう！ 旋盤入門塾【4-4】

　ネジ込み式の上キャップに施した滑り止め加工に利用した、嶋本氏の手作りバイトは分類的には「突切りバイト」。このため、縦溝掘りにも利用できる。

　しかも、自作ゆえ左写真のように微細な加工に重宝する直径3mmの細いタイプも存在。1本作っておけば、何かと重宝する。

　市販の「突切りバイト」は刃先が刃物台に固定する保持面の中心から外れた偏った位置にあるため、横溝彫りには扱いにくい。また、切削する部位の形状によっては刃先が届かないことがあるからだ。そこで、AMガレージ用に1本作ってもらうことにした。

材料には炭素工具鋼や合金工具鋼に熱処理がされているため強靱な棒ヤスリの角形をチョイス。

まず端面を削る。

軽く傾斜させる。

次に傾斜させた面の側面を斜めに削り込む。

このようになる。

対面も同様に斜めに削り込む。

正面から見て左右均等になるよう仕上げる。

グラインダーの砥石のエッジを利用して先端上面を丸く削り込む。

端をツノ状に尖らせる。

ツノ状に尖らせた先端を砥石に密着させ。

横にスライドさせるように回していく。

半円上に加工。

丸めたことで厚みが増した両端部を研磨して尖らせ。

完成！

市販品に比べて保持面がかなり薄く、そのまま刃物台に固定してしまうと刃先がセンターから大きく外れてしまう。

このため、使用時はシムを利用することによる高さ調整が必須となる。

ツノを上に向けて固定する。

一般の突切りバイトと同様、縦溝を彫ることができる。

ツノを横に向けて固定する。

それを横移動させる。

横溝が彫れる。

• 提供元：オートメカニック