故障・修理
更新日:2019.12.24 / 掲載日:2019.12.24

クルマを真っ直ぐ心地よく走らせる基礎メカニズム Part.1-3

ホフマン ゲオダイナ オプティマ2 ホイールバランサーの機能もあるが、光学的にタイヤとホイールを精密にスキャンする、精度のバラツキによる振動特性をシミュレートする。 取り扱い:(株)バンザイ

精度不良から発生する振動を計算

 ホイールバランス以外にもタイヤやホイールに関する振動原因がある。ホイールバランスは重さの偏りを補正し重心を回転中心に合わせるが、完璧ではない。地面から浮かせた状態で回転させた時に振動しないのに、クルマに装着して路上を走行した時に振動が出るのは、形状の問題が考えられる。もしタイヤが多角形だったり、一部にフラットスポットのような平面部ができていれば、路面がいかにスムーズでもタイヤのほうがトレッド面の形状に沿って上下することは容易に想像できる。ホイールやタイヤは丸いものとして扱われているが、測ってみるとコンマ数ミリからミリレベルの振れがあり、ホイールとタイヤの組み合わせによっては振動のピークが悪化方向にもなる。

 この形状による振動レベルは、なかなか数値化することが難しいが、プロフェッショナル向けのマシンには凄いモデルが存在する。今回取材したのは、ホフマンのゲオダイナ オプティカル2。これはタイヤやホイールの形状をレーザーとCCDカメラで精密にスキャンしたトレッド形状やホイールリム形状をもとに走行時に発生する起振力や振動周波数をシミュレートする。

 よく○km/hで振動が出始めたらホイールバランスが原因とかいわれるが、タイヤの形状により一回転あたりに出る振動の数は違うので的確ではない。このマシンでは、ホイールとタイヤを組み合わせた状態、およびホイールだけの測定でおのおの形状の振れを診断し、振動が低くなる組み合わせをガイドすることも可能だ。こんなマシンが存在することからも、寸法精度の重要性が想像できる。

ホイールやタイヤの形状を光学的にスキャニング

5つのレーザーとCCDユニットを持つ

写真にある数字部分が5つのレーザーとCCDユニット部分

タイヤの形状測定

タイヤとホイールリムのスキャンを行う。これはトレッド形状を表示したもので、使用限度の溝(片減り、フラットスポット)は赤で表示される。

ホイールの形状測定

タイヤを組み込んだ状態でもリムのスキャンを行っているが、より正確な測定ではホイール単体としてタイヤのビード部が接触する部分を直接スキャンさせる。

重要なのはビード部のブレ。内側および外側リムの縦ブレや横ブレを測定。

振れの状態をグラフ化し、真円度や平面度の高度な計測が短時間で行える。

トレッド幅を5分割し、列ごとの振動特性をシミュレート

これはタイヤを組み付けた状態での測定例。タイヤのトレッドを5分割して、それぞれの部位で1次から3次までの振れや振れの大きな部位(基準位置からの角度)で示す。

ホイールやタイヤの寸法計測データから、100km/h時のアンバランス量を計算。縦ブレ力も表示し、計測したタイヤの良否判定ができる。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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