故障・修理
更新日:2020.01.29 / 掲載日:2020.01.29

走れスバルR2 フロントマスク修正 【3】

簡単な作業で終わると思ったら大間違い

 フロントパネルの修正は時間がかかりそうなので、とりあえず気になっていたもう1か所の錆びたパネルの修理をすることにした。

 このR-2はドアなどにステンレスのモールが装着されたグレードで、雨どいの部分にもモールが付いていた。モールの下から見える雨どいに、錆がチラチラとあったので、もしかしてと思い、モールをすべて剥がしてみると、何か所かにひどい錆が。どうやらこのモールを固定しているクリップが錆びて、そこからボディ側の雨どいにも錆が進行して腐ってしまったようだ。触ってみるとボロボロと錆が剥がれ落ちてしまうくらいの重症で、一部分は欠損してしまった。このまま放っておくわけにもいかないので、ここも補修しておく。

 まずは研磨ディスクを使ってディスクサンダーで錆を落としていくと、パネルは見る見るうちに削れていって、かなりの部分が消失してしまった。残った部分も錆が深く進行していたので、パネルの厚みがペラペラで、軽く触るだけで曲がってしまうほど。ダメージがある部分を思い切ってカットして、新たにパネルを作ることした。

 切り取った断面をよく見ると、雨どいは単なるL字ではなく複雑な形状をしている。しかも雨どいの下のほうは緩くカーブしているので、その形状を再現するのは大変。パネルをこねくり回してようやく再現することができた。

雨どいの一部が欠損している
モールを剥がすと、その下の雨どいは錆が進行していた。

どうやらクリップがあった部分から錆が発生したらしい。

錆取りの研磨ディスクを装着したディスクサンダーで錆を落としていく。

すると雨どいが見る見るうちにやせ細っていく。

錆を落とした雨どいはこんな状態に。

かろうじて残っている部分もペラペラになるほど薄くなってしまっている。

ペラペラになってしまった部分も含めて処置を施す。

雨どいのダメージが大きい部分の2か所をエアカッターで切り取る。

雨どいは一部が歪んでいる状態。

溶接しやすいようにハンマーやタガネ、マイナスドライバーを使って修正した。

切断部分の形状をベルトサンダーで整える。

いつのまにか切り取った場所はこんなに大きくなってしまった。

雨どいの形状を再現
パネルを作るために、切り取った雨どいの長さを計測する。

上側が約4cm、下側は12.5cmにもなってしまった。

0.8mmの亜鉛めっき鋼板からパネルを切り出す。横幅は折り曲げる分の余裕を持って、少し大きめに切り取っておく。

雨どいの形に合わせて折り曲げていく。

ぱっと見には単純な形状で簡単に再現できると思っていたのだが……。

雨どいは単なるL字ではなくこんな形状。元の雨どいにぴったり合うように曲げるのはなかなか大変。かなりの時間がかかった。

少し大きめに作っていたので、切り取った部分にピタッとはまるようにベルトサンダーで削りながらサイズを調整する。

クランプで雨どいに固定して、ハンマーで叩きながら接合部分を調整する。なかなかピタッとはまるようにはならないなぁ。

調整が完了したら溶接。雨どいは細い部分なので、溶かし過ぎて穴が開かないように、溶接を盛り過ぎないように注意した。

ディスクサンダーで余分な溶接部分を削って形を整える。

上側は補修部分がまっすぐなので、比較的楽に修正できた。

問題は下側の雨どい。緩やかにラウンドしているのでパネルを作るのも大変。溶接した後もハンマーで形を整える。

なんとか形になった。ハンマーで叩き過ぎて表面が凸凹になってしまったが、後でパテ埋めしてしまえば大丈夫、だろう。

ボディパネルの傷みはほとんどの補修が完了

 気になっていたボディパネルの傷みはほとんどの補修が完了した。あとはサイドのクオーターパネルを残すのみ。ようやくゴールが見えてきた、のかな? エンジン自体のオーバーホールは済んでいるものの、すでに完成から2年が経過していて、保管していた場所ではミッションオイルが漏れているのを発見したので、ボディに積み込む前にもう一度点検、整備が必要だ。

 もう一つの心配はゴムパーツ。前後のガラスはすでに外してしまったが、取り付けるためのゴムは当然欠品で手に入らない。このままではボディを直してもガラスを取り付けることができない。また、リヤガラスやドアのウェザーストリップも硬化して崩壊してしまったので、このパーツも探さなくてはいけないのだ。流用できるパーツをご存じであれば教えてください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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