故障・修理
更新日:2020.03.10 / 掲載日:2020.03.10

バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【6】

エンジン始動に必要な電気を調達する!? 万が一に備えて準備・練習を!

電気の調達方の基本中の基本がブースターケーブル!

 バッテリーが上がってセルが回らなくなってしまっても、MTなら押しがけという最後の切り札がある。

 ところが、ATは無理。なんとかして必要な電気の都合をつけるしかない。その電気の調達方の基本中の基本がブースターケーブル。これを利用すれば他のクルマから電気を分けてもらうことが可能となるからで、万が一に備えて車載しておくと共に扱い方をマスターしたい。

 さて、そのブースターケーブルは「供給側」と「受け側」のバッテリー端子の同極同士を接続するだけと基本的には簡単だ。しかし、受け側のバッテリーには急激に電気が送り込まれることで水素ガスが排出される可能性が高く、ケーブル脱着時にターミナル近辺で火花が飛ぶと引火する危険がある。

 このため、受け側のマイナス接続はエンジンブロックにするのが原則となるので注意したい。

ブースターケーブル 基本的には端子同士を接続するだけ

ケーブル容量に余裕があるものを選定したい

ブースターケーブルはケーブル容量(芯線の太さ)が小さいと発熱して被覆が溶けたりセルが回らないので注意!

外観からは判断できないので、購入時は芯線かしめ部に注目。被覆の太さに対し極端に細いものは敬遠したい。なお、おすすめは「ディーゼル車用」だ。

赤コードを供給側のプラスターミナルに接続

電気を分けてもらう「受け側」、電気を供給する「供給側」それぞれのバッテリー搭載位置を確認し、バッテリー同士が最も近づくよう向かい合わせに停車させる。そして、まず赤色のブースターケーブルのクランプを「供給側」の+ターミナルに挟み込む。

赤コードの反対端を受け側のプラスに接続

赤色ブースターケーブルの反対端のクランプを「受け側」のバッテリー搭載位置まで取り回し、バッテリーの+ターミナルにキッチリ挟み込む。そして、ケーブルが駆動ベルト等の回転部分に接触しないよう取り回しを整える。

黒コードを供給側のマイナスターミナルに接続

+ケーブルの接続が完了したところで、黒色ブースターケーブルで-側を接続する。やはり、まず電気を供給する「供給側」の-ターミナルに黒ケーブルのクランプを挟み込む。作業中に外れないようグラつくことなく安定する面にガッチリ挟み込むことが肝心だ。

黒コード反対端を受け側のエンジンブロックに接続

黒色ケーブルの反対端のクランプは「受け側」の吊り上げフック等、バッテリーから離れているエンジンブロックに直接取り付けられた金属パーツ(ボディアース)に挟み込む。これは脱着時にバッテリー周辺で火花が飛ぶ危険の回避という目的がある。安全のために必ず守りたい。

供給側のエンジンを始動してから、受け側を始動する

接続が完了したら「供給側」のエンジンを始動し、回転を少し高めに維持する。

これで「受け側」のセルモーターを回す準備が整った。不要な電装品は動作しないよう可能な限りスイッチOFFにしてセルを回す。

ハイブリッド車の場合はパワースイッチを押す。

これでシステムが起動可能となる。

無事始動したら黒ケーブールから外し始める

エンジンを始動することができたら、速やかにブースターケーブルを取り外す。この取り外しの手順は、取り付けの逆。つまり、最後に接続した「受け側」のエンジン金属パーツに挟み込んだ黒ケーブルのクランプから外し始める。

ハイブリッド車は救助用端子に接続する

 ハイブリッドのプリウスも12V仕様の補機バッテリーが上がってしまうとシステムが起動しなくなる。

 この場合もブースターケーブルで他車から電気を分けてもらうことで起動させることができる。が、エンジンルームには接続すべきバッテリーがない。ではどうしたらよいのか? エンジンルームの後方左端に設置されたヒューズボックスの中に救助用端子が設けられており、カバーを外せば端子が現れるのでそこに+ケーブルを接続する。

マイナス側はハイブリッドでも基本的に同じ!

ハイブリッド車の-ケーブル接続は、エンジン車と同様、エンジンブロックに直接取り付けられた金属パーツ(ボディアース)に挟み込む。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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