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故障・修理
更新日:2020.03.10 / 掲載日:2020.03.10

スバルサンバー(V-KV3)を懐走仕様!

平成も初期の初期に生まれたサンバーさん、日々元気に走っております。ということでようやくキャブレターの分解洗浄の巻にこぎつけましたが…またもやトラブル併発!冷却水ダダ漏れ事件発生。こうやって見えないところまで新品パーツに(^_^;)

キャブレターの取り外しはホース類の配管記憶がキモになる

 ようやくキャブレターの分解洗浄ができるほどに懐走を続け、エンジンオーバーホールへ向かって着実に補器類のクリーンナップが進んでいる。2020年のオリンピックに向け(謎)平成色のクルマだってまだまだ捨てたもんじゃないといわせたい今日この頃。

 サンバークラシックはキャブレター仕様とEMPI仕様があり、大まかな判断はリヤゲートのガーニッシュが真一文字なのがキャブレター。ヒゲのように垂れ下がっているのがEMPIという分類になると思う。

 エンジンフードを取り外すと、エアクリーナーの横に鎮座しているのがキャブレターで、今やレガシー的存在になりつつあるものだ。日本語では気化器と呼ばれ、エンジンが発生する吸気側の負圧吸入によってガソリンを吸い上げて混合気にするもの。電子制御のインジェクターは吸入空気量に合わせて混合気に必要量の燃料を噴射しているので、わりと理想的な混合気が作られ、燃費も向上しているのだが、何もかもキャブレターを人間がコントロールして混合気を作っているというアナログなやつは実はアクセルワークがとても重要なので、ドライバーもちゃんと上手くなっていくという仕組みになっているのだ。

 始動も冷間時と温間時では違い、セルスターターを回すまでの儀式が必要だったりするが、天候によって機嫌を損ねたりするという、機械なのに機械的じゃなかったりするところがカワイイやつ。

 というわけで、人の力を借りてコントロールしているキャブレターだが、このサンバーはどのくらい分解洗浄をしていないかわからず、クルマは快調(たぶん)なので、これを機に汚れた内部を洗浄して、燃費を稼ぎ、さらに元気に走ってもらおうというわけ。

 キャブレターはエアクリーナーとエンジンの吸気マニホールドの間にあり、アクセルワイヤー(これも今やなくなってる!)が繋がっている所にある。

 サンバーのキャブレターはボルト2本で固定されているが、そこに群がる多くの配管をしっかり覚えておかないと、組み上がってエンジン始動しないなどのトラブルが出るので、いやというほど目視で脳内記憶と、写真撮影、そしてマーキングという手段を取ることが重要。

キャブレター分解洗浄 1
エンジンフードを開けると、エンジンの真上にキャブレターが見える。マル印のネジを外すとカバーが外れてキャブレター本体が露出。

配管にマーキングする

キャブレター本体には多くの配管が差し込まれていて、分解するとどれがどれだか分からなくなってしまうので、必ずマーカーで配管にマーキングし、組み立て時にはっきり分かるように。ホース交換時には新品もマーキングする。

ひたすら目視と写真撮影


マーキングしても分からない位置関係があるので、ひたすら目視して目に焼き付け、写真も撮影しておくと組み立て時にかなり楽。

ワイヤー固定ナットは先端側

アクセルワイヤーを緩める時は、ワイヤーが飛び出している方を緩め、固定ナットとネジ部にマーキングをしておくと位置が分かる。

クランプがある配管は水か燃料

ホースにはクランプの付いたものがあるが、抜け防止のため、これが燃料か冷却水のどちらかなので抜く時は漏れに要注意。

細い配管はバキュームホース

細い配管はすべて負圧経路になるが、込み入っている部分なので、しっかりとマーキングして、組み立て時に間違わないようにする。

ホースストッパで漏れを防止する

クランプ付き配管はあらかじめホースクランプで漏れを防止しておくといいだろう。仮にクランプなしでも漏れは少量で心配は不要。

コネクタを抜く

キャブ右下にソレノイドバルブ用のコネクタがあるので引き抜く。爪が押さえにくいので、キャブを緩めてからでも可。

冷却水はボルトで栓をしておく

クランプがない場合はホースストッパかボルトなどを代用して栓をしておくと、ポタポタ水が垂れるのを防止できる。ちょっとした知恵。

固定ナットを取り外す

ここまで配管を抜いたら、キャブレターの固定ナットを取り外す。ワッシャーの脱落に注意。本体が固着しているのでプラハンで軽く叩く。

汚れは吸気側に集中し、ブローバイガスのスラッジだらけ

 キャブレターが取り外せたら、外観から各部をいろいろ見ておきたい。なぜかというと、無駄な燃料を送らないようにしたり、始動性や加速性能向上のために補器類がキャブレター本体のまわりに装着されているからだ。KVサンバーに装着されているキャブレターは日立製作所のHVB32でベーン式可変ベンチュリで出口径がφ32というもの。だいたい型式に付いている数字はこの出口径を指す。加速ポンプ付きで、アクセルを急激に踏み込んだ時に燃料供給が追いつかなくなる不安をこのポンプが補っている。

 スタイル的には混合気作成のベンチュリ下にフロートチャンバーがあり(ガソリンを一時的に溜めておく所)負圧によってジェットと呼ばれる穴から燃料を吸い出し、そのジェットの中をニードルバルブが上下して、回転数に合わせた燃料をコントロールするオーソドックスなもの。

 取り外して見回していると、エンジンも660ccだし、バイクの四連キャブレターが装着できそうな妄想をかきたててくれる。最後発のケイヒンFCRとか装着しちゃったら、EN07の高回転型エンジンにぴったりのフィーリングになりそうな…。

 妄想はさておき、とりあえず分解前に全体をブラシとパーツクリーナーを使って徹底洗浄しておこう。絶対に必要と思われるパーツは組み立ての時に必要なパッキン類で、これは燃料漏れにも繋がって危険なため、交換は必須だ。
16173KA091
16293KA020
16186KA030
16158KA200

 どれも数百円とリーズナブル。まだちゃんと部品は出ているので安心を。というところで次回はキャブレターを分解して洗浄していこう。それまでに部品発注を済ませよう。

FRONT view キャブ正面吸気側がドロドロ。ブローバイガスも混じっているので、バタフライもベンチュリも真っ黒で触りたくない。

RIGHT view キャブ右側面はチョーク関係で、真正面に見えるのが冷却水が通過する所。水温でチョークバルブをコントロールしている。

LEFT view キャブ左側面。扇型の部分がアクセルワイヤーに繋がっている所でバタフライを開閉。錆色のアーム下の縦長が加速ポンプ。

BACK view キャブレター後面でマニホールドに繋がっている部分。比較的綺麗だ。下の四角い部分がフロートチャンバーで燃料を溜めておく部分。

TOP view 取り外す前と同じ上面写真。ほとんどが補器類で縦三分割の真ん中だけがキャブレター本体ということがよく分かる。

BOTTOM view キャブ真下で燃料を溜めておくフロートチャンバーが大きいことがよく分かる。空気が上から入り、下からガスの混ざった混合気を排出。

ブローバイでドロドロ

吸気側はブローバイガスでドロドロで、上に見える四角い穴がアイドリング用の吸入口。かなりスラッジが固着しているのが分かる。

インマニ側の口径が型番の32といわれる32φである。バタフライは全開でこれがフルスロットルの状態。下は冷却水経路だ。


Before

ベンチュリのスラッジは壁面にべったり。バタフライの前側は空気とブローバイガスだけなので、キャッチタンクがほしくなる。


After

軽くパーツクリーナーで洗浄してみると意外と簡単に壁面とスラッジが取れた。内部までは見えないが、分解洗浄はラクそうだ。

キャブレターのネジはプラスマイナス併用が多い

フロートチャンバーなど、キャブレターのネジはプラスマイナス併用が多いがこれはスラッジ対策ということもある。キッチリ締まっているので、マイナスドライバーが吉。

ネジは舐めやすいのでマイナスドライバーを強く押し当てて、緩める力はスパナを使って回すだけにすると、ネジを傷めにくい。

キャブレターを取り外したら、冷却配管が動いて、真下にあるT型の樹脂パーツが粉砕! エンジン熱で樹脂が相当脆くなっていた。冷却配管樹脂が割れ、冷却水ダダ漏れ!

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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