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故障・修理
更新日:2020.03.10 / 掲載日:2020.03.10

走れ SUBARU R-2 【1】

ノープランで錆びた部分を切り取ってしまったボンネットの補修。前回一応完成したものの取り付けると閉まらない。そこで、先端部の残っているボンネットを手に入れて、それを参考に修理することとなった。


スバルR-2は昭和44年8月、ロングセラーだったスバル360の後継車種として誕生した2スト2気筒360ccの軽自動車。走りのよさから当時はハードミニと呼ばれていた。

元々の状態が分からないのでボンネットがきちんと閉まらない

 ボンネット(厳密にはRRだからトランクフード?)の補修を始めて今回で6回目。ということは、早くも1年が過ぎてしまったということか。

 前回までの作業でボンネット後端部の左右、先端部分、ヘッドライトまわりと錆がひどかった部分をすべて切り取り、新たにパネルを溶接した。が、元々のボンネットパネルは先端部分の状態が悪く、たっぷりとパテを盛り付けて整形されていたために、本来の形状がどうなっていたのかが分からず、まぁ、こんな感じだろうと想像で製作してしまった部分も多々あった。それが原因なのか、車両に装着してみるときちんとボンネットを閉めることができない。どこか複数箇所が当たっているようだ。

 このままでは完成しそうにないので、元々のボンネットの形状を確認するべく、この企画にも以前登場していただいた、福島のスバルマニアIさんに相談。オリジナルの状態が残っているボンネットを譲っていただけることになったので、早速Iさんの元へ向かった。Iさんはスバル車を中心にレアな旧車(珍車?)のコレクターで、ストックヤードには数十台の車両が並ぶ。最近、R-2の部品取り車がまた増えたということで、程度のいいボンネットを譲っていただくことができた。現地に到着するとボンネットは2枚用意され「好きなほうを選んでいいよ」とのこと。ジックリ観察し、悩みに悩んでオリジナル度の高いボンネットパネルを譲っていただいた。

未補修のボンネットを入手して比較する

Iさんのストックヤードには2枚のボンネットが用意されていた。

どちらか好きなほうをということで、どっちにするか迷ったが、補修箇所の少ない右のパネルを選択。

フロントのパネルの状態も悪いみたいだから「フロントマスクも持っていってね」と、ありがたいお言葉。

持ち帰ったパーツをじっくり観察。フロントマスクはボンネット部分に錆は多いものの、パネルは補修パーツとしても使えそうだ。

このボンネットはフェンダーミラーの取り付け穴が後ろ寄りに開いているので前期型のもの。

なぜか左側はパテで埋められていた。

パネルの先端部分には錆があるものの、元の形状はよく分かる。ライトまわりのパネルは切りっぱなしで折り返しの処理もない。

先端部分は多少歪んではいるものの、長さや形状はまぁまぁ似ている? 中央のプレスラインは先端まで伸びていたのか!

問題のヘッドライトまわり。形状はそれなりに似ているかも。

ただ、幅や角度がちょっと違う。これが閉まらない原因かもしれない。

ヘッドライトまわりを下から見てみる。形状は似ているけどやはり幅が少し広い。この部分がボディ側のパネルに当たっている。

裏側も比べてみる。先端の折り返した部分、補修したパネルはかなり幅が広い。本来は18mmくらい。1.5倍くらい幅広だった。

補修したボンネット後端部も比較する。後ろの曲線部分のできはイマイチ? ここも折り返し部分が太く、閉まらない原因だ。

補修したボンネットは問題だらけだ

きちんと閉まるように修正を繰り返した

 未補修のボンネットパネルと比較して、どの部分が違うのかを確認したのち、もう一度ボンネットを車両に装着して、修正が必要な部分をチェック。

 その前に、いったん正常な未補修のボンネットを装着してみて、ボンネットの締まり具合や左右のチリ、閉めた時のフロント部分の隙間など、大体の雰囲気をチェックしてみた。フロントまわりは意外に隙間が大きく、ピチッと閉まる感じではないみたい。これならごまかしが利く??かもしれない。

 前回ボンネットを装着した時には、ヒンジ部分のネジは固定しなかったが、正しい位置を確認するために、ボンネットのヒンジはボルトで固定して、左右の位置もしっかり調整してみた。ゆっくりボンネットを閉めてみると、やはりなにかにぶつかって閉まらない。どうやら後ろのほうが当たっている感じだ。後端部右の補修部分、折り返した部分がボディ側の溝に当たっているようなので、まずはここから修正を行う。この部分も補強が入っているために二重になっているが、上側のパネルを溶接した時の溶接跡が分厚く、上側パネルが浮いてしまっている。さらにこの部分の折り返しの幅が広いのも原因のようだ。溶接圧をリューターで削り取り形状を修正したが、まだ当たる。溶接した時の熱でパネルが歪んで全体的に凹んでいたので、ハンマーで叩いでパネルの歪みを修正。これでかなりマシになったが、まだまだ問題が……。

まずは正常?な未補修のボンネットを装着してみる。閉めた時の感じや左右の隙間、フロントパネルとの隙間を確認しておく。

今度は補修したパネルを装着。ヒンジ部分をボルトで固定してテスト。

どうやら右側後端部の補修した部分がボディ側に当たっている。

ちなみに左側はこんな感じ。微妙な曲線の違いと、折り返しの幅の広さが違っているのが分かる。これを修正していく。

このパネルが二重になっている部分、溶接跡に厚みがあって、パネルが浮いている。この部分を直して曲線を修正。

上側のパネルを少しめくって、溶接跡の分厚くなってしまった部分をリューターで削って、2枚のパネルが重なるように。

溶接跡を削り取ったので、上側のパネルと下側のパネルが密着するように…。

ペンチで曲げる、ハンマーで叩く、を繰り返す。

折り返し部分も、折り返しの角度が甘くぶつかるので、ハンマーで叩き、サンダーで削って修正。これで大丈夫なはず。

修正を終えて装着してみると、まだなにかにぶつかって閉まらない。右の後端部パネルとヘッドライトまわりがぶつかっている。

右後端部のパネルは溶接した時の熱や、パネルの形状の悪さで全体的に少し凹んでいる。

これをハンマーで叩いて歪みを修正。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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