故障・修理
更新日:2020.05.24 / 掲載日:2020.05.24
サンバー欠点解消! 長く乗るための改造メンテ「持病エアコンホース交換」
数年前から徐々にエアコンの効きが悪くなり、ガス補充をしてしのいできたが、猛暑が過ぎ去ろうとしているあたりに、急にエアコンが効かなくなった。明らかにATサンバーの持病とでもいうべき高圧側のホースから盛大に漏れていたのが原因だったので、ガス補充ではなく、高圧ホースの交換に踏み切った。これで気温の変化が激しい秋を乗り切れる!
高回転型エンジンの連続走行で高圧ホース破損は持病
サンバーの4気筒エンジンは明らかに高回転型で、スーパーチャージャーとの相性がよく、低回転トルクを補って走りを改善しているが、なんだかんだ売れちゃったのはNAの3AT車両。我が家の個体も3ATで、高速走行なんかしちゃうと5000回転での連続走行は当たり前というもの。それだけタフにエンジンは作られているのだが、問題はエアコン。
高速の連続走行でエアコンコンプレッサーは減速されているとはいえ高回転で回っている。市街地走行でもエアコンは効いてくれなきゃ困るし、当然連続高速走行だってメーカーの製品だからちゃんと作られているはずだが、エンジンの振動とエアコンコンプレッサーの高圧側は常に全開状態になっているので、高圧ホースの振動を吸収するゴムとアルミパイプのカシメ部分が持たなくなるのだ。特にゴムは経年劣化するものだから、いくら強靭にカシメがあってもじわじわと圧のかかった部分から漏れが始まる。
SC車両やMTはギヤ比の関係でまだ高速走行時の回転数は低く設定されているが、ATはなぜか前時代的な3ATなのでエンジンはブチ回るのだ。
この個体も7~8年経過した頃からエアコンの効きが徐々に悪くなり、ガス補充でしのいできたが、ついにコンプレッサーが動かなくなる(ガスがなくなるとコンプレッサーは動かなくなる仕組み)ところまできてしまった。
接続部分を見ると明らかにコンプレッサーオイルがにじんでホースがベトベトになっている。
交換作業はフロア下に潜ることになるがそれほど難しくはなく、アルミパイプの固定ボルトとコンプレッサー側2点、ジョイントはモンキーレンチ2本で難なく分解できる。抜き出すのはエンジン上側になるが、ここだけちょっと知恵の輪。
交換作業よりも、その後に待ち受けるエア抜きとガス充填がいちばんのポイントだ。きちんと交換作業ができていれば密閉状態は確保されていると思うので、真空ポンプ使用後の待ち時間でゲージが動かなければエアコンは確実に効く。
道具は仲間と共有しておけばエアコントラブルは一気解消、快適を維持できるゾ!
第31回 持病エアコンホース交換
コンプレッサーはエンジンカバーの右端にありオルタネーターの前側についている。Hキャップのついている高圧ホースは右側。
コンプレッサーが回らなくなったので、ガスはほぼ入っていないと判断。バルブを押すとシュッ! 地球さんごめんなさいm(_ _)m
フロア下に潜ると保温ゴムのかぶった高圧ホースのジョイントが見える。ここをモンキーレンチ2本で交換しない側を回す。
新品はOリングなどもすべて装着済みで、ダストキャップもついているので、交換直前までゴミが混入しないようにそのままにする。
取り外したホースはカシメ部分から盛大にオイル漏れしている。連続高回転による熱の逃げ場がなくなっているためだ。