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故障・修理
更新日:2020.07.15 / 掲載日:2020.07.15

車のエアコンの燃費にいい使い方とは?故障時の対処法や修理費用も解説

車のエアコンの燃費にいい使い方とは?故障時の対処法や修理費用も解説

これからの季節、車で快適なドライブをするためにエアコンは必要不可欠です。しかし、「エアコンを使いすぎると燃費が心配」「最近エアコンの効きが悪い」「エアコンから異音がする」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、燃費に良いエアコンの使い方のコツや故障時の対処法、修理費用のほか、日頃からできるエアコンのメンテナンス方法についても解説します。快適な車内空間づくりのために、ぜひこの記事を参考にしてください。

燃費を稼げる車のエアコンの使い方のコツ

エアコンの設定温度を上げれば、車の燃費が良くなると思っている方は多いのではないでしょうか?
しかし、残念ながら、設定温度を変更するだけでは燃費を向上させることはできません。
ここでは、車のエアコンの基本的な使い方と燃費を良くするコツを説明していきます。

家庭用エアコンと車のエアコンは違う

家庭用エアコンも車のエアコンも、“冷媒が周囲の空気の熱を奪い、気化することで空気を冷やす”という原理は同じです。
しかし、家庭用エアコンと車のエアコンでは、温度調整の仕方が異なります。

家庭用エアコンの場合は基本的に、設定温度を下げれば下げるほど、消費電力が増加します。
そのため、家庭用エアコンで冷房を使う場合は、温度を高めに設定して電気代の節約を心がけている方も多いでしょう。

しかし、車のエアコンの場合は温度調節の仕方が異なるため、必ずしも設定温度を上げれば燃費が向上するわけではありません。
車のエアコンは除湿をおこないながら、その空気を冷やします。そして、冷たくなった風をエンジンの熱と混合させることで温度調整をし、車内に排出しているのです。
なお、詳しくは後述しますが、車のエアコンには「内気循環」と「外気導入」があります。
車内の空気を循環させて温度調整をおこなう「内気循環」の場合、設定温度を高くすると、それほど冷えていない空気吸い込んで0度近くまで冷やし、エンジンの熱と合わせて温度を上げることになります。
冷えていない空気を再び冷やすために多くのエネルギーが使われるので、燃費が悪化してしまうのです。
また、燃費にいいとされる推奨設定温度は、日本車と欧州車で異なります。
日本車の場合は25度、欧州車の場合は22度とされていますが、販売されている地域によっても設定温度が異なりますので注意しましょう。

A/Cの意味とは?いつ使うの?

車のエアコンに「A/C」と書かれているボタンがありますが、この文字が何を表すのかわからない方もいるでしょう。
これは「エアコンディショナー」または「エアコンプレッサー」を表しており、このボタンを押せば、冷房と除湿ができます。

夏などの暑い時期は冷房として使うことができ、冷房を使う必要のない冬場でも、窓ガラスが曇ったときなどは「A/C」ボタンを押して除湿することで曇りが解消します。
A/CボタンをONにしない場合は扇風機と同じで、ただ送風されるだけです。

車のエアコンを暖房として利用する場合は、エンジンから発生した熱を利用しています。そのため、暖房を使うときは送風だけで十分に暖かい空気が送られます。
暖房時は、A/CボタンをONすることで逆に燃費が悪くなってしまう可能性もあります。A/CボタンをOFFにすると車のエアコンを動作させるコンプレッサーが動かないため、エンジンの負担が下がり、燃費が上がるのです。ですから、冬場の暖房はA/CボタンをONにせず、「送風だけ」にすることをおすすめします。

燃費にはオートモードがおすすめ

車のエアコンを燃費良く使いたいと考えた場合、手動で設定をこまめに変えるのが最適だと思う方もいることでしょう。しかし、本当に燃費効率が良いのは「オートモード」に設定することです。
最近の車に搭載されているエアコンは、オートモードが付いているものがほとんどです。オートモードは、風量や風向き、温度設定のほか、窓ガラスの曇り除去も行えるなど機能性も非常に高く、手動で温度調整をするよりも燃費効率の向上が期待できます。

車のエアコンは、内気循環と外気導入を使い分けよう

車のエアコンは、内気循環と外気導入を使い分けよう

車のエアコンには、車の中で矢印が回っているイラストのボタンが付いています。これは「内気循環」と「外気導入」の切り替えボタンです。
この2つをしっかりと使い分ければ、さらに快適な車内空間を作れるでしょう。ここでは「内気循環」「外気導入」とは何か、また、それぞれどういったメリットがあるか解説します。

内気循環とは?

車のエアコンと家庭用エアコンの違いのところでも少し触れましたが、車のエアコンにおける内気循環とは、外気を取り入れず車内の空気を循環させる方法のことです。
内気循環に切り替えると、車内に空気を取り入れる吸入口を塞ぎ、外気をシャットアウトして空調を調節します。

内気循環のメリット

車のエアコンを内気循環にする一番のメリットは、エアコンによる冷房や暖房が効きやすくなる点です。外気が入らないことによって車内の温度を一定に保ちやすくなり、エアコンの作動負荷を減らせます。これにより、燃費効率が向上します。
また、トンネルなど外気が排気ガスで汚れている場合や外で異臭がするときなど、その空気を車内に取り込みづらいケースがあるでしょう。
そういったケースでは、内気循環にすることで車外の環境を気にすることなくエアコンを使用できます。花粉症の方も、内気循環にすることで花粉が車内に侵入するのを防げます。
しかし、内気循環を利用し続けると車内の空気がこもってしまうため、定期的に外気を取り入れて換気するのがおすすめです。

外気導入とは?

車のエアコンにおける外気導入とは、外の空気を取り入れながら、車内の空気を換気する方法です。外気導入に切り替えると、車内に空気を取り入れる吸入口が開き、外気を取り入れられます。

外気導入のメリット

外気導入のメリットは、車外の空気が取り入れられるためにシートやマット、エアコン内部などのカビを防ぐことができるという点です。また、車内と車外の温度差によって発生する窓の曇りも軽減できます。

さらに、車内の酸素濃度が低下しにくいことで、運転中の眠気を防ぐことも可能とされています。
人間は酸素濃度が低くなってしまうと、眠気を引き起こしやすくなります。しかし、外気導入に切り替えて外からの空気を取り入れることで眠気対策になり、安全にドライブすることができるのです。

どのように内気循環と外気導入を使い分ける?

多くの車メーカーは、基本的には外気導入をONにすることを推奨しています。長時間にわたって内気循環にしていると車内の空気が汚れ、酸素不足よる眠気で事故につながる可能性もあるためです。
ただし、走行するシチュエーションによっては内気循環のほうが良い場合もあります。

例えば、渋滞やトンネル内など排気ガスが滞留している場所や交通量の多い都心を走行するときには、内気循環が適しています。また、エアコンを使用するときに少しでも燃費を抑えたいのであれば、内気循環を活用したほうが良いでしょう。
反対に、交通量が少なく排気ガスも少ない場所を走行する場合は、外気導入のほうが快適な車内空間を作れます。走行するシチュエーションに応じて、内気循環と外気導入を使い分けましょう。

車のエアコンが不調なときの症状と原因

車のエアコンが不調なときの症状と原因

車のエアコンの効きが悪い、異音や匂いがするなどの症状が長く続いている場合、エアコンが故障している可能性があります。
以下では、車のエアコンが故障した際の症状と、その対処法について説明します。「最近、車のエアコンの調子が悪いかも……」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

車のエアコンが冷えないときの原因

車のエアコンを使っても冷えない、効きが悪いという場合に考えられるのは、以下の4つです。

・エアコンガスの不足
・コンプレッサーの故障
・エバポレーターの不調
・コンプレッサーオイル不足

エアコンガスが無くなっていたり、漏れていたりするとエアコンの風が冷えません。これは、エアコンが故障する一番の原因です。ガスが減っているだけであれば、補充をすることで元のようにエアコンが使えるようになるため問題ありません。しかし、亀裂や破損によってガスが漏れている場合は、漏れている箇所を特定し修理をしなければならないため注意が必要です。
また、コンプレッサーが故障している場合や、エバポレーターが汚れているなど不調がある場合にも、エアコンが正常に使えなくなります。コンプレッサーやエバポレーターの交換費用は高額になる傾向にあるため、古い車であれば修理するか買い換えるかを検討したほうが良いかもしれません。
あるいは、コンプレッサーに使われているオイルが不足している可能性もあります。コンプレッサーオイルは潤滑剤としての役割があり、不足したままにしておくとコンプレッサーの故障を招くことがありますので注意しておきましょう。

車の暖房が効かないときの原因

エアコンの暖房をONにしているにも関わらず、暖房の効きが悪かったり、冷たい風が出てきたりする原因として、サーモスタットの故障が考えられます。
サーモスタットとは、冷却水の温度に応じ、ラジエターやヒーターコアへの流量を調整する部品です。車のエアコンの暖房は、冷却水が吸収したエンジンの熱を利用して、暖かい空気を送り込む仕組みとなっています。そのため、サーモスタットが故障すると暖房が正常に動作できなくなってしまうのです。
また、「暖房が効かないだけならいいか」と、サーモスタットの故障をそのままにしておくことは危険です。エンジンがオーバーヒートするリスクもあり、重大な故障につながりかねませんので早めに修理しましょう。
この他にも、暖房が効かない原因には、温度センサーの故障や冷却水の不足、各種パーツに問題がある可能性なども考えられます。このように考えられる原因はさまざまですので、自己判断はせずにディーラーや修理業者に依頼するようにしましょう。

車のエアコンが臭いときの原因

車のエアコンが臭い場合、その原因の多くは「カビ菌」の増殖によるものです。車のエアコンは家庭用エアコンと同様に、外気との温度差があると結露し、水滴が発生します。その水滴によってエアコン内部の湿度が上がり、カビ菌や細菌が増殖しやすくなって臭いの原因になるのです。
簡単な対処法として、暖房を一番強くして運転させる方法があります。暖房を強くすることで温度が上がり、エアコン内部の湿度が下がります。それによって、カビ菌を減少させることができるのです。また、市販されている車用のスチーム消臭剤や洗浄スプレーを使うと、さらに臭いを軽減できるでしょう。

車のエアコンから異音がするときの原因

車のエアコンから「ガラガラ」「カラカラ」と異音が発生しているときは、コンプレッサーやファンモーターの故障が考えられます。ファンモーターは、車のエアコン送風口から風を発生させ送風するための部品です。故障するとエアコンから風が出なくなってしまいます。
また、コンプレッサーが故障していると、エアコンの動作に関係するさまざまな部品を動かすことができません。「ガラガラ」「カラカラ」といった異音は、これらの重要な部品が故障する前兆の可能性があります。しかし、素人が簡単に直せるものではありませんので、ディーラーや整備工場などに依頼するようにしてください。

車のエアコンが壊れてしまったら?

車のエアコンが壊れてしまったら?

車のエアコンが壊れてしまったら、専門業者に依頼するなど早急な対応が必要です。ここでは車のエアコンを修理する依頼先や工賃の目安について説明していきます。

修理の依頼先

エアコン修理の依頼先は、主に以下の3つです。

・ディーラー
・街の整備工場
・自動車関連の電気修理店

ディーラーは修理にも慣れており、車に関する知識も豊富であるため、安心して依頼できます。また、修理後もしっかりと保証してくれることがほとんどです。
万が一、修理後に再びエアコンの不調が出ても、対応してもらえるでしょう。その反面、ディーラーでは純正パーツを利用することや別の修理業者へ外注することもあり、費用が高額になる傾向があります。

街の整備工場であれば、ディーラーよりも工賃は安く抑えられます。しかし、部品の調達が必要な場合や混雑状況によっては、修理に時間を要することがあります。また、工場によっては保証がない場合がありますので、保証の有無は事前に確認しておくと良いでしょう。
自動車関連の電気修理店は、エアコンの修理やカーナビの取り付けなど電装系の整備をおこなっている業者です。電装系に強いためエアコン修理は得意分野ですが、修理後の保証がない場合があります。工賃は、街の整備工場に依頼する場合と同等です。

工賃の目安

車のエアコンの故障原因が何かによって、修理すべき項目や交換する部品が異なります。そのため、修理にかかる工賃もさまざまです。前述のように、修理の依頼先によっても相場は異なりますが、工賃の目安は以下のとおりです。

・エアコンガスの補充 3,000円~5,000円
・亀裂や破損によるガス漏れ修理 3万円~
・コンプレッサーの交換 5万円~10万円
・ファンモーターの交換 5万円~
・エバポレーターの交換 5万円~
・コンプレッサーオイルの交換 1万円前後

エアコンガスの不足が原因であれば、ガスの補充だけで済むため修理費は3,000円~5,000円と、比較的安く抑えられます。しかし、亀裂や破損によるガス漏れが原因となる場合、修理が必要になるため3万円程度の工賃がかかることになります。
また、車のエアコンを動作において重要なコンプレッサーが故障してしまうと、5万円~10万円と高額な修理代がかかります。その他にも、ファンモーターやエバポレーターの交換では5万円、コンプレッサーオイルの交換では1万円前後が工賃の目安です。

特に古い車になると、コンプレッサー、ファンモーター、エバポレーターの故障や原因になることが多く、修理代が非常に高額になります。修理をして乗り続けるか、買い替えるかを比較して検討するのも良いかもしれません。

車のエアコンの日頃のメンテナンス

車のエアコンの日頃のメンテナンス

車のエアコンは日頃から定期的にメンテナンスをすることで、状態を良く保つことができます。日頃からできるメンテナンス方法としては、以下の2つです。

・フィルター交換
・エアコンクリーニング

どちらのメンテナンスも簡単ですので、挑戦してみても良いでしょう。

フィルター交換

車のエアコンの送風口から出されている風は、フィルターを通して排出されています。そのため、定期的にフィルターを交換しないと、フィルターに付着したホコリやカビが、臭いの原因となってしまいます。
エアコンフィルターの交換は1年に1回、または走行距離1万km(交通量の多い都市部や粉塵の多い地域では5,000km)ごとに1回おこなうのが良いと、各メーカーが推奨しています。
フィルター交換は業者に依頼することできますが、初心者でもそれほど難しくありません。グローブボックスを開けてフィルターカバーを外せば交換できます。
ただし、フィルター交換の作業工程で樹脂部品を取り外す必要がありますので、破損させないように注意しておこないましょう。
フィルターの交換方法は車種によって異なります。作業が難しい場合は、ディーラーや業者に依頼するのがおすすめです。

エアコンクリーニング

車のエアコンから出てくる風に嫌な臭いを感じるときには、エアコンクリーニングをおこないましょう。臭いの原因であるカビの繁殖を抑えられます。エアコンのクリーニングの手順は以下のとおりです。

手順1

車のエアコン専用の洗浄剤を準備する

手順2

グローブボックスとエアコンフィルターを外す

手順3

洗浄剤を噴射し、15分ほど送風運転をする

手順4

フィルターを水洗いする(水洗い可能なフィルターの場合)

手順5

フィルターとグローブボックスを装着する

車のエアコンクリーニングをするときは、必ず専用の洗浄剤を使用しましょう。専用ではないものを使用すると、エアコン内部が故障してしまう可能性があります。
グローブボックスとエアコンフィルターを外したら、エアコンの送風を足元から出るように設定しましょう。
用意した専用洗浄剤のノズルをフィルターの設置部分に差し込んで噴射したら、15分ほど送風運転をおこないます。
送風運転をおこなっている間に、フィルターに付着しているホコリや汚れをきれいにしておきましょう。水洗いして、しっかりと乾かします。
15分ほど経ったら乾いたフィルターを元の部分へ戻し、グローブボックスを装着します。これで、エアコンクリーニングは完了です。

まとめ

本記事では、燃費向上に寄与するエアコンの使い方のコツや故障時の対処法、修理費用について解説しました。燃費の悪化を抑えつつ車のエアコンを使用したいのであれば、適正となる温度を設定し、オートモードでの利用をおすすめします。

エアコン内部の部品が故障していると正常に動作せず、異音が発生することもあります。故障箇所によって修理にかかる工賃は異なりますが、重要な部品が故障していると5万円以上の修理代がかかってしまいます。古い車であまりに工賃が高額になる場合は、修理か乗り換えか、比較検討してみるのも良いかもしれません。

「フィルター交換」や「エアコンクリーニング」は、初心者でも簡単にできるメンテナンスです。快適な車内空間を保つためにも、日頃から定期的に車のエアコンのメンテナンスをおこなうことをおすすめします。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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