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故障・修理
更新日:2020.07.15 / 掲載日:2020.07.15

エンジンから異音がする!「ノッキング」の原因と対策について

エンジンから異音がする!「ノッキング」の原因と対策について

「走行中にエンジンがガラガラ鳴る」「アイドリング中に金属音が聞こえる」「頻繁にエンジンが停止する」など、愛車を運転しているときに、このような症状に気付いたことはありませんか?これらは、エンジントラブルの一つである、ノッキングが原因かもしれません。

今回は、ノッキングの原因と対策について解説します。いつノッキングが発生しても焦らず対処できるように、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

ノッキングとは一体何か

簡単に述べると、ノッキングとはエンジンから金属音が聞こえる現象です。ノッキングはエンジン内部で異常が発生し、正常に動作していないときに起こる現象で、重大なトラブルの前兆ともいえます。
エンジン部分の金属同士が当たることで異音が生じますが、場合によってはこの異音が非常に大きくなり、運転席まで聞こえることもあります。
ここでは、ノッキングの異音の特徴やエンジンへの影響、そのまま放置するとどうなってしまうのかを詳しく解説します。最悪な状態になることを避けるために、事例を踏まえて認識しましょう。

ノッキングはどのような音がするのか

先ほども触れたように、ノッキングの異音はエンジン稼働中に金属同士が当たることで発生します。具体的には、「キンキン」「カンカン」といった金属音です。
エンジンの始動直後は、まだエンジンが冷えている状態であるため音は小さいですが、走行してエンジンが高温になると金属音も大きくなる場合があります。また、金属音とともに「振動」を感じる場合もあります。
金属音と同時に運転席までわかるような振動を感じたときには、ノッキングが起きていると判断しても良いでしょう。

ノッキングがエンジンに与えてしまう影響

ノッキングは、車のエンジンに本来とは違う動きをさせてしまう現象です。正常な動作ではないため、ノッキングが起こると車にとって致命的な故障につながることもあります。
車のエンジンに与える悪影響としては、ピストンの欠けやピストンリングの破損、バルブの破損、ガスケット抜けなどがあり、エンジンオイルを撒き散らしてしまう場合もあります。
また、最悪の場合は車両火災などの大きなトラブルに発展してしまう可能性もありますので、決してノッキングを安易に考えてはいけません。

放置しているとどうなる?

車のノッキングを放置すると、先にも挙げたピストンやバルブのほか、コンロッドといった部品が故障します。これらの部品が故障すると、関連する部品の破損にもつながり、結果的に車の心臓部でもあるエンジンがダメージを受けてしまいます。
エンジンが故障すると、載せ替えなど非常に大がかりな作業が必要です。当然工賃も高額になり、20万円~50万円ほどの費用が発生します。そのような事態を避けるために、ノッキングが発生した場合は車を放置せず、すぐにディーラーや整備工場に点検を依頼しましょう。

ノッキング時にエンジンで起こっていることとは?

ノッキング時にエンジンで起こっていることとは?

ノッキング時のエンジンの状態を知る前に、まずエンジンの仕組みとノッキングが起こるプロセスを知っておくと、理解しやすいでしょう。

エンジンはピストンを上下に運動させ、吸入→圧縮→燃焼→排気の4つのプロセスで動いています。以下で、簡単にエンジンの仕組みを解説します。

1. エンジン内部のシリンダー内で燃料が噴射されると、ピストンが下がり燃料を吸引する
ピストンが下がると燃焼室内に負圧が発生し、空気とガソリンの混合気(直噴エンジンの場合は空気のみ)をシリンダー内に吸い込んでいきます。
2. ピストンが上がることによって混合気(直噴エンジンの場合は空気のみ)を圧縮する
3. 点火プラグの火花によって燃料が爆発(直噴エンジンの場合はその前に燃焼室内に燃料を噴射)。この勢いでピストンを押し下げる
4. ピストンが上がるとともに燃焼ガスを排気する

エンジンは、上記のような流れで車の動力を生み出しています。このプロセスのなかでも、異常が発生することが多いのが「燃焼」の段階です。

何らかの理由で正常な燃焼とは別に燃料が加熱されたり、空気の圧縮で発熱したりすると、点火プラグに着火する前に燃焼・爆発が起こってしまいます。正常な状態とは異なるエネルギーが発生し、この衝撃がノッキングとして伝わるのです。

ガソリン車のノッキング

ガソリン車のノッキング

ノッキングは、ガソリン車とディーゼル車で発生する現象が異なる場合があります。まずは、ガソリン車において代表的なノッキングの症状を3つご紹介します。

カーノック

カーノックは、低速走行中にギアを高くしたときなどに起こる、車自体がガタガタ揺れる現象を指します。この現象は、エンジンの回転数が低いときに起こりやすくなっています。
マニュアル車の場合、運転中のギアチェンジでクラッチのつなぎ方が悪い場合や、誤って高速ギアに入れてしまったときなどにカーノックが起こります。
これは基本的に人的ミスなので、エンジントラブルで起こるノッキングとは別物です。
オートマチック車の場合は、自動変速するため運転者自身でギアを変える必要がありません。
そのため、オートマチック車でカーノックのような現象が発生している場合は、エンジン関連部品の劣化や破損の可能性があります。
大きなトラブルを引き起こさないよう、早めにカーディーラーや自動車整備工場での点検を依頼しましょう。

デトネーション(異常燃焼)

デトネーションとは、シリンダー内で正常に燃焼するはずの燃料が、何らかの現象で異常燃焼してしまうことを指します。
本来であれば、霧状に細かく噴射された燃料がシリンダー内で噴射されると、ピストンで圧縮されて点火プラグの火花によって燃焼します。
しかし、デトネーションになると、点火プラグで燃焼する前に燃料が燃焼してしまいます。
デトネーションが起こると、ピストンやシリンダーに想定外の動きをさせ「キンキン」といった異音を発生させるのです。

デトネーションは、エンジン内部のあらゆる関連部品にダメージを与えてしまう可能性が高い現象です。
そのため、異音が発生したときは放置せずに、すぐに自動車整備工場などで点検を依頼しましょう。

プレイグニッション

プレイグニッションは、デトネーションの一種で「早期に点火する」ことを意味します。
プレイグニッションが起こると、本来とは異なるタイミングで燃焼が始まりますが、本来のタイミングでも点火プラグが火花を飛ばし、2回目の燃焼を起こします。
燃焼が複数回起こることで衝撃が大きくなり、運転席まで伝わるほどの揺れや振動が起こるのです。

金属音の異音と車体の振動がどちらも起こった場合には、エンジンに異常が発生した可能性が非常に高いため、自動車整備工場で点検しましょう。

ディーゼル車のノッキング

ディーゼル車のノッキング

ディーゼル車は、ガソリン車とはエンジンの発火システムが異なるため、点火プラグでの着火による燃焼ではなく、高温・高圧による自然発火で燃焼をする仕組みとなっています。

ディーゼルエンジンで使用している軽油は、ガソリンと比べて燃えきるまで時間がかかり、燃焼している最中に次の燃料が噴射されます。このとき、同時に燃える燃料が生まれ、シリンダーの内圧が急激に上昇する場合があるのです。そのため、ガソリン車よりもディーゼル車のほうが、ノッキングが起きやすいといわれています。

このように、ディーゼル車とガソリン車は燃料を燃焼させる方法が異なります。ディーゼル車のほうがエンジンにかかる負荷は大きくなりますが、ガソリン車のエンジンよりも強い構造になっており、燃料が完全燃焼するように設計されています。

一般の乗用車では、ディーゼルエンジンを搭載する車種は少ないです。しかし、ハイエースやデリカなどのファミリーカーも存在しますので、ディーゼル車に乗る機会がある方や購入を検討している方は、ノッキングが起きやすいということも頭に入れておきましょう。

ノッキングの対策

ノッキングの対策

ノッキング対策を知っておくと、重度な故障を起こす前に早く気付き、修理コストも抑えられるかもしれません。
ここでは、ノッキングが起きたときの対策と、注意しておきたいチェックポイントについて解説します。

ノッキング音を聞く

ノッキングの音は、エンジンが冷えているときには小さく、温度が上がると音も大きくなる傾向があります。
しかし、エンジンの温度が高いときは走行中である場合が多く、音を聞き逃してしまうことも考えられます。異音がしていないか注意して走行しましょう。

オクタン価の最適なものを選ぶ

オクタン価とは、燃料の燃焼率のことを指しています。日本の燃料にはレギュラーとハイオクの二種類があり、オクタン価はレギュラーが89以上、ハイオクが96以上と日本工業規格(JIS)で定められています。
オクタン価の高いガソリンのほうがノッキングは少ないといわれています。
しかし、使用するガソリンは車が搭載するエンジンによって適したオクタン価が指定されています。
「レギュラーガソリン指定車にハイオクを入れたらノッキングが少なくなる」というわけではありませんので、それぞれの車種のエンジンに適したオクタン価のガソリンを入れましょう。
最適なものを選ぶことが、ノッキングの軽減につながります。

エンジンに負担をかけすぎない

重量のある車体は、エンジンの動力によって走ります。そのため、車内に多くの荷物を載せたり、多くの人数が乗ったりすると総重量が増え、エンジンにかかる負担も大きくなります。
重量が増えたことにより、通常使用するエンジン回転域に対して過度な負担がかかるとノッキングを起こしやすくなります。
無駄な積載物は減らし、少しでもエンジンに負荷をかけないようにしてノッキング対策をしましょう。

燃料添加剤を使用する

車を長年使用していると、エンジン内部に汚れや不純物が入ってしまう場合があります。
そのときに有効なのが「燃料添加剤」です。燃料添加剤は、異常燃焼などの要因にもなる汚れの洗浄や燃焼室のカーボン除去ができ、燃焼率を向上させる役割があります。
定期的に燃焼添加剤を使用することでエンジン内部がきれいになり、ノッキング対策ができます。
燃焼添加剤はカーショップやガソリンスタンドなどで販売していますので、試してみると良いでしょう。

点火プラグをチェックする

車のエンジンには、燃料に着火させるための点火プラグがあります。点火プラグは重要な部品ですが、経年劣化などで先端の電極部分が白くなったり、電極が摩耗してしまう消耗品です。
点火プラグが劣化すると正常に火花を飛ばすことができず、ノッキングなどの不具合が起こります。
オイル交換など、カーショップでおこなう定期メンテナンスと一緒に、点火プラグの点検も依頼してみましょう。

ディーラーや整備工場に相談する

車の部品は、経年劣化によって日々少しずつ傷んでいきます。
ディーラーで新車を購入した場合も、カーショップで中古車を購入した場合も、アフターサービスとして定期点検が含まれていることが多いので、運転頻度に関わらず、必ず定期点検を受けましょう。

すでにノッキングなどの現象が起きている場合は、早急にディーラーや整備工場などの業者へ連絡し、点検を受けましょう。
早めに点検してもらうことで、エンジン故障などの大きなリスクを未然に防げることもあります。
ノッキングは、車のクセなどに詳しい専門の方に相談すると、質の良い修理が受けられる場合がありますので放置せずに相談しましょう。

ノックセンサーがきちんと作動しているかチェック

ノックセンサーがきちんと作動しているかチェック

車には、コンピューターでノッキングの制御をおこなうノックセンサーが備わっています。ノックセンサーの制御とはどのような仕組みで故障するとどうなるか、以下で詳しく解説していきます。

ノックセンサーとは

ノックセンサーとは、名前のとおりノッキングの発生を感知するセンサーです。ノックセンサーは、以下のような流れでノッキングを感知します。

1. ノッキングが発生するとエンジンが特定の周波数で振動する
2. ノックセンサーがそのとくていの周波数を信号として検知する
3. ノッキングを制御するコンピューターへ情報が送られる
4. コンピューターが信号を受け取り、プラグの点火タイミングを調整。ノッキングを軽減する

このように、ノックセンサーは重要な役割をもつのです。

壊れているとどうなるか

ノックセンサーが故障すると、エンジンチェックランプが点灯します。エンジンチェックランプが点灯したら、点検もしくは交換の合図と考えましょう。
ノックセンサーが故障すると、常にノッキングが起こっているとコンピューターが判断し、エンジンの回転数に異常が出ることがあります。
ノックセンサーの寿命は決まっておらず、廃車まで壊れないケースもあれば、数万kmの走行で故障してしまうケースもあるようです。

交換の費用

ノックセンサーの部品単体では7,000-10,000円前後で購入ができます。しかし、業者に依頼する場合、作業の工賃などを含めると、費用は1万円~5万円となります。
少し高く感じてしまうかもしれませんが、ノックセンサーの交換では、コンピューターが正しく動作しているかも確認しなくてはいけません。一般の方では難しい作業となりますので、ノックセンサーの交換はカーディーラーや整備工場へ依頼するのが良いでしょう。

まとめ

この記事では、ノッキングの原因と対策について詳しく解説しました。

ノッキングは、エンジン内で起きている異常燃焼が原因で、金属音が鳴ったり揺れや振動が起こったりする現象です。ノッキングを放置するとエンジン自体が故障し、高額な修理代がかかる場合もあります。

ノッキングはエンジンが重大なトラブルを起こす前兆です。そのため、ノッキングが起こったときには放置せず、すぐに点検を依頼しましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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