カー!といえばグーネットピット

無料整備工場検索&予約アプリ

グーネットピットアプリ

故障・修理
更新日:2020.10.26 / 掲載日:2020.10.26

TOYOTA COROLLA LEVIN AE86 車検整備のみの個体をプロに見せてみた2

液体パッキンの塗布の仕方
そんなノウハウにも注目
 今回、森村さんによる診断で、一刻も早く交換しておかないと路上で立ち往生してしまうことになる部分と、それに関連した部分のリフレッシュを、実際に行ってもらった。ここではその一部となるが、エンジンの補機類に関する作業の模様をお見せしよう。
 しかし詳細な手順をこのスペースでは残念ながらお見せすることができない。そこで4A-GやAE86を触り慣れた森村さん流の作業のポイントをピックアップしてお見せすることにした。
 森村さんの作業で使用している工具や、液体シールの塗布の仕方など、実際に整備作業を行うことのあるAM読者の皆さんなら、参考になる部分が少なくないはずだ。

クランク&カムシャフトのオイルシールやウォーターポンプの交換を行うためには、それらの前に位置する、オルタネーター、エアコン、パワステの駆動ベルトとタイミングベルトを取り外す必要がある。この作業は各プーリーをいかに手際よく外すかがカギとなる。ちなみにタイミングベルトは交換履歴があり、確認すると要交換の状態ではなかったが、再使用はせずに新品のベルトとテンショナーに交換したのはいうまでもない。

クランクプーリーの取り外しには、KTCの回り止めSSTを用いて作業していた。固定ボルトはかなりのトルクを掛ける必要があるので、しっかりした回り止めが不可欠となる。クランクプーリー以外のプーリーには、ユニバーサルタイプのプーリーホルダーを使用。タイミングベルトのクランクプーリーの取り外しには、プーラーが不可欠だそう。バールやマイナスドライバーなどでこじると、プーリーが割れるという。

シールプーラーとシールインストーラーSSTをしっかり使って作業する

クランクとカムのオイルシールの抜き取りにはストレート製のシールプーラーを使用。主にスナップオンのツールを使う森村さんだが、このシールプーラーは使いやすくお気に入りだそう。組み付けるシールにはオイルシール用に特注したというシリコン系のグリスを塗布するそうだ。シールの打ち込みは、お手製のアルミから削り出した専用インストーラーを使用しているそうだ。今回も4A-Gのカム用とクランク用を使って作業していた。

再使用パーツの合わせ面に要注意!旧車の場合は表面が荒れているので 液体パッキンは少し多めに

漏れが発生していたウォーターポンプを取り外す。再使用するブラケットを分解後、ブラケットの合わせ面をしっかり整え、液体ガスケットを塗布したガスケットをセットし、新しいウォーターポンプと合体。錆によるネジトラブルを防ぐためにスタッドボルトにはスレッドコンパウンドを塗布するそうだ。ブロック側の合わせ面は荒れが酷かったので、液体パッキンは多めに塗布している。サーモハウジングなども組み付ければ作業完了だ。

燃料ポンプとの接続部分のフレアナットが固着し、取り外しが困難な場合がほとんど。接続方法を変更してしまうのもひとつの選択肢

純正のフューエルフィルターはフレアナットによるパイプ接続だが、ナットが固着し破壊しないと外せないものが多いという。破壊した場合は、ホースとバンドで固定できるように改造するという。その際燃料パイプには、抜け止めの加工を施す。フィルター側もパイプ接続タイプに変更。日産車用の純正パーツを流用するそうだ。またフィルターの先のパルセーションダンパーホースも他車種用を組み合わせて流用する。

純正も選べるが、コストパフォーマンス的には社外品の選択が賢明だ

フューエルポンプは、純正品の供給もまだあるが8万円以上と高価。対してチューニングなどに用いられるサード製ポンプは2万円程度で購入できるので、森村さんはサード製を使用するそうだ。交換する場合は接続カプラーが異なるのでカプラーを変更。ポンプとポンプブラケット間のホースは、長さも微妙に異なり、経年劣化しているので新品の高圧燃料ホースを切り出し交換する。サードポンプならブラケットをやや変形させればしっかり固定できる。

クリーニングとシール交換で、燃料供給環境を整える

インジェクターは本体からのガソリン漏れがなければ、森村さんはインジェクタークリーニングで対応しているという。クリーニングすると噴射量や噴射パターンが揃うので、気筒ごとの同調に有効だ。インジェクターに付く3か所のゴムシールも要交換なのはいうまでもない。インジェクターを取り付ける際は、ホルダーに4本をセットして組み付けるといいそうだ。またホルダーに刺さる部分のOリングにはシリコン系の潤滑剤を塗布していた。

リビルト品への交換が賢い選択だ

デスビからのオイル漏れは、ハウジングに付くものの他に、ハウジングとシャフトの間に入るシャフトシールの両方から発生する。そのオイルシールの劣化と共にベアリングにもガタが出ていることが多いので、森村さんはリビリド品に交換してしまうそうだ。組み付けは、まずエンジン側を1番シリンダーの圧縮上死点に合わせ、デスビ側を写真のように2点の合いマークを合わせた上で組み付ける。ズレると点火時期が狂い、エンジンがかからない。

純正エキマニ装着車両ならば セル交換時、マウント要取り外し、つまりはマウント交換のチャンス

いわゆるタコ足と呼ばれる社外品のEXマニホールドを付けている場合はその限りではないが、純正のEXマニホールドが付いている車体のセルモーターを交換するには、エンジンマウントを切り離してスペースを作る必要があるそうだ。つまり今回のようにセルモーターと共にエンジンマウントも交換したい場合は、同時に作業したほうが効率がいいということになる。ちなみに奥まった部分だから手探りの作業が多く、慣れがものをいう。

エンジンを持ち上げてマウントを外す。これでセルを固定部から外せるが、エキマニのステーが邪魔で車体から抜き取ることができないので、そのステーも外しセルを交換する。

リダクションセルがオススメ

森村さんはAE86のセルをリフレッシュする際にリダクションタイプを勧めている。これはハーネス劣化などが原因でセルへの電源供給が悪化していることへの対策だそうだ。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ