カー!といえばグーネットピット

無料整備工場検索&予約アプリ

グーネットピットアプリ

故障・修理
更新日:2020.10.19 / 掲載日:2020.10.19

トレッドとは?タイヤと車幅で実は2つの意味がある?

トレッドとは?タイヤと車幅で実は2つの意味がある?

自動車のカタログなどをよく見ると、「トレッド」という数値が書かれています。
車に詳しくない限りトレッドを気にする方は少ないかもしれませんが、トレッドは車の性能を決めるとても大切な数値の1つです。
実はトレッドには2つの意味があり、それぞれ役割やどのような性能に関係しているかが異なります。

「トレッドってどこの部分のことなんだろう?」「2つの意味があるってどういうこと?」と疑問に思いますよね。
そこでこの記事では、トレッドとは何か、トレッドが異なるとどのような性能差が出るのかなどについて、詳しく解説していきます。

トレッドって車のどこをいうの?

トレッドは以下の2つのことを指します。

・タイヤのトレッド
・車体構造上のトレッド

具体的にどの部分のことなのか詳しく見ていきましょう。

タイヤでいうトレッド

タイヤのトレッドとは、タイヤが地面に接している部分のことです。車が唯一地面に触れるところなので、車の動力を伝えるとても重要な部分といえます。

また、路面からの衝撃や外傷からタイヤの内部を守るといった役割も持っています。
そのため、タイヤはゴムのみでできているように見えますが、内部には構造を支えるワイヤーなども使われています。

さらに、多くのタイヤにはさまざまな模様の溝が刻まれていますが、この溝は「トレッドパターン」と呼ばれ、模様によって走行時にさまざまな効果を得られます。

車体でいうトレッド

車体でいうトレッドとは、左右の車輪間距離のことで「トレッド幅」とも言われます。前後のトレッドでは呼び方が異なり、前輪はフロントトレッド、後輪はリアトレッドです。

車種にもよりますが、一般的にフロントトレッドとリアトレッドの幅は、同じか後輪の方が少し狭くなっていることが多く、その理由は旋回や走行機能が向上するからです。
トレッド幅の長さによって車の特性が決まり、運転感覚が変わってきます。トレッド幅が長いと小回りが利き、短いとまっすぐ走行する際に安定した走りになります。

タイヤのトレッドパターンとは?

タイヤのトレッドパターンとは?

トレッドパターンとは、タイヤに刻まれた溝のことです。これはデザインを考慮した模様ではなく、トレッドパターンによって車の走行に関連したさまざまな効果を得ることができます。
トレッドパターンの種類や特徴について、詳しく見ていきましょう。

使用環境や車の特徴に合わせてトレッドパターンはさまざま

基本的なトレッドパターンは4種類あります。それぞれどのような模様の溝で、どのような効果を得られるのでしょうか?

リブ型

リブ型は、タイヤの回転方向に対して水平に刻まれた溝です。
舗装路や高速道路などの走行に適しています。操縦安定性に優れていて低騒音で、転がり抵抗も少ないことが特徴です。

ラグ型

ラグ型は、タイヤの回転方向に対して垂直に刻まれた溝です。
舗装されていない道の走行に適しています。駆動力や制動力に優れ、傷を受けにくいといった特徴を持っています。

リブラグ型

リブラグ型はリブ型とラグ型両方の利点を持ち合わせていて、舗装路・非舗装路のどちらにも適しています。

ブロック型

ブロック型は縦横の溝で独立したブロックが刻まれているパターンです。
雪道やぬかるんだ道でのグリップ性能に優れていて、安定して走行できます。駆動力や制動力が高いのも特徴です。

これら4つを基本にして、現在ではトレッドパターンにさまざまなデザインのものがあります。

トレッドパターンのないタイヤも存在する

F1などのレース用に使われるスリックタイヤには、トレッドパターンがありません。トレッドパターンがないことで、サーキットなどの舗装路面で高いグリップ力を得られるからです。

スリックタイヤにトレッドパターンがない理由は、おもに2つあります。
1つ目の理由は、トレッドパターンがないことで安定した走行ができるからです。
溝がない分タイヤの接地面積が大きくなるので、グリップ力が強くなり旋回能力や制動力などが向上します。

2つ目の理由は、剛性が高くなりタイヤがヨレないからです。
トレッドパターンがないことで、表面に力が加わったときにブロックが倒れ込んだりヨレたりせず歪みに強くなります。 これも結果的にグリップ力の向上に貢献します。

タイヤのトレッドの役割は?

タイヤのトレッドの役割は?

ここまでの解説で、タイヤのトレッドパターンについて詳しく分かりました。では、トレッドは運転をするときにどのような役割を果たしているのでしょうか?ここではトレッドの役割をご紹介します。

タイヤのトレッドの基本的な役割

トレッドの基本的な役割として、以下の4つが挙げられます。

1. 駆動力の確保

駆動力とは、車が前進するために必要な力のことです。車の加速性能を発揮させるために、トレッドは大きな役割を果たしています。

2. 制動力の確保

制動力とはブレーキ操作を行なって車を減速させる力のことです。トレッドがあることでグリップ力が上がり、車の制動力を確保しています。

3. 旋回性能の向上

トレッドによって地面との摩擦が生じ、コーナリングで車が滑るのを防いでいます。そのため、カーブなどを曲がるときに、横滑りせずしっかりと路面を捉えられます。

4. 排水性の向上

濡れた路面では制動距離が伸びます。トレッドがあることで水を効果的に排出し、濡れた路面でもグリップ力を保つことができます。

トレッドの持つその他の役割

基本的な4つ以外にも、現代のタイヤに求められるトレッドの役割はいくつもあります。具体的には、以下のような役割です。

振動吸収

トレッドのパターンによって振動が低減されます。振動が少ないことで乗り心地が良くなるので、長距離を運転しても疲れにくくなります。

静寂性

タイヤと路面の摩擦で起こる振動が車内に伝わり「ゴー」といった騒音になります。ロードノイズと呼ばれるこの騒音はトレッドにより軽減が可能で、静寂性を保つことができます。

耐摩耗性

タイヤのトレッドは地面との摩擦ですり減っていきます。トレッドが摩耗することで走行に悪影響が出るので、耐摩耗性の高さが求められます。

燃費の向上

タイヤにはグリップ力が必要ですが、グリップ力が強いと接地面に対する転がり抵抗が強くなるので燃費が悪くなります。そこで最近では、低燃費タイヤやエコタイヤと呼ばれるものが出てきました。
低燃費タイヤには、グリップ力を落とさず抵抗の少ないトレッドパターンが使われており、燃費向上につながっています。

タイヤのトレッドが消耗すると?

タイヤのトレッドが消耗すると?

タイヤは路面との摩擦で徐々にすり減り、トレッドの溝が浅くなっていきます。タイヤのトレッド面が摩耗すると、どのような影響が出るのでしょうか。

トレッドがツルツルになったタイヤの危険性

トレッドの溝が浅くなりツルツルの状態だと、以下の4つのような悪影響を及ぼします。

1. 雨天時にスリップしやすくなる

トレッドの溝がないと、濡れた路面ではタイヤが滑りやすくなります。そのため、摩擦力が低くなり、雨天時にスリップしやすくなるため危険です。

2. 制動距離が伸びる

トレッドの溝が浅くなることで、グリップ力が低下します。
そのため、ブレーキ操作を始めてから実際に車が停止するまでの距離が伸び、思わぬ事故につながる可能性が高まるでしょう。

3. パンクの可能性が高まる

トレッドが消耗していることにより走行負荷に耐えられなくなり、タイヤがパンクする確率が上がります。

4. 静寂性のダウン

トレッド面が摩耗することで、地面との摩擦で起こる振動が伝わりやすくなり、騒音の原因となります。

トレッドから判断できる危険サイン

トレッドに以下のような点が見られる場合は、危険サインです。

・スリップサインが出ている
・傷やヒビが入っている
・異物が刺さっている

スリップサインとは、タイヤの溝の底にある盛り上がった部分のことで、溝の深さが1.6mmになると現れます。しかし、タイヤはスリップサインが出てからではなく、1.6mmの倍である「残り3.2mm」が交換の目安です。

その理由は、タイヤの性能が大きく低下する溝の深さが3.2mmだからです。
上記の3つのうちいずれかの状態が見られたときは、危険なので速やかにタイヤを交換するようにしてください。

車体のトレッド幅は何に関係する?

車体のトレッド幅は何に関係する?

タイヤのトレッドは、グリップ力などに関係することが分かりました。それに対して、車体のトレッドは車そのものの特性に関係する値です。
トレッド幅が変わることで、車の特性にどのような違いが出るのでしょうか?

トレッド幅が変わると何が変わる?

トレッド幅の広さによって、運転するときのハンドリングに違いが出てきます。具体的には、以下の通りです。

トレッド幅が広い場合

カーブを曲がるときに遠心力に耐える力が大きくなり、コーナリングで安定した走行が可能です。しかし、直線を走行するときの安定感は低下します。

トレッド幅が狭い場合

直線走行時の安定感が増し、乗り心地がよく感じられます。その一方で、カーブを曲がるときは不安定さが増します。

トレッド幅と大きく関係するものに、ホイールベースというものがあります。
ホイールベースとは、車を真横から見て前輪の中心から後輪の中心までの長さのことです。ホイールベースを前後のトレッド幅の平均値で割った数値を「ホイールベース・トレッド比」と言います。

この数値で車の走行性能が決まり、乗り心地やハンドリングに違いが出てくるのです。
具体的には数値が1に近いほどコーナリングでの機動性が高くなり、2に近いほど直線での安定性が増すとされています。

このように、コーナリング性能を重視するか、直線での安定性を重視するかを、ホイールベース・トレッド比の数値を基準に選ぶことが可能です。

まとめ

今回は車のトレッドについて詳しく解説しました。タイヤにトレッドという溝があることで、制動力を確保したり排水性を向上したりと大切な役割をしていることが分かりました。タイヤのトレッドを定期的に点検することで異常がないか確認し、安全に運転できるようにしておきましょう。

また、車体のトレッド幅によってハンドリングに違いが出ることも分かりました。とはいえ、数値だけでは判断ができない部分もあります。
もし車を買い替える予定があれば、トレッドの数値も参考にしながら乗り心地がいいと感じる車を探してみてはいかがでしょうか。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ