故障・修理
更新日:2020.11.07 / 掲載日:2020.11.07
NISSANが生んだ革命児 K11 MARCH 定番メンテポイント
K11のGC型エンジンは、タイミングチェーンを採用。同世代同クラスのエンジンの多くがタイミングベルトで要メンテナンスポイントなるが、K11はその必要がない。
大きなトラブルに発展するワケではないが、一度も交換されていないケースがほとんどの燃料フィルターは内部の汚れが酷く、交換しておいたほうがいいパーツとなる。
社外マフラーも販売されていたK11マーチだが、その多くは純正マフラーのまま。メインサイレンサーなどに錆が発生している場合も多く、補修や交換が必要となる。
マーチのクラッチは油圧ではなくワイヤー式。強化クラッチなどに変更していなくても、30年近い時を経た車体なのでクラッチワイヤーの破損に注意する必要あり。
マーチに限らずだが、足回りのジョイント部やドライブシャフトのブーツ切れに注意。タイロッドはステアリングギヤボックス側のインナーブーツが切れることが多いようだ。
パワーウインドウは、昨今レギュレーターなどに使われる樹脂パーツが経年劣化することで破損してしまい開閉に支障が生じることが多くなってきている。
珍しい場所に錆が発生しやすいK11マーチ。その錆発生部分というのがリヤハッチ開口部の上側。石川さんのマーチもご覧のように見事に錆が発生している。
オールペイントしたり、ガレージ保管で大切に乗り続けるといった性格の車種ではないため、特にルーフやボンネットにボディペイントの傷みが目立つ車体が多いようだ。
ヘッドライトレンズ表面の経年劣化による曇りが定番トラブルとなる。ちなみに後期型のマルチリフレクタータイプのライトユニットと写真の前期型は互換性がない。
K11マーチを駆ってFSWのスポーツ走行を楽しんでいるオーナーさんとは、この記事の前編で紹介したように静岡県沼津市にあるチューニングショップ、テスタロッサの代表である石川さんだ。本誌ではあまり馴染みがないが、チューニング業界では知らない人はいない方である。日常的に1000馬力オーバーなんていう途方もないパワーを誇るエンジンを組み上げる石川さんだが、そんなチューニングカーとは違う方向のベクトルを有するK11の走る楽しさを楽しんでいらっしゃるという。ここではスポーツ走行を行うために施したメンテナンスについてお話を伺った。
「このK11は、そこそこ程度がよかったので、メンテナンスした部分といえばサスペンションブッシュやエンジンマウントを交換したのと、ブレーキをオーバーホールしたぐらいです。あとはプラグや油脂類の交換ぐらいです」
すでに登録から四半世紀も経った車体なので、広範囲をメンテナンスしているかと思いきや、そんなことはなかった。
石川さんにK11の定番トラブルポイントを伺ったのだが、
「K11は以前から好きなモデルで、このクルマ以外にも何台か所有したことがあるんですが、自分はチューニング屋なので、K11マーチ全般のメンテナンスポイントと聞かれても困ってしまいますね」
というお答えが……。
それではと、K11マーチによくあるトラブルを、ページ担当が各方面から集めてみたのだが、K11マーチには致命的なトラブルポイントというのが見当たらないようだ。もちろんトラブルがないわけではないが、消耗部品や30年という経年劣化による部品の破損といったものが多いようである。