故障・修理
更新日:2020.11.16 / 掲載日:2020.11.16
The 溶接 DIYで楽しむ「鉄」工作1 プロローグ・溶接の基礎知識
気持ちの「ハードル」はちょっと高いかもしれないけれど、一度やってみたらその便利さ、そして楽しさの虜となること間違いなし! そんな、溶接の世界へようこそ。クルマいじりに役立つのはもちろんのこと、ガレージの什器やキャンプ用具だって、自分で作れるようになれる。なお今回は小型溶接機で有名なSUZUKIDの工房におじゃま。最新機器や上達のコツ、実践テクニックをたっぷりとお届け。
DIYで楽しむ「鉄」工作
SUZUKIDの製品ならどこの
ホームセンターでも手に入る
金属を溶かして接合する「溶接」をマスターすればDIYの幅が確実に広がるが、そのためにはまず「溶接機」を手に入れる必要がある。
この「溶接機」、溶接方法の違いから「ガス溶接」と「アーク溶接」の2つに大きく分けられるが、前者は可燃性のガスを利用するためプライベートでの使用にはリスクが高い。爆発の危険があるので使用時はもちろん、ガスボンベを保管するために「ガス溶接技能講習資格」を取得する必要も出てくる。
このため、DIYでの利用を考えた場合、必然的に「アーク溶接」ということになる。が、これにもさまざまな種類があり、プライベートユースを前提とした現実的な選択肢は「被覆アーク溶接機」と「ノンガス半自動アーク溶接機」の2択。消耗品共々、ホームセンターで容易に入手することができる。
どの系列店のホームセンターでも必ずといっていいほど展示されている国産の溶接機器メーカーが「SUZUKID(スター電器製造株式会社)」で、複数モデルをラインナップしているため、初めてだとどれを選べばよいのか悩む。
そこで、スター電器製造株式会社の全面協力の下、ビギナー向けからステップアップに最適な機種までピックアップ。その中から代表的かつオススメ機種の基本的な使い方をレポートする。
専用の「溶接棒」をホルダーに挟み、アース接続した母材に触れさせることでスパークを発生させる、アーク溶接としては最もベーシックな溶接方法。「溶接棒」は溶解時にシールドガスを発生してアークを保護する被覆剤を金属棒(芯線)に巻いた構造で、アーク熱で母材を溶融させると共に電極自体も溶解移行させることで溶接金属を形成する。
ハンドトーチに設けられているスイッチを操作するだけで「溶接ワイヤー」を電動で連続的に送り出しながらアーク溶接を行う。これが「半自動式」による溶接方法で、アーク熱で溶けて生じるガスによってアークを保護するフラックス入りの「溶接ワイヤー」を使用することで、溶接時に溶解部をシールドするガスを不要としたのが「ノンガスアーク溶接」だ。