故障・修理
更新日:2020.12.28 / 掲載日:2020.12.28
IGコイルでなくECUの不具合!? 再生公道復帰プロジェクト
CR-Xにかかりっきりといった展開になっていたが、REXちゃんも休んでいたわけじゃない。
製廃パーツテンコ盛りでいろいろ捜索の旅に出ていたというわけ。互換できそうなイグニッションコイルを今回は試したわけだが、相変わらず火花は飛ばず。淡い期待は次へのステップという泥沼に邁進中。
31年目の個体だからなにが壊れたっておかしくはないのだが……。
代替IGコイルはバイク用から
チョイスしたものの……
REXちゃんのパーツ収集にとにかく時間がかかる。ほとんどのパーツが製造廃止で、おまけにこの個体はごく短期間しか作られていないVXグレード。ボディまわりはなんとか流用だったり中古だったりが使えるものの、前回から引き続き機関パーツの捜索に奔走していた。
探していたのは前回に続きイグニッションコイルだが、当然のようにメーカーでは製廃になっていて、新品は出ない。今では当たり前のECU制御だが、REXはこのグレードだけなので、他のREXパーツも使うことができないのだ。イグニッションコイルまわりもイグナイターがECUに内蔵されているという特殊なもので、おまけに2気筒というこれまた特殊さから、捜索にはかなり手間取った。
というわけで探したのはバイク用イグニッションコイルで、ハイテンションコードが交換可能なタイプで、コイル一次側が2端子のもの。制約をいろいろクリアしながら、バイク用の中からカワサキZZR400のものに行き着いた。ハイテンションコードはプラグキャップ形状や長さが違うので使用できないが、交換可能であればなんとかなる。流用決定。
前回までにクランクセンサーなど、マニュアルに沿ったチェックをしてきているので、ここで火花が飛ばなければ最終目的地はECUに行き着くことに淡い期待で、細かな検証を繰り返しながら実車にセットアップしたのだが、セルを回してみても火花は飛ぶ気配すらない。
コイルに繋がる端子には片側常時12Vがきているので、イグナイターがうまく作動していないということになる。
周辺パーツではコンデンサー(これもある程度消耗品)、容量テスターで計測してみたりもしたが、残念ながら最終目的地のECUにたどり着いてしまった。
問題はそのECUで、どこについているのかの捜索から始まる。カビ臭対策でシートが外れているので、ダッシュボードの裏側をくまなく探索したら、運転席側の一番奥に当時のものらしいでっかい弁当箱を発見! これまた補器類を全部外さないとたどり着かないところにあった。ヒューズボックスからも怪しい配線が出ているので、それも含めて全部ノーマルに戻すことから始めるしかないようだ。
前回の時にクランクセンサーの反応は確認してあり、正常にパルスが出ていたので、ハーネス配線切れでもない限りここは正常。
REXのIGコイルを再点検。一次側は規定の数値の2Ωあり正常。12Vも印加されているので、本来ならば動くはずなのだが。
二次側はアース間ではなくハイテンションコード間で計測すると27.9kΩもある。ちょっと抵抗値が高すぎる。
さんざん探しまくったIGコイルは他のREXと違うECU制御仕様で代替パーツもなく中古パーツもほぼこの世に存在しない。
同仕様のIGコイルということで、同爆となればバイク用に目をつけて、数種を入手したが、カワサキZZR用がかなり数値が近かった。ハイテンションコード交換前提でこれをテスト用として使ってみることに。
一次側は高めの3.2Ωだが、REXのマニュアルでもその数値が出ているので十分使用可能と思われる。直流抵抗値だけでは判断できない。
二次側は18.3kΩとIGコイルとしては標準的な数値で、同爆コイルは片側が接地されていない巻きっぱなしの構造。
車体カプラーからテスト用の配線を製作して形状の違う端子構造のIGコイルに接続。一応赤プラス、青マイナス(イグナイター)用に。
バイク用のハイテンションコードをそのままにグリーンのマークに+12Vが来るように配線してみた。多分極性はないはずだが。
バイク用のハイテンションコードはプラグの先端形状が違うので、道具箱を漁ってバイク用プラグを装着。昔は共用だった。
エンジンからはプラグを抜いておいて、セルを回してみたが、火花は飛ぶ気配全くなし。セルがキュルルと虚しい音を立てて回る……。
まあ、どこが壊れてもおかしくはないので、サージ吸収のコンデンサーを一応チェックしてみることにした。意外と古い車は逝くのだ。
分割して単体でコネクターオンというコンデンサーは珍しいかもしれない。容量的にはどんな車も同じなので流用も可能だ。
秋月電子のデジタル容量計キットが便利で正確なので、これでコンデンサーを計測したら、45・3nF=0・45uFということで正常値。
ECU捜索で下に潜り込んだらヒューズボックス発見!で、ここもチェックしておく。火花以外はすべて灯火類も正常なので、大丈夫なはず。
昔懐かし改造ヒューズ発見。
電源取り出しのために樹脂の一部分を切り欠いてそこに電線をハンダ付けという手法。
ヒューズボックスのかなり奥にECU発見。大きすぎて最初はなにかのパネルかと思ったら、光を当ててみたらECUだった。取り外しは大変!