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故障・修理
更新日:2021.01.29 / 掲載日:2021.01.29

NA&NB ロードスターのメンテポイント4

降雪地なら車検ごとにオーバーホールを

 NA、NBともリヤブレーキのサイドブレーキ機構の固着が定番のトラブルとなる。固着の原因は、経年劣化によるシール切れが発生し、サイドブレーキ調整部にフルードが流れ込み、錆が発生するのが原因。調整部が固着することでサイドブレーキは機能しなくなってしまう。この問題を解消するにはリヤキャリパーの完全なオーバーホールを行う必要がある。「完全」と入るのは、一般的なキャリパーオーバーホールはキャリパーピストンのシールとブーツ、それからスライドピンブーツの交換とグリスアップとなり、サイドブレーキ調整部に手が入らない。石井自動車のようにNAやNBをいじり慣れたショップであれば、完全なオーバーホールを行ってくれるが、一般整備工場では一般的なオーバーホールのみで、肝心な部分の問題が完結されないこともあるようだ。石井さんによると、完調を保ちたいなら4年に1度(降雪地なら2年に1度)は、完全なるオーバーホールを行った方がいいという。

サイドブレーキは自動調整とされているが、手動調整が確実だ。キャリパーに着く14mm頭のボルトを外すと調整ネジにアクセス可能。調整方法はパッドがディスクに密着するまでピストンを押し出し、そこから120度戻しが基本となる。

リヤキャリパーのカットモデルが石井自動車には用意されている。ギアのように見える部分の左にシールが入るのだが、これが機能しなくなりサイドブレーキ機構(右側)にフルードが侵入。それにより錆が発生し、固着してしまうそうだ。

ビックリするほど大らかなエンジン各部の加工精度

 NA&NBに搭載された1.6LのB6型、それから1.8LのBP型エンジン。この2機のエンジンの作りは非常に大らか(悪く言えば雑)なものだそう。例えばシリンダーブロック。オーバーホールのために0.25オーバーサイズピストンを入れるべくボーリングを行ったところ、ボーリングマシンのバイトがシリンダー内壁に当たらない部分があるブロックも珍しくないそうだ。こんな生産時の加工精度の低さがシリンダーだけに限らずヘッドなどでも見受けられるという。

NBロードスターの 基本の「き」

NB6C(NB8C) SPECIFICATIONS
●全長×全幅×全高:3955×1680×1235mm
●車両重量:1010(1030)kg
●エンジン:B6-ZE(BP-ZE)型水冷直列4気筒DOHC
●排気量:1597(1839cc)
●最高出力:125ps/6500rpm(145ps/6500rpm)
●最大トルク:14.5kg-m/5000rpm(16.6kg-m/5000rpm)
●サスペンション形式:Wウィッシュボーン
●ブレーキ:Vディスク/ディスク
●タイヤサイズ:185/60R14
●販売時期:1998年1月~2005年8月

 2代目ロードスターとして1998年に登場したのがNB型だ。よりロー&ワイドに見えるボディだが、実質は5mm全幅が拡大しているのみ。メカニズム面などその多くをNA型から流用しているが、メーカーレベルでしっかりと熟成させたものとなる。特にボディ剛性などは圧倒的な差があるようだ。ただし部品供給は、NAのように部品の復刻が行われていないので、NAよりも新しいモデルなのに、部品供給が無くて困ることが多くなっている。

エンジンの不具合を探るダイアグノーシスのススメ

 石井さんの整備は、基本を忠実に守った方法で行われる。エンジンが不調ならサーキットテスターと整備書を持ち出し、まずはダイアグノーシスによる自己診断の結果を読み取ることで修理する部分を特定していくそうだ。しかしOBDのようにカプラーオンで繋げないためか、NA、NBの整備では自己診断が活用されていないことが多いという。「AMの読者さんなら、ダイアグノーシスの活用法に詳しい人も多いと思うので、是非活用して欲しい」そうだ。ちなみに整備書が無くても、信号の種類などはWEBに多数公開されているそうだ。

圧倒的に容量不足だったNA時代のデフサイズ

 NA6のデフは、BG8Zファミリア(ターボ)のリヤデフが流用される。いくらターボなしとはいえ、4輪駆動用のリヤデフなので容量が足りないようだ。ピニオンギヤの歯がナメてしまうというデフブローが多数発生している。NBでボンゴ用の大きなサイズのデフに変更された。こちらを使えば歯がナメてしまうようなトラブルが発生することは無くなったようだ。ただしNB用でもベアリングトラブルは発生する。それからプロペラシャフトはジョイント部の寿命を迎えている車体が多いという。PPFなどにグリスが飛び散っていたら要注意。

タペット音が大きいとラッシュが気になるのだが

 エンジンを掛けると聞こえてくるカチカチ音。いわゆるラッシュアジャスターが適正なバルブクリアランスを作り出せずにエンジンが発する異音である。この音、エンジン始動時に音が出てしまうのは仕方が無いと石井さんはいう。正常か異常かを判断する場合は、まずしっかり暖気をしてから、エンジン回転を3500回転に保って30秒回し、その後音が消えれば正常なのだそうだ。音が消えない場合は、ラッシュアジャスターに問題があり、対処しなければ異音が消えることはない。その対処方法だが正攻法としては部品の交換となる。しかしロードスターのラッシュアジャスターはバルブリフターに組み込まれているので、全部で16個の部品が必要。しかもその部品単価がそこそこ高いため気軽に交換するのはむずかしい。またリフターの交換となるのでカムシャフトの脱着を伴い工賃も高くなる。エンジンオーバーホール時に交換するのが得策のようだ。

ホロは消耗部品といえる。ホロが縮んでいたら要交換

 幌は消耗品、破れていなくても幌が縮んでいれば交換時期といえる。幌が縮んでいるままウエザーストリップなどゴム類を新品にしても雨漏りが止まることはないそうだ。縮み具合は、サイドウインドウ上部の幌の縫い目を真横から見た時に、縫い目が上を向いてしまいウエザーストリップがよく見えるなら、かなり縮んだ状態といえる。幌をAピラーに固定するフックも消耗品で、10年ぐらいの使用で摩耗が進み、フックレバーが走行中に勝手に解除されてしまうようになる。ロックを解除しなくてもフックが外れるような場合は要交換時期だ。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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