故障・修理
更新日:2021.02.15 / 掲載日:2021.02.15
足回りに違和感が ベンツちゃん復活大計画
試運転で見つかったステアリングの妙な遊び感。どうせ直すなら、できるだけ忠実に戻したいのは偽らざる想い。リヤアシをリフレッシュしたことで、ベンツちゃんの本当の走りを取り戻すことができたのだろうか?
しっかりと直したいです…… 試運転で気づいてしまった足回りの違和感
ステアリングの微妙な違和感は
足回りが引き起こしていた
ここまでオリジナル重視の整備を心がけてきたこともあって、我がベンツちゃんは半世紀前の最善に近づいていると思うのだが、試運転の際に感じたハンドルの遊びの大きさは、どうしても気になって仕方がない。どこが問題なのかを考えてみたが、偶然にもネット検索で見つけたW123のテスト風景動画で走っていた当時のW123の身のこなしを見てしまうとやはり足回りが怪しい。そこで前から気になっていた、リヤのアシ関係の部品を見直すことにした。
そんな理由で前回、リヤのサブフレームブッシュを交換したが、その効果は絶大。軽く走ってみただけでも劇的にハンドルの遊びが少なくなったように感じる。どうやら急ハンドルを切ったりすると、サブフレームが微妙に動いてしまう状態になっていたのかも?
そして今回は抜けている印象が否めないショックアブソーバーの交換に挑んでみた。これまで純正重視のメンテにこだわってきたので、ショックは純正とほぼ同じ減衰特性を持つマイレ製と交換した。ショックの交換はかなりやり込んだ作業だが、超強力なスプリングを弄るだけに緊張感を強いられる。
なんとか交換して、再び試運転を行ったところ、その効果は歴然。動画で見たオリジナルの走りに近づいたかも?
サブフレーム交換後ハンドルの応答性が劇的に向上。さらにショック交換で最善を目指すことにした。
超強力なスプリングを支えるショックやサスペンションアームは、錆で強度が落ちていると弾けるかも……。慎重に作業を進める。
簡単な作業と甘く見ては痛いことになるかも……。
ショックのロックナットを緩める際にロッドが回ってしまうと、下部バルブのダメージや緩みの原因になる。作業は慎重に……。
新品ショックを取り付ける時は、ロッドが取り付穴のセンターにくるように。
怠ると異音の原因になることも十分ありえる。
取り外したビルシュタインのショックは、手で押した感じが左右で異なる。相当劣化が進んでいたようだ。
リヤのショック上部取り付けナットは、シートバックの後ろ側にあるカバーを外して、緩めることが可能。
スプリング張力がかからないようにするため、トレーリングアームの下にジャッキを当ててからショックを取り外す。
車体後部はジャッキスタンドで高い位置で固定した。
なのでショックはこのように下側からギリギリ抜くことができた。
交換作業プロセスは超シンプルだが、スプリングの張力の影響はしっかり把握する必要がある。これが安全作業の秘訣だ。
マイレ製のショックは純正の減衰力を忠実に再現。基本的にツインチューブタイプ。簡単に手で押し縮めることができる。
ショック交換後は素早く進路変更をしても車体の姿勢が安定。ネット動画のテスト車両を彷彿させる俊敏さが復活しました。
お手製のアライメント測定器。リヤから照射されたレーザーは、交換前も交換後も右側が112mm、左側が122mmと、微かなカニ走り。
同じ方法でアウディやプリウスを測定すると左右の誤差はほぼゼロ。ホイールの歪みは確認済みなので10mmは異常なズレだろう。
リヤのサブフレームブッシュを交換すると、ステアリングの位置ズレが生じてしまった。最初は劣化したブッシュ交換の影響でサブフレームの位置が変わったことが原因だろうと考えていたが、DIYアライメント測定でトー角度を点検すると、交換前と交換後でまったく変化していない。交換前の遊びは大きくフラフラ状態だったのであまり気にならなかったが、不安定な走りゆえに無意識に修正していたのかも?とりあえず問題なしとしたが、ステアリングが位置ズレした原因が分からずじまいなのは、少し気になる。