故障・修理
更新日:2021.02.19 / 掲載日:2021.02.19
オルタネータ交換 スバルサンバーを懐走仕様!1
それは突然やってきた。近所に買い物しに行った夜、走行中にいきなりインパネに赤いランプが点灯した!バッテリーランプと排気温度警告灯である。同時に点灯したことからバッテリーが充電されていない状態であることがわかった。電圧降下による同時点灯。ウキウキ買い物も取りやめて、信号待ちなどではバッテリー消耗に対してヒヤヒヤしながら暗い帰路を走った。
夜間走行中に突然メーターパネルに赤い点灯ランプが2つも!バッテリーは発電機トラブルだが、排気温度警告灯は一体なんだか不明。
配線図集はないのだがメーターパネルのマニュアルに配線図があり、回路的には発電機のトラブルだと同時に排気温度警告も点灯する。
エンジンは始動できたのでオルタネータの電力出力端子の電圧を測定したらバッテリー電圧のままで、全く発電していないことが判明。
本体は2本のボルトで固定されているだけ。左が貫通固定でまず緩めてから右(ベルトテンションボルト)から外していく。
オルタネータにはバッテリーから直接配線がきているので、作業時はバッテリーのマイナス端子を外してショート→発火対策をする。
本来は右タイヤハウス側のパネルを外すが、面倒なのでウェイト(ハンマー等)に紐などを結んでスペシャルツール?を作成しておく。
ベルトに紐を結んでおきリヤシート側にウェイトを投げ込んでおいて、ベルトがクランク側に垂れ下がらないようにしておくといい。
2本の固定ボルト、出力端子と制御端子のカプラーを外せばオルタネータはゴロッと取り外す。重量もそこそこあるので落下注意。
オルタネータハンガーは鋳鉄で作られているが熱でかなり錆びている。今回はDIYリフレッシュだから洗浄して塗装しちゃう。
信越電装にはこのQRコードを読み込んでLINEお友達登録を行いチャットにアクセスすると在庫確認から発注まで簡単にできる。
チャットで車体番号、初年度登録、類別番号、型式番号などを送ると在庫有無と価格がわかり、発注すると伝票写真が添付される。
23700KA660が純正番号で三菱電機製。他にDENSOのものあり、性能は同じだがDENSO製は400g軽いとマニュアルに記載。
チャットと同じ伝票が貼られた信越電装のブランドSHINEの箱に入ったオルタネータが発注翌日に代引きで送られてきた。
製品保証書が入っていて、オルタネータの型番が入り、2年間・4万キロ(どちらか先に到達した方)の保証があるのは安心。
オルタネータを取り出すと本体に縛られた状態の検査成績表がありきちんとテストされていることがわかる。しかし綺麗な本体だ。
本体以外に同封されているのは保証書、検査表、そしてコア返送のための着払伝票だ。箱も捨てずに返送。リサイクルがエコなのだ。
とても古い話をしよう。発売されたばかりのトヨタ・ハイラックスサーフで1985年のパリダカールラリーにエントリーしていた。アルジェリアの砂漠のど真ん中を走行中に突然のエンスト。キーをひねるがセルが回らない。ルート上だったので、後からやってきた日本人のサポートカーが救助してくれた。ジャンプケーブルをつないでエンジン始動。何事もなかったようにエンジンは始動できたがジャンプケーブルを外すと数秒でエンスト。バッテリーが上がっていたのだ。
この時オルタネータのトラブルとわかったが、この時代はまだレギュレーター内蔵ではなく、外付けの機械式レギュレーターだった。そんなもののスペアパーツはなく、たまたまサブバッテリーを搭載していた件のサポートカーに充電を頼みながらバッテリー交換をして、止まったら交換を繰り返しながら走行。日が沈み始めた時にタイムアウトからリタイヤを決心したが、車を置いていくわけにもいかず、バッテリーの続く限り走ることにした。
やがて漆黒の闇がきたが、ヘッドライトなど電気の消耗は激しいものは一切使わず、自分は屋根の上に上がってロープで体を縛り付け、懐中電灯をヘッドライトがわりにして、行けるところまで行って、ゴールの街まで100キロほどのところでテントを張ることにした。
この時クルマは電気で走っているということを痛感し、今でも屋根に縛り付けられた感触は忘れもしない。
国内でもオルタネータのトラブルはあった。その時はまだ市街地だったので、要所要所で格安バッテリーを購入し、とりあえず走行したが、街中なのでやたら信号とブレーキ、ウインカーの点灯が多く、夜間は相方を後部座席に乗せて、バッテリーが上がらないか冷汗を流しながら走行して自宅まで戻ったのだった。
発電機トラブルはかなり多く、ほとんどの場合チャージランプ点灯から数十分で走行不能になる。現代の充電制御車であれば、あっという間に走行不能になる。
というわけでKVサンバーもチャージランプが点灯。数多の経験からバッテリーに優しい(?)運転をしつつ、近所ということもありなんとか帰宅。その後も数回の始動はできた。