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ガソリン車用(オイル交換)[2021.04.06 UP]

エンジンオイルの粘度を上げる目的は?選び方やメリットについて

エンジンオイルの粘度を上げる目的は?選び方やメリットについて

走行距離が多い・経年劣化の疑いがある車を所有している方は、指定粘度のままではエンジンオイルの性能が発揮できていない可能性があります。
しかし、指定数値を変更するには抵抗や戸惑いを感じる方も多いでしょう。

当記事では、エンジンオイルの粘度を上げる目的やメリットをとおして、数値変更の必要性を解説します。どのように粘度を選べばわからない方も、ぜひ参考にしてみてください。

関連情報

エンジンオイル

問題ない?エンジンオイルの粘度を上げる目的

問題ない?エンジンオイルの粘度を上げる目的

エンジンオイルの粘度を上げる(硬くする)行為自体に、大きな問題点はありません。
エンジンオイルは、「必ずしも指定粘度でなければならない」という決まりはなく、必要に応じてエンジンオイルの粘度を上げ、車のコンディションを補うことができます。

エンジンオイルの粘度を上げる大きな目的は、エンジン内部のごくわずかな隙間(クリアランス)の気密性・圧縮性を補うことです。
エンジン内部のクリアランスは、とても細かい数値で調整してあるため、エンジンオイルの粘度(油膜の厚み)が影響してきます。

車種・メーカーによって指定粘度が存在するのは、「クリアランス(隙間)の大きさに適したエンジンオイルを使用してほしい」という意図があります。
つまり、新車や使用頻度が少ない車に適しているのは、指定粘度のエンジンオイルです。

しかし、長年乗り続けていると、指定粘度のエンジンオイルを潤滑にしていても摩耗していく現象は防げないため、クリアランスは徐々に広がっていきます。
「油膜の厚み(粘度・硬さ)が足りない」=「気密性・圧縮性が保持できない」状態になり、エンジンに不調が現れる可能性が高くなってきます。

上記のような状態を改善するためにとる対策の一つが、「エンジンオイルの粘度を上げる」という方法です。

反対に、エンジンオイルの粘度を下げるという行為は、油膜の厚みが減り、ときに危険がともないます。車に詳しくない方がむやみに粘度を下げるのは、控えておくのがおすすめです。

エンジンオイルの粘度を上げるメリット

エンジンオイルの粘度を上げるメリット

エンジンオイルの粘度を上げると、大きく3つのメリットがあります。
クリアランスの広がりだけではなく、機械同士がぶつかるエンジン内部の異音や熱ダレを防げるため、エンジン周りに違和感を覚えている方は、ぜひ前向きに検討してみてください。

クリアランスの広がりを補える

エンジンオイルの粘度を上げると、摩耗によって発生したエンジン内部の「隙間(クリアランス)を油膜の厚みで埋める」ことができます。
クリアランスを埋められるようになると、ピストンとピストンリングの圧縮性が上がるため、ガス抜けが減り、エンジン本来のパワーを引き出せるようになります。

さらに、適切な粘度でクリアランスが埋まることで、燃焼室にオイルが入り込んでしまう「オイル消費(オイル上がり・オイル下がり)」と呼ばれる現象を抑制できるのもポイントです。
オイル消費を防げることで、白煙やマフラーからのオイル漏れなどといったトラブルの解消・回避につながります。

保護性能を高めて熱ダレを防ぐ

エンジン内部を適度な粘度のエンジンオイルで満たせると、保護性能が高まり「熱ダレ(エンジン内部の温度上昇によるパワーダウン)」 を防げるようになります。
エンジン内部の温度が上昇する原因は、オイル(液体)に限らず固体や気体など、いくつか存在します。

上記のなかでも、エンジンオイルの粘度を上げて防げるのは、熱によって「著しい粘度低下(粘度不足)」を起こした場合に発生する熱ダレです。
ドロドロとしたエンジンオイルが、熱によってサラサラへと変化する様子を粘度低下と呼び、どのようなエンジンオイルを使用していても、ある程度の低下現象は発生しています。

しかし、エンジンオイルに加わる熱が大きくなる乗り方をしている場合は、オイルの劣化スピードも速く、熱ダレのリスクが高い傾向にあります。

もし、エンジンのパワーダウンに悩んでいる方が、「高速道路を使う機会が多い」「炎天下の長時間走行が多い」など、エンジン内部の熱量が増えやすい乗り方をしているのであれば、指定粘度よりも上のエンジンオイルに変えてみるといいでしょう。

走行中の異音をわずかながら抑えられる

エンジン内部から異音が発生している場合、エンジンオイルの粘度を上げると改善できることがあります。異音が和らぐ理由は、エンジンオイルの粘度(硬さ)によって生まれる「油膜の厚み」です。

エンジン内部に存在するクリアランスは、数ミリ単位のごくわずかな隙間であるため、エンジンオイルの粘度を上げて油膜に厚みが出ると、衝撃・音を吸収しやすくなります。

しかし、エンジン内部から異音が出ている場合は、機械同士のぶつかりによって、すでにトラブルの前兆となる傷や摩耗が発生している可能性が高いため、速やかに点検に出すのが望ましいといえるでしょう。

エンジンオイルの粘度を上げるときの選び方

エンジンオイルの粘度を上げるときの選び方

エンジンオイルの粘度は、おもに「気温、使い方、目的、エンジンの状態」の4つを考慮しながら数値を選びます。

エンジンオイルの粘度を上げるときは、特に「エンジンの状態=摩耗状態(クリアランスの広さ)」を意識しながら数値を変えていくのがポイントです。
一般的には以下のように「走行距離」を一つの目安としています。

・50,000km以上を走行している場合は、指定粘度から1つ上
・100,000km以上を走行している場合は、指定粘度から2つ上
・上記以上または走行距離がわからない古い車は、一番気密性が高い粘度

また、エンジンオイルは「シングルグレード」「マルチグレード」によって、粘度表記の仕組みが以下のように異なるため、選ぶ際は混乱しないように注意しましょう。

シングルグレード
SEA20
SEA30
SEA40
SEA50
マルチグレード(例:0W-20)
前半部分(低粘度) 後半部分(高粘度)
0W(-35度)
5W(-30度)
10W(-25度)
15W(-20度)
20W(-15度)
20
30
40
50

シングルグレードの場合は、低温・高温に関係なく一定の粘度を保てるのに対し、マルチグレードは、低粘度・高粘度と2つに表記が分かれています。

「W」はwinter(冬)の頭文字をとった表記であり、低温時・外気の気温の影響を受ける粘度(始動性)を示しています。
反対に高粘度は、エンジン稼働時の熱に影響する粘度(耐摩耗性)を表しているのが特徴です。

エンジンオイルの粘度を上げるときの注意点

エンジンオイルの粘度を上げるときの注意点

基本的にエンジンオイルの粘度を上げても大きな問題は発生しにくいです。
しかし、以下3つの注意点を意識せずに上げてしまうと、改善どころか悪化につながる可能性が高まりますので気を付けましょう。

未使用でも粘度の違うものは混ぜない

エンジンオイルは、グレードが異なる商品でも未使用品であれば混ぜても問題ありません。
しかし、「粘度」が異なる場合は別です。

粘度が異なるものを混ぜ合わせてしまうと、オイルの性能を維持する添加物のバランスが乱れてしまい、思わぬトラブルに発展する可能性があります。

燃費が悪化するためエコカーには不向き

ハイブリッド車、アイドリングストップ機構搭載車といったエコカータイプは、エンジン内部の温度上昇が緩やかであるため、低温時でも保護力を維持できる低粘度オイルを推奨しています。

高温時の粘度を上げると始動性が落ち、結果的に燃費が悪くなる傾向にあるため、他の車と比べてエコカーの粘度上げは不向きであるといえるでしょう。

エンジンのレスポンス低下を招くことも

エンジンオイルの粘度数値を、何も考えずにただむやみに上げるのは原則NGです。

粘度が上がるに連れてクリアランスを埋める油膜の厚みは増えますが、熱不足によりオイルが硬くなり十分な潤滑効果が得られないリスクが出てきます。

結果的には始動性も落ちてくるため、エンジンオイルの粘度を選ぶ際は適切な範囲内で変更していくのがおすすめです。

エンジンのレスポンスが悪いと感じる場合は、必要に応じて整備工場に相談したほうが良いケースもあります。不安な方は自己解決せず、積極的に相談を持ちかけましょう。

https://www.goo-net.com/pit/

まとめ

エンジンオイルの粘度は、摩耗や劣化によって性能低下・不足になる可能性が高くなるため、走行距離に合わせて上げていくのがおすすめです。
特にエンジン内部の不調・違和感を覚えている方は、点検を受けてからオイルの粘度を変えていくといいでしょう。

また、むやみやたらにエンジンオイルの粘度を上げる、混合することは危険なので注意しながら、車にあった方法でメンテナンスを心がけてみてください。

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、 自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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