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故障・修理
更新日:2021.05.07 / 掲載日:2021.05.07

エンジンマウントの交換は必要?交換時期と方法を解説!

エンジンマウントの交換は必要?交換時期と方法を解説!

車のエンジンは、エンジンマウントというゴムでできた部品でボディに取り付けられています。それほど頻繁には交換不要ですが、経年劣化は避けられず、いずれは交換が必要となる部品です。

この記事では、エンジンマウントの適切な交換時期について解説します。費用やDIYでの交換方法にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

エンジンマウント交換時期の目安

もしかすると、これまでエンジンマウントの交換をした記憶がないという方もいるかもしれません。というのも、一般的に車を買い替えるサイクルでは、エンジンマウントを交換するに至らないケースも多いからです。

エンジンマウントの交換時期の目安は、一般的に10年・10万kmと想定されています。ただし、使用状況によってはこれより早く交換が必要なケースもあります。車の買い替えは7~10年前後を目安とされる方が多いため、これまでエンジンマウントを交換したことがないという方も多いでしょう。

以下のような症状が現れた場合は、劣化の可能性があります。10年・10万kmに達していなくても、エンジンマウントの交換を検討しましょう。

・アイドリング時の振動が大きくなる
・加速時や減速時に「ガツン」といった異音がする
・MT車の場合、低いギアでのシフトチェンジがしにくくなる
・AT車の場合、NからDレンジに入れた際に振動が大きくなる

エンジンマウントの交換時期を確認する手順

エンジンマウントの交換時期を確認する手順

AT車とMT車では確認の手順が若干異なるため、それぞれの方法で試してみてください。

AT車の場合

AT車の場合は、2人で行います。1人は運転席で以下の操作をし、もう1人は外からエンジンの動きをチェックする係です。

1.車が動き出さないようサイドブレーキを強めにかける
2.フットブレーキを左足で強く踏んでおく
3.シフトをDレンジに入れる
4.右足でアクセルを徐々に踏む(回転数は2,000~3,000rpmまで)

この操作をするとエンジンが持ち上がるような動きをするので、どのくらい動いているかを外から見ている人に確認してもらいましょう。多少動く程度なら正常ですが、明らかに持ち上がる場合は交換時期に差しかかっていると考えられます。

横から見てもエンジンの動きは十分に観察できるので、チェック係の人は確認中に車の前に立たないように注意してください。

MT車の場合

MT車は、シフトチェンジの感覚で劣化具合を判断しましょう。前述のとおり、特に低いギアでシフトチェンジするときに、症状が出やすい傾向にあります。1速から2速へ入れるときなどにギアの入りが悪いと感じたら、劣化を疑いましょう。

また、加速・減速時に衝撃を感じる・異音がするといった場合も、劣化の恐れがあります。低いギアでは加速力もエンジンブレーキも強いため、エンジンマウントの劣化によって金属部分がぶつかり、衝撃や異音が発生するのです。

エンジンマウント交換の必要性

エンジンマウント交換の必要性

そもそも、なぜエンジンマウントの交換が必要なのでしょうか。ここでは、エンジンマウント交換の必要性と、放置するとどうなってしまうのかを解説します。

エンジンマウントの役割や劣化を放置するリスクを知り、日頃のメンテナンスにも役立てていきましょう。

エンジンマウントの役割

エンジンを搭載するときに、エンジンを車体に固定するためのパーツがエンジンマウントです。一般的には車1台につき3箇所ですが、車種によっては4箇所で車体と連結されています。

エンジンマウントはおもにゴム製で、エンジンを支えたり、エンジンの振動が車体に干渉するのを軽減させたりする役割があります。また、走行中などに発生する外部からの衝撃を、エンジンに伝えないようにすることも役割の一つです。

ちなみに、レーシングカーではゴム製のエンジンマウントを使用せず、金属で固定している場合も多くあります。これはエンジンのパワーを素早くダイレクトに伝えるためであり、競技車両だからこその構造といえるでしょう。

エンジンマウントの劣化原因

ゴム製のエンジンマウントは、劣化が避けられません。劣化のおもな原因はエンジンの熱と振動であり、長年の使用で徐々にダメージが蓄積して、劣化していくのです。経年劣化によってゴムの硬化やつぶれ、ひび割れが発生し、最終的にはゴムがちぎれてしまうこともあります。

このような経年劣化は避けられませんが、急な加速を控えることでエンジンマウントの負担を抑えることは可能です。

エンジンマウントの放置リスク

劣化したエンジンマウントをそのまま放置すると、さまざまなリスクが発生します。

例えば、極端な劣化で不具合が生じると、エンジンを正しい位置に固定しておくことができません。そうなると、加速・減速の際にエンジンが暴れ回り、周辺の部品に接触して危険です。衝撃や異音で車内の快適性が損なわれるほか、周辺部品が破損するケースも考えられます。

仮に、エンジンマウントがちぎれて破損しても、エンジンが脱落することはありません。また、車検の検査基準にはエンジンマウントの項目がないため、劣化したまま放置していても車検に落ちたり整備不良を指摘されたりはすることもないでしょう。

そのため、ついエンジンマウントの交換を後回しにしがちですが、車に負荷がかかることに変わりはありませんので、できる限り早急に交換することが大切です。

エンジンマウントの交換費用・工賃は?

エンジンマウントの交換費用・工賃は?

エンジンマウントを交換するときの費用としては、「部品代+交換のための工賃」がかかります。

交換は、ディーラーや整備工場に依頼するのが一般的ですが、整備経験が豊富で道具がそろっている場合はDIYも可能です。DIYであれば当然工賃はかかりません。ディーラーに依頼する場合は、整備工場よりも工賃が高い傾向にあります。

部品代は、一般的なゴム製のエンジンマウントであれば比較的安価で、1個あたり3,000~4,000円が相場です。前述のとおり、3~4箇所を固定してエンジンを支えており、基本的にはすべてのエンジンマウントを同時に交換するので、上記金額×個数分が部品代となるでしょう。

ただし、車種によっては、以下のような特殊なエンジンマウントが使われています。これらはゴム製のものよりも高性能ですが、その分部品代も高価です。

それぞれの価格帯は以下のとおりです。

エンジンマウント1個あたりの価格

一般的なゴム製のもの1個あたり3,000~4,000円程度
液体封入式1個あたり8,000円程度
電子制御式1個あたり1万円程度
磁性流体式1個あたり10万円程度

※金額は記事制作時点(2021年3月)のものです。

磁性流体式のエンジンマウントは飛びぬけて価格が高いですが、これはポルシェなど一部の高級車にしか使われておらず、一般的な国産車に使用されることはありません。

続いて、交換工賃です。工賃はどこに交換を依頼するかで異なりますが、エンジンマウントの個数や種類も関係します。

以下の表は、ゴム製のエンジンマウントを交換する場合にかかる、車種ごとの費用の一例です。

車種別エンジンマウント交換工賃の目安

軽自動車1万円程度
普通乗用車~2~3万円程度

※金額は記事制作時点(2021年3月)のものです。

上記は依頼先を問わない平均的な費用であり、ディーラーで作業を依頼した場合はもう少し工賃が高くなります。コストを下げたい場合は、整備工場へ依頼してみるのがおすすめです。

「エンジンマウント交換をやってくれる整備工場がわからない……」というときは、グーネットピットをご利用ください。全国のエリアから探せるので、すぐにお近くの整備工場を見つけられます。整備内容からも絞り込めるので、エンジンマウントの交換に対応している業者を探すことも簡単です。

https://www.goo-net.com/pit/

エンジンマウントをDIYで交換する方法

エンジンマウントをDIYで交換する方法

エンジンマウントの交換は、道具がそろっていればDIYで行なうことも可能です。ただし難易度が高いので、少しでも不安のある方はディーラーや整備工場など、プロに任せることをおすすめします。

整備経験が豊富でDIYでのエンジンマウント交換に挑戦してみたいという方は、下記の手順で作業してください。
※車種によって手順が違う場合がありますので、あくまでも参考にとどめてください。

step1:エンジンマウントの位置を知る

まずは、エンジンマウントの位置を把握しましょう。インターネットで検索したり、サービスマニュアルがある方はそれを参考にしたりするとよいでしょう。

step2:交換に必要なアイテムを準備する

続いて、交換に必要なアイテムを準備します。新品のエンジンマウントは当然として、マウントに関連するボルトやナットなども新品に交換したほうがよいでしょう。
整備には以下のような工具が必要です。

・ジャッキ
・リジットラック(通称:ウマ)
・ラチェット
・メガネレンチ
・12mmソケット
・14mmソケット
・14mmディープソケット
・ラスペネなどの潤滑剤

step3:ジャッキアップする

いよいよ作業開始です。車をジャッキアップしてリジットラック(通称:ウマ)を噛ませ、車を浮かせます。リジットラックでの固定が完了したら、ジャッキをエンジン下部のオイルパンに当ててエンジンを支えてください。

なお、オイルパンはそこまで強度のあるパーツではないので、当て木などで負荷を分散させるようにしましょう。

step4:古いエンジンマウントを外す

続いて、古いエンジンマウントを取り外します。エンジンマウントは14mmのボルトで固定されているため、これを緩めれば取り外し可能です。車種によって、ボルトは2本の場合と3本の場合があります。エンジンマウントの場所によっては、ロング型のメガネレンチが必要です。短いボルトとナットを外すときには、ディープソケットを使いましょう。

step5:新しいエンジンマウントを付ける

古いエンジンマウントを取り外したら、新しいエンジンマウントを取り付けていきましょう。取り外したときと逆の手順でボルトを締めこんでいけば、取り付けは完了です。

step6:ジャッキを降ろして完了

エンジンマウントを確実に固定したことを確認できたら、エンジンを支えていたジャッキを降ろします。そして、再び車体を持ち上げてリジットラックを取り外し、ジャッキを降ろせば作業完了です。

エンジンマウント交換時のポイント

エンジンマウント交換時のポイント

DIYでエンジンマウント交換を行なう際、注意したいポイントがいくつかあります。せっかくの作業を無駄にしないためにも、事前に確認しておきましょう。

エンジン後ろ側から交換する

一般的に、エンジンマウントは3箇所でエンジンを支えており、エンジンの左右に2箇所、エンジンの後部に1箇所という形で配置されています。

この3点のうちエンジン後部のエンジンマウントは、最も傷みやすい傾向にあります。エンジンマウントは基本的にすべて同時交換するのが望ましいのですが、コストの問題などから一度にすべてを交換できない場合は、後部を優先するのがおすすめです。

ミッションマウントも確認する

車には、エンジンを支えるエンジンマウントに対して、ミッションを支えるミッションマウントというパーツも存在します。ミッションマウントもエンジンマウントと同じくゴム製で劣化しやすく、定期的な交換やメンテナンスが必要です。

エンジンマウントを新品に交換しても思ったように振動が軽減されない場合は、ミッションマウントが劣化している可能性があります。また、ミッションとエンジンはくっついており、マウント交換の際にはどちらもジャッキアップが必要です。

そのため、エンジンマウント交換の際はミッションマウントも確認し、必要に応じて同時交換するほうが少ない工程で済ませられます。

ボルトやナットも一緒に交換する

エンジンマウントを交換するときには、エンジンマウントを支えるボルトやナット類も一緒に交換するのがおすすめです。振動を受け止める部品であるため、周辺のボルトやナットもダメージを負っている可能性があります。また、経年劣化による錆びや固着もあるでしょう。

ボルトやナット単体の値段は安価なので、安心を買うと思って新品を用意しておくのが良さそうです。

まとめ

日頃は意識することが少ないかもしれませんが、エンジンマウントはエンジンを支えると同時に、振動を遮断してくれる重要なパーツの一つです。多くはゴム製で劣化が避けられないため、10年・10万kmを目安に交換が必要となります。

愛車のエンジンマウントの交換時期を確認するには、この記事で紹介した方法を試してみてください。

エンジンマウントの劣化を放置すると快適性が損なわれるだけでなく、周りの部品に接触して破損したり、プロペラシャフトなどの駆動系に悪影響をおよぼしたりすることが考えられます。異変に気付いたら放置せず、早い段階で交換するようにしましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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