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車検[2021.05.07 UP]

フェンダーは車のどの部品?車検に通る条件とタイヤとの干渉を防ぐ方法

フェンダーは車のどの部品?車検に通る条件とタイヤとの干渉を防ぐ方法

フェンダーとは、車の前後のタイヤを覆っている部分です。バイクの泥よけをフェンダーと呼びますが、車のフェンダーも同じ意味を持ちます。

フェンダーは車検と密接な関係があり、タイヤがフェンダーから飛び出すか出さないか、もしくは何ミリまではみ出して良いのかが問題となります。この基準は2017年に変わったため、混乱している方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、フェンダーの役割から新たな車検基準、タイヤとの干渉を防ぐ方法などを解説します。車の知識を深めたい方や車検対策をしたい方は、ぜひ参考にしてください。

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車のフェンダーとは?

車のフェンダーとは?

フェンダーは英語で「泥よけ」という意味を持ち、車におけるフェンダーは前後のタイヤを覆っている外板のことを指します。なお、イギリスでは独立したフェンダーを「ウイング」と呼ぶようです。

フェンダーは車種によって、タイヤを覆うように少し膨らみを帯びているものもあります。前輪周辺を被っている部分をフロントフェンダー、後輪周辺を被っている部分をリアフェンダーと呼びます。

フェンダーの役割

フェンダーの役割は、大きく2つあります。

まずは、単語の意味そのものでもある泥よけとしての役割です。石や泥、水などを跳ね上げてしまった際にボディや後続車、歩行者を守る役割があります。

もしフェンダーがなければ、小石などの跳ね上げによってボディがどんどん傷んでしまうでしょう。また、何の対策もせず歩行者に水をかけ迷惑をかけてしまうと「泥はね運転違反」に該当し、罰則を受ける恐れがあります。

次に、障害物や歩行者がタイヤと直接接触しないようにする役割です。フェンダーがあることで、車体からタイヤがはみ出すのを防げるため、接触リスクが軽減できます。

もし、タイヤに障害物が接触すると、車が大きく破損する可能性があります。車が歩行者に接触した場合は、重症を負わせたり、命に関わる大きな事故になったりしてしまうでしょう。このように、フェンダーはタイヤに直接障害物や人が接触するリスクを抑える役割を持ちます。

なお、タイヤが車体から一定以上はみ出していると車検に通りません。したがって、幅の広いタイヤを組んでいる場合には、フェンダーの幅を調整する必要があります。

その際、後付けのパーツとして、ブリスターフェンダーやオーバーフェンダーなどを利用します。ワイドで力強いイメージを演出できるため、ドレスアップ目的としても重宝されているパーツです。

ただし、車幅が20mm以上広がった場合は、構造変更申請を行なう必要があります。20mm以上のオーバーフェンダーを装着する場合は、陸運支局で構造変更申請の手続きを行ないましょう。

フェンダーの歴史

ガソリン車が世界で初めて誕生したのは、メルセデスベンツの記念すべき1号車でもある「ベンツ・パテント・モートル・ヴァーゲン(1886年)」です。この頃は、まだフェンダーは装備されていませんでした。

フェンダーが標準装備されるようになったのは、1900年代後半以降です。当時のフェンダーは現在のようにボディの一部としてではなく、独立したパーツとして広まっていきました。その後、ボディの成型技術の向上もあり、現在のようなボディと一体型のフェンダーが普及するようになったのです。

ちなみに、現在でもごく一部の車では独立したフェンダーが採用され続けています。例えば、ケータハム・スーパーセブンはその代表格です。

車のフェンダーの車検基準が変わった?

車のフェンダーの車検基準が変わった?

冒頭でも少し触れましたが、2017年6月22日に保安基準の一部が改定され、フェンダーの車検基準が変わりました。改定前は「タイヤが一切はみ出てはいけない」という基準でしたが、改訂後は「10mmまでであればタイヤがフェンダーからはみ出ても良い」とされています。

フェンダーの基準が変更された理由は、国際的な自動車基準に調和するためです。海外では「タイヤが一切はみ出てはいけない」という基準ではないため、リブがフェンダーよりはみ出している輸入車が多く存在しています。そのため、これまでは国内基準に適合させるために、フェンダーモールなどを取り付ける必要がありました。

基準が改定されたことにより、後付けのフェンダーモールなどの余計なコストが必要なくなり、より円滑に車を輸入できるようになったのです。

はみ出しOKの判断基準

はみ出し検査では、タイヤのすべての部分ではなく特定の範囲がチェックされます。はみ出し検査は以下の状態で行ないます。

・タイヤはまっすぐな状態
・タイヤの円の中心を通る地面と垂直な垂線を下ろし、フェンダートップと交わる部分から前方に30度・後方に50度の角度の範囲で測定

なお、『独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程』によると、定員10人以上の自動車など一部を除き、上記範囲での突出量が10mm未満である場合は「外側方向に突出していないもの」とみなされます。

はみ出し時の注意点

はみ出し時の注意点として、はみだしOKとされているのはあくまでもタイヤのゴム部分のみであり、ホイールやナットなどは対象外であることが挙げられます。そのため、実際はオフロードタイヤの凹凸のラベルやリムガード程度しか、はみ出しはできません。

また、はみ出しの基準内であれば、タイヤやホイールをむやみに大きくできるわけではないので、この点にも注意が必要です。タイヤのサイズが大きく変わると、1回転する距離が変わり、スピードメーターの表示が狂ってしまうからです。それにより、車検に通らなくなることも考えられます。

もし、タイヤが基準以上にはみ出してしまう場合には、「爪折り」や「フェンダーモール」で対処しましょう。

フェンダーモールとは、純正のフェンダーにかぶせて後付けできるパーツです。タイヤのはみ出しが大きい場合には難しいですが、数ミリ程度であればフェンダーモールで十分対処できるでしょう。

一方、爪折りとはフェンダーを板金して外側に出すことです。フェンダーを膨らませることによって、タイヤをフェンダー内に収めることが可能です。

車検に通せる車の特徴

この章のおさらいも含め、車検に通せる車の特徴を整理しましょう。大きくは以下4つです。

・タイヤのはみ出しは10mm未満である
・タイヤとフェンダーの間には指2本程度の隙間がある
・オーバーフェンダーは車の幅20mm未満である。それ以上は構造変更申請
・フェンダーモールの固定は両面テープではなく、しっかりと固定する

明確な基準はありませんが、車検ではタイヤとフェンダーとの隙間もチェックされます。
一般的に「タイヤとフェンダーの間に指2本程度の隙間があるか」といった基準で判断されますので、やはり大幅にタイヤサイズを変えることはおすすめできません。

また、前述のとおり、20mm以上のオーバーフェンダーをする際には、構造変更申請が必要です。

フェンダーモールは両面テープでも固定できますが、車検場によってはビス留め(ネジでの固定)でないと、不合格となる場合もあるので注意しましょう。万全を期す場合は、最初からビス留めしておくことをおすすめします。

車のフェンダーとタイヤの干渉を防ぐ2つの方法

車のフェンダーとタイヤの干渉を防ぐ2つの方法

車高を落としたりインチアップをしたりすると、フェンダーとタイヤが干渉してしまう場合があります。これを防ぐための2つの方法があり、それぞれ「爪折り」「爪切り」と呼ばれます。

ただし、現代の車は昔の車とフェンダーの構造が異なるため、そもそも爪が「折れない」「切れない」という場合もあります。愛車の年式によって作業が可能かどうか変わるので、以下を参考にまずは愛車の爪部分を観察してみてください。

フェンダーを内側に織り込む「爪折り」

フェンダーの「爪」は、フェンダーのアーチにあるふちの部分を指し、ここを織り込むことによってタイヤとの干渉を防ぐことが可能です。

車高を大きく落としたり、太いタイヤやホイールを履かせたりする場合に、よくこの手法が使われます。また、タイヤとフェンダーを一直線上にそろえる「ツライチ」には欠かせない手法です。

そういった爪折りですが、施工にはさまざまな注意点があります。例えば、そのまま爪を折ると、ボディの塗装が割れて剥がれてしまう可能性があることです。ヒートガン(工業用ドライヤー)などで熱しながら作業すれば、塗装が割れるリスクは軽減されますが、板金塗装が必要な場合もあることを考慮しておきましょう。

また、折りたたんだ部分に水が溜まって錆びるリスクもあります。爪を折りっぱなしにするのではなく、しっかりとコーキング処理をするなどの対応が必要です。

フェンダーをダイレクトに切り込む「爪切り」

こちらは、文字どおり爪を切ってしまう加工方法です。「ツライチ」とセットで行なわれるケースが多く、爪折りよりも際どいラインまでカットできるので、さらに干渉しにくいというのがメリットです。その一方で、失敗したときのリスクは大きく、深く切りすぎるとボディ強度を著しく損ねる恐れがあります。

また、前述のとおり、現代の車は「爪が折れない(切れない)」構造になっているものも少なくありません。昔のフェンダーは2枚の鉄板のみで構成されており、爪部分は折り返してスポット溶接されていました。それが近年では、スポット溶接ではなく、2枚の鉄板が接着剤でくっつけられています。

そのため、現代の車はそもそも爪があまり出っ張っていません。「折れない」「切れない」というよりも、「折る(切る)必要がない」ともいえるでしょう。

爪折り・爪切りともに、リアフェンダーのときに慎重に行なう必要があります。フロントフェンダーは単体での交換が可能ですが、リアフェンダーはボディ一体化のものが多いからです。

失敗した場合には「修復歴あり」「極端な改造車」とされ、マイナス査定になることもあります。

爪折り爪切りの前にタイヤサイズの見直しを!

フェンダーの爪折り・爪切りはタイヤとの干渉を防ぐ効果がありますが、失敗したりボディの強度が低下したりと、デメリットも無視できません。大きなリスクを負って爪折り・爪切りをするよりも、タイヤサイズを見直すというアプローチも検討してみましょう。

前述のとおり、現代の車はそもそも爪があまり出っ張っていないため、タイヤをワンサイズ小さくすればフェンダーを加工せずに済むケースも多くあります。扁平率を変えなくても、細いタイヤを履く「引っ張りタイヤ」にすれば、フェンダーに干渉するリスクは下がります。

タイヤやホイールのサイズにこだわりがある場合は、爪折り・爪切りをしても良いですが、タイヤサイズで回避する手法も知識として備えておいて損はないでしょう。

車のフェンダーの修理・交換について

車のフェンダーの修理・交換について

フェンダーは側面を覆っているパーツであるため、接触事故を起こすと破損しやすいパーツです。また、タイヤとの干渉によってフェンダーが破損することもあります。

フェンダーはボディパネルの一部で、基本的に鉄でできているため、傷を放置しておくとサビが進行する原因になってしまいます。そのため、早急なフェンダーの修理・交換が必要ですが、どのように修理・交換すればよいのでしょうか。

自分でフェンダーを修理交換する場合

大きな傷やへこみでない場合は、自分でフェンダーを修理するのも一つの手段です。傷とへこみでは修理方法が異なるため、それぞれ解説します。

傷の修理

小さな傷であれば、タッチアップペンで埋めてしまうのが得策です。スプレータイプの塗料で傷を目立たなくすることもできますが、かえって仕上がりが悪くなってしまう場合もあるので、状況に応じて使い分けましょう。費用は、タッチアップペン1本500円程度、スプレー缶で1,000円程度です。

へこみの修理

へこみの場合はドライヤーでとにかく温めて、裏側から押し上げる方法が一般的です。へこみが大きい場合はDIYでは難易度が高いので、業者に任せるほうが安心でしょう。温めて自分でへこみを修理できるのであれば、もちろん費用はかかりません。

きれいに仕上げられるかどうかは自分の腕次第ですが、費用面では業者に頼むよりも圧倒的に安くなります。

業者にフェンダーの修理交換を依頼する場合

業者への依頼は、間違いなくきれいな仕上がりを期待できますが、費用・工賃はどのぐらいかかるのでしょうか?修理内容によっても変わってきますので、以下でそれぞれ相場を解説します。

傷の修理

修理費用は、傷のサイズによって変わります。目安として、小さな傷は3万円程度、大きな傷では4万円程度が相場です。さらに大きな傷の場合は、フェンダーを交換してしまったほうが安い場合もあるので、業者に相談してみましょう。

へこみの修理

へこみの補修は板金やパテ埋め作業があるため、傷の修理と比較すると費用が高額な傾向にあります。修理費用の目安としては、へこみ1箇所で約4万円、へこみ2箇所で約5万円がかかります。

フェンダー交換

フェンダーを交換する場合は、フェンダーそのものの部品代が2万5,000円程度かかり、取り付け工賃が4,000円程度発生します。

※上記の相場はあくまで目安なので、実際に修理を依頼する業者に見積もりを取ることをおすすめします。

どこに修理を依頼したら良いか悩んでいるという方は、グーネットピットから検索してみてはいかがでしょうか。エリアから整備工場を探せるので、お近くの整備工場をすぐに見つけられるはずです。

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フェンダーの修理交換時に注意したいこと

フェンダーを塗装する際に、作業しやすいからといってフェンダーを取り外してはいけません。元どおりに取り付けたとしても、一度外していることがわかってしまうからです。

フェンダーを取り外した経歴があると認められると、中古車として将来売却する際に不利になる可能性があります。修復歴ありとみなされる場合もあるので、注意しましょう。

また、フェンダーを交換する場合は、バックパネルをむやみに触らないように注意が必要です。バックパネルを下手に補修しようとすると、「修復歴あり」とみなされかねません。バックパネルの補修を深追いしすぎて、修復歴車にならないように注意しましょう。

まとめ

今回は車のフェンダーの役割や歴史、タイヤの干渉を防ぐ方法などを解説しました。

フェンダーはボディや後続車、歩行者を泥や飛び石などから守ってくれる重要な部品です。万が一の事故の際にも、タイヤが障害物や歩行者に直接触れないようにする役目があります。

車検では、今まで「タイヤが一切はみ出てはいけない」という基準でしたが、2017年6月22日に保安基準が一部改定されてからは「10mmまでならタイヤがフェンダーからはみ出ても良い」となりました。ただし、はみ出して良いのはフェンダーの中心から前方に30度、後方に50度の角度の範囲なので、注意しましょう。

タイヤとフェンダーが干渉してしまう場合は爪折りや爪切りが有効ですが、現代の車では難しい場合も多く、デメリットもあるので慎重に加工してください。可能であれば、タイヤサイズをワンサイズ下げて対処するのがおすすめです。

フェンダーの修理・交換はDIYでは少し難易度が高いので、不安な方は専門の業者に依頼するほうがよいでしょう。その際は、お近くの業者探しにぜひグーネットピットをお役立てください。

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、 自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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