故障・修理
更新日:2021.06.14 / 掲載日:2021.06.14

「サビだらけの燃料タンクと大格闘」CR-X公道復帰プロジェクト

 前回、燃料タンクを車体からおろし、しばらく風雨に当てておいたら汚れがかなり落ちたので(笑)、今回は動かなさそうな燃料ポンプの取り外しを行なった。案の定ポンプは不動だったが、ポンプサポートステーをみたらサビだらけ。恐る恐るタンクの中をのぞいてみたら、どこもかしこもサビだらけで、ポンプ交換をしても、また不動になる恐れが出てきた。どうすりゃいいんだ!
●文、写真/masahiro kan

ポンプ不動は交換だがタンク内部がサビだらけという顛末

 前回で燃料タンクをようやく取り外し、しばらく風雨にさらしておいたら、土に帰っていた色がいくらか落ちてタンク本来の黒になってきた。給油口などのホースがつながっているところを封印して、高圧洗浄機で洗ったら再塗装できるかな?くらいまで外観は回復した。

 タンクがあまりにも重いので揺らしてみると、まだ燃料が残っていそうなので、ドレンから抜いてみたら10L以上も入っていた!いつまでも漂う腐ったガソリン臭に悩まされてしまった。

 燃料ポンプを交換するためにサービスホールのナットを外すが、これまたブチルゴムで固められていて、まずはネジの露出作業をスクレーパーでシコシコ。

 ようやくポンプを引き出すが、よくもまあ、これだけサビたなというくらいの茶色。ステーも何もかも茶色でびっくり。一度も交換していないとなると、30年間は使われていたわけで、満タン励行をしていなかったツケだろう。ストレーナーが茶色だったので、相当長い間サビを燃焼室まで届けていたかと思うとゾッとする。

 燃料ポンプはダイレクトに通電してもピクリとも動かずご臨終。以前乗っていたインテグラDC2の燃料ポンプを強化タイプに交換し、純正のポンプが残っていたのでそれが使えるかと検証したら、全く同型でカプラーまで同じもの。新品ではないが動くので使用する。 サビたポンプから想像できるがタンク内部を可能な限りのぞいてみると、愕然。金属表面が見えないくらいサビに覆われている。もう部品は出ないだろうから、これをなんとか使える状態にまで持ち込むしかない。砂利を入れて振るというバイクのタンク並みの大きさでもない。

 最悪、見て見ぬ振りという手段(汗)もないことはない。サビは振動で浮いてくるだろうが、ガソリンは油脂なので常に満タンに近い状態をキープできれば…なんて考えたりもする。とりあえずエンジン始動まで持ち込めれば公道復帰できるので、それからまた考えればいい。

 メインリレーはきちんと作動していたので、わずかな半田クラックを全てはんだ盛り直しをして無事復活。なんとかポンプ交換だけでエンジンをかけてみたい。

腐ったガソリン臭
タンクドレンに向かって若干タンクを斜めにして燃料を抜き始めると、かなりの勢いで腐ったガソリンがドバドバ。なんと15L近く。

イヤな予感!
ガソリンを抜いたジョッキの底を見ると、赤サビが粉末状になって溜まっている。ポンプはこの状態のガソリンを吸っていたことになる。

ブシャー!
ホース類を封止した状態で高圧洗浄機でガンガン洗い流していく。もともと走行中も風雨と汚泥まみれの場所だから遠慮せずに。

タンク表面には虫食い状の斑点サビが露出し始めていて、これはワイヤーブラシと防錆塗料で表面を守ってやらないと穴があきそう。

燃料ポンプ口
燃料ポンプのふたは車室内から届く場所ではないので、がっちりコーキング剤で固められている。なかなか剥がれず難儀した。

燃料計口
燃料計が入ってるサービスホールは全面べったりとコーキング剤で固められ、コネクタカバーすら外れてくれないほどカチカチ。

サビだらけ
ポンプを引き抜いてみると、どうしたらここまでサビるの!というくらいの茶サビ。ステーはなんらかのメッキがあるはずだが。

完全不動!
動くかどうかバッテリーダイレクトでポンプに接続したが無反応でキュン!とも言わない。サビが内部まで浸透しているのかも。

DC2中古ポンプ
綺麗な方はインテグラDC2の中古ポンプ。これもずいぶん長く使われていたはずだが、サビひとつなく健康体で元気よく回る。

タンクの中はどこを見てもサビだらけ!
サービスホールからスマホを突っ込んでタンクの中を撮影。いやーひどいサビの地獄絵図だわ。どうやってこれを綺麗にするか…。

メインリレー作動チェック
メインリレーの基盤半田クラックがあったが、まず動くかどうかチェック。マニュアルとピン位置が違うが、どれも正常に作動。

基板の半田面はひとつひとつ十分に半田を溶かして、再度半田を流すようにしながら光沢が出るように半田を盛る。60Wクラスが◎。

半田盛りが終わったら再度作動チェックを行ってカバーを取り付けて完成。車体に戻してからも作動チェックをしておくといい。

あると便利な可変電源
こういった12Vチェックの時はバッテリーで大電流を流すより、15V以上あるDCアダプタからLM317で可変電源を作っておくと便利。

この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ