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ホイール・タイヤ交換[2021.06.24 UP]

スタッドレスタイヤはなぜ必要?夏タイヤとの違いは?メリット・デメリット

スタッドレスタイヤはなぜ必要?夏タイヤとの違いは?メリット・デメリット

スタッドレスタイヤという名前は知っていても、どのようなときに必要なのか、どうやって選べば良いのかなど、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。
スタッドレスタイヤは、降雪時はもちろん、雪が降りにくい都会でも路面凍結した際に安全に走行するために重宝されます。

当記事では、スタッドレスタイヤの概要から、スタッドレスタイヤの選び方や使い方、交換時期まで、詳しく解説します。
スタッドレスタイヤが初めての方も、久々に装着する方もぜひ参考にしてください。

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スタッドレス タイヤ・ホイール

スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)とは?

スタッドレスタイヤ(冬タイヤ)とは?

スタッドレスタイヤは、別名「冬タイヤ」とも呼ばれます。「スタッドレス」という言葉の意味から、スタッドレスタイヤの必要性や仕組みについて確認していきましょう。

「スタッドレスタイヤ」の由来・意味

スタッドレスタイヤの直訳は「スタッド(鋲)がレス(ない)タイヤ」です。
スタッドレスタイヤの登場前には「スパイクタイヤ」が主流でした。スパイクタイヤは、タイヤのトレッド面に金属性の鋲が打ち込まれています。

スパイクタイヤは鋲が雪道や凍結路をとらえるため、滑らず安全に走行できるタイヤとして欠かせない存在でした。
しかし、雪や凍結のない乾燥路では、鋲によってアスファルトが削られ、粉塵公害(細かく砕かれたアスファルトが粉のように舞う害)が多発したということがありました。これにより1991年4月1日に、乾燥路でのスパイクタイヤの使用に関する法律である「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が施行されます。

法律の施行を境にスパイクタイヤの生産・販売も減り、鋲を使わずゴムのやわらかさで雪道・凍結路面をとらえる「スタッドレスタイヤ」が登場しました。

積雪時に履き替える理由・必要性

沖縄県を除く各都道府県の公安委員会では、道路交通法第71条に基づき、積雪・凍結した路面に対して「滑り止め措置」を行なうようルールを定めています。
このルールに反した場合は反則金が課されますが、交通違反点数の原点はありません。
つまり、厳密には「必ず装着しないといけない」といった義務があるのではなく、「スタッドレスタイヤやチェーンを使った対策を採ってください」という意味合いが強いといえます。

ただし、「冬用タイヤ規制」「チェーン規制」が出ている場合は別です。交通規制が出ている指定区間内では、規制指示に反する車は走行できません。

・冬用タイヤ規制:スタッドレスタイヤまたはチェーンの装着が必要
・チェーン規制:スタッドレスタイヤでもチェーンの装着が必要

このように、スタッドレスタイヤやチェーン装着についてのルールはありますが、「ルールで決められているから装着しなければいけない」という認識ではなく、安全面を考慮してきちんと装着することが大切です。

氷上や雪上は、水膜ができて摩擦が減り、タイヤが滑りやすい状態となります。スタッドレスタイヤは、このような状態でも、水膜を除去してしっかりと路面をとらえることができるため、安全に走行できるのです。

また、雪が降っていない・積もっていない状態でも、路面凍結による事故リスクがあります。冬道は路面凍結に気付きにくいこともありますので、楽観視せず適切なタイミングでスタッドレスタイヤに履き替えておくことが大切です。

夏タイヤとの性能・仕組みの違い

スタッドレスタイヤと夏タイヤでは「ゴムの質」「溝(ブロック)の構造」が異なります。
以下には、それぞれの違いを表にまとめました。

スタッドレスタイヤ 夏タイヤ
ゴムの質 やわらかい(低温に強い) 硬い(低温に弱い)
溝(ブロック)の大きさ 深くて大きい 浅くて小さい
溝(ブロック)の深さ 新品時で約10mm 新品時で約8mm

スタッドレスタイヤと夏タイヤの大きな違いはゴムの質です。
積雪や凍結のない季節でもスタッドレスタイヤを使用することはできますが、スタッドレスタイヤは夏タイヤよりも走る・止まる・曲がるといった運動性能が劣ります。やわらかいゴムが路面との接地面積を増やすことにより、抵抗が大きくなるためです。またこれにより燃費が落ちてしまいます。
やはり、季節に応じたタイミングで適切なタイヤに履き替えるのが良さそうです。

スタッドレスタイヤのメリット3つ

スタッドレスタイヤのメリット3つ

スタッドレスタイヤには、おもに3つのメリットがあります。

圧倒的な凍結路面走行性能

スタッドレスタイヤのメリットは、凍結・積雪した路面でも安定走行できることです。
スタッドレスタイヤの特徴は、低温時でも硬くなりにくい柔軟性のあるゴム素材と、タイヤに刻まれた深く大きい溝が挙げられますが、これにより、凍結した路面や積雪時にも安全走行を可能にしています。

やわらかいゴムについては前章でも触れました。路面との接地面が増えることで、滑りやすい道路でもグリップ力がキープできます。また、タイヤの溝は、毛細管現象により氷上表面の水の膜を吸い上げて路面との密着度を上げて滑りにくくする効果があります(徐水効果)。

滑りやすい路面ではハンドル操作が乱れてコントロールを失うリスクがありますが、ゴム質・構造に工夫を施したスタッドレスタイヤは、グリップ力のロスを最小限に抑えられるのです。

冬道でも安定した制動力を発揮できる

スタッドレスタイヤは安定したグリップ力に限らず、高い制動力を発揮できる点も優れています。これも、スタッドレスタイヤに刻まれた深い溝が一役買っています。
やわらかい雪上を走行する場合には、深い溝によって雪が柱上に踏み固められます。この雪柱を作って抵抗を生み、蹴り出すことでグリップ力を生み出し、制動力が発揮できるのです(雪柱せん断力)。

2017年のJAFのデータによると、夏タイヤとスタッドレスタイヤでは、圧雪路でブレーキをかけてから停止するまでの距離に約1.7倍もの違いがあると判明しました。

圧雪路における制動距離

・スタッドレスタイヤ:17.3m
・夏タイヤ:29.9m

引用:
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/snow/normal

走行環境やタイヤメーカーによって差は出てきますが、冬道で車を素早く・短い距離で停止するには、スタッドレスタイヤが有効であることを示すデータといえるでしょう。

乾燥路でも静かに走行できる

スタッドレスタイヤを夏タイヤとしても使用するのは、運動性能が劣る・燃費が落ちるといった理由からあまりおすすめはできません。しかし、乾燥路でもスタッドレスタイヤで走行することは可能です。

そのため、急な積雪や凍結に備えて、早めにスタッドレスタイヤに履き替えておくのもよいでしょう。
チェーンは着脱に手間がかかりますし、雪道と乾燥路が切り替わる場所ではチェーンの騒音が気になってしまいます。しかし、スタッドレスタイヤならそういった手間がなく、静かに走行できます。
天候状況によって路面の状態は日々変化するため、手間や騒音を気にせず早めに準備しておけるのもスタッドレスタイヤの魅力の一つです。

スタッドレスタイヤのデメリット3つ

スタッドレスタイヤのデメリット3つ

スタッドレスタイヤには、おもに3つのデメリットがあります。

乗り心地が良くない(横揺れが大きい)

スタッドレスタイヤは夏タイヤよりもやわらかいゴム素材を使用しています。そのため、乗り心地もやわらかい傾向にあります。しかしその一方、フワフワとした揺れで「乗り心地が悪い」と感じる人も少なくありません。

特に、走行中の車線変更やカーブのとき、大きく横揺れを感じやすいです。
ただし、体感には個人差があるため、タイヤがやわらかくなったことで「衝撃が減って乗り心地が良くなった」と感じる方もいます。

燃費性能が落ちる

スタッドレスタイヤの燃費が落ちるおもな要因は「転がり抵抗」です。スタッドレスタイヤは「滑りを抑制する」構造上、夏タイヤよりも接地面積が広く、わずかにタイヤ本体の重量も大きいため、摩擦抵抗を受けやすい傾向にあります。
抵抗力が強いほど前に進もうとする力を必要とするため、比例するように燃費も悪化します。

100%滑らないタイヤではない

スタッドレスタイヤに履き替えれば100%滑らないというわけではありません。凍結路面(アイスバーン)では、スタッドレスタイヤを履いていても滑ります。

特に「ブラックアイスバーン」は要注意です。ブラックアイスバーンは、雨で濡れた路面が凍った状態を示しており、見た目は雨が降った道路とほぼ変わらない色をしています。
他の凍結路面と比べて識別しにくいうえに、スタッドレスタイヤを履いている安心感から、普段より注意力が劣ってしまう方も少なくありません。

凍結路面では、車間距離を確保した慎重な徐行運転が基本です。スタッドレスタイヤを履いていても「急ブレーキ・急発進・急ハンドル」を必要とする運転は避けましょう。

スタッドレスタイヤの選び方は?

スタッドレスタイヤの選び方は?

ここからは、スタッドレスタイヤの性能を引き出す、最適な選び方を解説します。
3つのポイントを意識すると、愛車に適したスタッドレスタイヤを選びやすくなりますので、ぜひ参考にしてください。

1.車種・メーカー推奨サイズを選ぶ

スタッドレスタイヤは、基本的に車種・メーカーが推奨するサイズを選びましょう。推奨サイズの選択をおすすめする理由は、おもに2つです。

・車によって走り方の特徴が異なるケースがあるため
・サイズの異なるタイヤを吟味しても、取り付けられなければ意味がないため

2.走行環境に合わせた性能を選ぶ

開発技術が発展するなかで、スタッドレスタイヤにもさまざまな種類のものが出ており、それぞれ性能も変わってきます。

アイスバーンが多い地域なら氷上性能を、積雪が多い地域なら雪上性能を重視するといったように、どのような環境でスタッドレスタイヤを履くのか、走行時に求める性能をイメージしながら選ぶのがおすすめです。

以下に、スタッドレスタイヤの性能にどのようなものがあるのか、一例を表にまとめました。

性能 内容
氷上性能 凍結路面が多い場所でも高いグリップ力が期待できる
雪上性能 積雪量が多く深い場所でも駆動力が期待できる
ドライ性能 乾いた路面走行時の耐久性が期待できる
ウェット性能 雨で濡れた路面走行時のグリップ力が期待できる
静粛性能 車内ノイズの軽減が期待できる
高速安定性能 積雪・凍結状態が異なる長距離・高速走行への対応力が期待できる
ロングライフ性能 平均よりも長い寿命が期待できる
省エネ性能 低燃費効果が期待できる

3.コスパ・経済性の高さで選ぶ

スタッドレスタイヤは寿命が3~4年と短く、値段も比較的高い傾向にあります。しかし、スタッドレスタイヤに限ったことではありませんが、値段だけで決めるのは危険です。
「安さか性能か」と、どちらかを重視するのではなく、双方のバランスが取れたコストパフォーマンスの良いスタッドレスタイヤを選ぶのがよいでしょう。

同じスタッドレスタイヤでも新素材を配合した、独自性能を備える商品が続々と登場していますので、何がどのように違うのか十分に比較してから決めるのがおすすめです。


以上がスタッドレスタイヤの選び方になりますが、「それでもやはり迷う」という方も多いでしょう。そんなときはグーネットピットでお近くの整備工場を探し、相談してみてください。迷ったらプロに相談するのがおすすめです。

https://www.goo-net.com/pit/

スタッドレスタイヤの正しい使い方について

スタッドレスタイヤの正しい使い方について

スタッドレスタイヤは、ただ「冬になれば履き替えれば良い」というものではありません。同じスタッドレスでも正しく使えてなければ、本来の性能をうまく引き出せないまま、寿命を迎えてしまうリスクも出てきます。

履き替え時期は気温で見定める

スタッドレスタイヤの装着は、積雪状況ではなく「気温」で判断しましょう。雪が降っていなくても路面に水滴が残っていれば、「マイナス3度以下」で凍結するリスクがあります。

積雪予報後は、履き替えサービスの提供店が混雑する傾向にあるため、余裕のある準備を心がけましょう。

駆動輪だけはNG!全輪装着が大切

スタッドレスタイヤは、駆動輪かどうかに関わらず「同一銘柄・全輪装着」が基本です。駆動輪だけの装着で済む冬対策は、「チェーンのみ」なので注意しましょう。

夏タイヤとスタッドレスタイヤの性能・仕組みは別物なので、駆動輪だけに装着してしまうと、運転操作に支障をきたすリスクが高まります。また、スタッドレスタイヤの銘柄をそろえておくのも大切なポイントです。

なお、全輪にスタッドレスタイヤを装着していても、前述したチェーン装着規制により、チェーンの装着が不可欠なケースもあります。

慣らし走行・適正な空気圧で性能を引き出す

新品スタッドレスタイヤは、乾燥路で100kmほどの慣らし走行をしておくのがおすすめです。慣らし走行をすることでグリップ力に差が出てくるほか、運転者側もスタッドレスタイヤ装着時の走行に慣れる時間を確保できます。初めての装着時ほど積極的に行なってください。

また、適正な空気圧を維持することも忘れてはいけません。空気圧が不適切な状態では、燃費はもちろんスタッドレスタイヤ本来の性能も落ちやすくなります。装着後も適度なメンテナンスを行なうように心がけましょう。

スタッドレスタイヤの寿命は?交換時期はいつ?

スタッドレスタイヤの寿命は?交換時期はいつ?

スタッドレスタイヤの寿命や交換時期は、状況に応じておもに下記3つの方法で見極めます。

1.製造年月日
2.摩耗率
3.目視・触感

タイヤはゴム製のため、未使用時でも劣化が進みます。前述では、スタッドレスタイヤの寿命は3~4年とお伝えしましたが、これは製造年月日から4年以内ということです。

また、使用頻度によっても寿命、交換時期は変わります。
交換目安は、スタッドレスタイヤの摩耗(擦り減り)具合を確認して、摩耗50%(プラットフォームの露出)か否かで判断しましょう。プラットフォームは全部で4ヵ所存在しますが、1つでも露出していればスタッドレスタイヤとして使用できません。

他にも、製造年月日や摩耗が寿命前の状態であっても、劣化症状(硬化・ひび割れ)を目視・触感で確認できる場合は、スタッドレスタイヤがすでに寿命を迎えている恐れがあります。
走行前はもちろん、日頃の定期的な点検を欠かさずに行なうことが大切です。

まとめ

スタッドレスタイヤは、一昔前まで主流だったスパイクタイヤを引き継いだ「鋲のない冬用タイヤ」のことをいいます。
タイヤゴムの質や溝の深さ・数を工夫して、積雪・凍結路面上のスリップ・転倒事故を防いでくれる頼れる存在です。

スタッドレスタイヤの選び方・使い方次第で、本来の性能を引き出せなくなるリスクがありますので、寿命や交換時期も意識しながら十分に確認しておきましょう。

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、 自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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