パーツ取付・交換
更新日:2022.05.28 / 掲載日:2022.05.27

ワイパーゴムは自分でも交換できる?交換時期や交換方法、費用について解説

雨や雪の日は視界が悪くなるので、ワイパーなしでの運転はとても危険です。

ワイパーにはゴムが取り付けられていて、それが雨や雪を拭き取りますが、ゴムは経年や使用頻度によって劣化していきます。車を安全に運転するためにも、適切な時期にゴムを交換しなければなりません。

今回はワイパーゴムに関する基礎知識を踏まえつつ、交換時期の目安や交換方法といったノウハウ、交換費用などを解説します。

ワイパーゴムは自分でも交換できる?

ワイパーゴムの交換作業は工具を使う必要がなく、特別な知識・技術も求められないため、個人でも簡単に交換できます。自分で交換作業を行なう場合は工賃もかからず、費用の節約につながるのがメリットです。

ただし、交換作業で失敗しないよう、あらかじめ基礎知識や交換方法を押さえておく必要があります。「愛車はできるだけ自分で整備したい」という方は、この記事を参考にしながらチャレンジしてみましょう。

ワイパーゴムの交換前に知っておきたい基礎知識

ワイパーゴムを交換するにあたって、事前に知っておくべき基礎知識をまとめました。

ワイパーゴムの種類

ワイパーゴムといっても数多くの種類がありますが、大きく3つのタイプに分類されます。種類ごとの性能やメリットを押さえておくと、適切なワイパーゴムを選べるようになるでしょう。

ノーマルタイプ

ノーマルタイプはその名のとおり、標準装備として使われているスタンダードなワイパーゴムです。後述する「グラファイト」や「撥水」の表記がない商品は、すべてノーマルタイプに該当します。

性能もスタンダードのため、目を引くような特徴はありません。その代わり価格が安く、費用面での負担が少ない点がメリットです。

「とにかく費用を抑えたい」「必要最低限の機能があれば問題ない」という方は、ノーマルタイプがおすすめです。

グラファイトタイプ

グラファイトタイプは、炭素の結晶がいくつも積み重なって構成される素材「グラファイト(石墨)」を加工したワイパーゴムです。ノーマルタイプよりも高価ですが、性能面で勝っています。

グラファイト加工により、ワイパーゴムとガラスの摩擦抵抗が軽減され、ワイパーの動きが滑らかになります。撥水剤をガラスに塗布してもスムーズに動作し、撥水剤自体の寿命も延びることから、相性は抜群といえるでしょう。

また、ワイパー動作中のビビリ音も発生しにくくなるため、快適なドライブを実現できます。「ガラスに撥水コーティングを施している」「ワイパーの音が気になる」という場合は、グラファイトタイプがおすすめです。

撥水タイプ

撥水タイプもその名のとおり、撥水効果を持つワイパーゴムです。

ワイパーゴムの表面にシリコンコーティングが施されており、ワイパーの動作によって自動的にガラスへ撥水コーティングをしてくれます。撥水タイプを使うと、ガラスに撥水剤を塗布しなくても水分をしっかり弾くため、車のメンテナンスも楽になるでしょう。

ただし、ワイパーゴムとしては高価で、費用面での負担が大きくなることがデメリットです。加えて、グラファイトタイプ+撥水剤ほど撥水効果は高くない点にも注意が必要です。「撥水効果は欲しいけど、メンテナンスに時間をかけたくない」という方には、撥水タイプをおすすめします。

ワイパーゴムが劣化する原因

なぜワイパーゴムは劣化してしまうのか、その原因もしっかりと把握しておきましょう。

経年劣化

ゴム素材を使っている以上、メンテナンスの頻度や保管場所を問わず、経年劣化は避けられません。日光や紫外線、湿気などの影響を長年受けていると、機能性や耐久性はダウンしてしまいます。

摩耗

ワイパーを動かすと、ワイパーゴムとガラスの間で摩擦が発生し、ゴムが少しずつ擦り減っていきます。ワイパーの使用機会が多いほど、摩耗スピードも早くなるため、頻繁に運転する場合は注意が必要です。

外部環境

車のワイパーゴムは季節の影響を受けやすく、外部からのダメージで劣化することがあります。外部環境によるダメージ要因は、以下のようなことが考えられます。

  • ・春の花粉や黄砂による研磨効果
  • ・夏の暑さによる熱変形
  • ・冬のワイパーゴムの凍り付きや雪による重量負担

1年を通して外部環境からダメージを受ける可能性があるため、保管場所や保管方法に気を配ることが大切です。

ワイパーゴムの交換時期の目安

消耗品である車のワイパーゴムは、1年に1回の目安で交換するのが望ましいといわれています。そもそもゴムの寿命自体がおおよそ1年で、快適な視界を保ちながら安全に運転するには、年1回ペースでの交換が必要です。

ただし、「日よけや雨よけのない場所に車を保管している」「雨や雪の中でも走行する機会が多い」などの場合は、通常よりゴムの劣化が早い傾向があります。そのため、年1回という目安にとらわれずに、早めの交換を検討すべきでしょう。

また、ワイパーゴムを交換する際は、ワイパーブレードも併せて確認するのがポイントです。ワイパーブレードとは、ガラスに付いた雨やほこりを拭き取るパーツで、劣化すると運転中に視界を確保できなくなる危険性があります。ワイパーゴムほど劣化スピードは早くありませんが、それでも1~2年に1回くらいは交換する必要があるため、一緒に点検しておきましょう。

ワイパーゴムを交換しなければならない症状とは?

1年につき1回を目安にワイパーゴムの交換が必要だと述べましたが、もし下記のような症状が出てきてしまった場合、ゴムの寿命に関係なく早めの交換をおすすめします。

スジ状の線が入ってしまう

ワイパーを作動させたあと、ガラスにスジ状の線が入ってしまうことがあります。ワイパーゴムの変形や欠損、硬化などが原因と考えられるため、交換が必要です。

水分がにじんで残ってしまう

ワイパーで水を拭き取っても、水分がにじんでガラス上に残ってしまうことがあります。ゴム部分が劣化し、ガラスにしっかり密着できなくなっているのが大きな原因です。ワイパーゴム・ワイパーブレードを確認し、ガラスとの密着度が弱くなっていたら交換しましょう。

ワイパー作動中に異音がする

ワイパーを動かしたときに「キーキー」「ゴシゴシ」などの異音がする場合、ワイパーゴムの機能低下が考えられます。あるいはワイパーゴムではなく、ワイパーブレードの変形などが原因で起こっているかもしれません。

拭き方にムラが出てしまう

しっかりと拭き取れている部分とそうでない部分が分かれている場合、原因としてワイパーゴムの破損や硬化が考えられます。

ワイパーゴム自体の状態が悪い

ワイパーゴムを点検したとき、ひび割れ・裂け・変形などが目視で確認できる場合、すぐに交換しましょう。ワイパーゴム自体の製造年が古い場合は、経年劣化も考えられます。

ワイパーゴムの交換方法(セルフ)と注意点

ワイパーゴムを自分で交換する方法を簡潔にまとめました。ワイパーブレードを一緒に交換する場合の手順もあわせて解説します。

ワイパーゴムだけ交換する場合

ワイパーゴムだけの交換なら、基本的にどの種類でも同じ手順でできます。

  • ・ワイパーアームの先端とガラスの間に厚手の布などを敷く
    ・ワイパーを立てる
    ・ワイパーブレードを片手で支えながらワイパーゴムを引き抜く
    ・ワイパーブレードの溝に合わせて新しいワイパーゴムを差し込む
    ・ワイパーゴムを軽く手で揺すって偏りを直す

ワイパーブレードも一緒に交換する場合

ワイパーブレードも一緒に交換する場合、まずはワイパーブレードの種類を確認することが大切です。ここでは、多く普及しているトーナメントワイパー、Uクリップタイプを例に手順を紹介します。

  • 1.ワイパーブレードの向きを確認する
    2.ワイパーアームの先端とガラスの間に厚手の布を敷く
    3.ワイパーを立てる
    4.ワイパーアームとワイパーブレードの取付部裏側にある突起(ストッパー)を確認する
    5.ストッパーを押しながらワイパーブレードを手前にスライドして取り外す
    6.ワイパーアームを厚手の布の上に寝かせる
    7.新しいワイパーブレードを用意したらワイパーアームを再度立てる
    8.新しいワイパーブレードを奥にスライドさせてカチッと音がするまで差し込む
    9.ウォッシャー液を出してワイパーの動作確認を行なう

ワイパーゴム交換時の注意点

ワイパーゴムを交換する際に、注意すべきポイントをまとめました。

車種に合ったワイパーゴムを選ぶ

ワイパーゴムを自分で交換する場合、車種との適合性を確認することが大切です。装着されているワイパーブレードによっては、長さや形状が合わない可能性があるからです。あらかじめ適合表や車検証を見て、適切な商品を選ぶとよいでしょう。

ガラスを傷つけないよう慎重に作業する

ワイパーゴムを交換するときは、ワイパーアームの先端とガラスの間に厚手の布(タオルなど)をクッション代わりに敷きましょう。ワイパーアームにはバネの力が作用しており、ガラスに接触すると割れてしまう可能性もあるため要注意です。

正しく装着されているか確認する

ワイパーゴム(ワイパーブレード)の交換自体はそれほど難しい作業ではありませんが、差し込みが甘いと正常に機能しません。事故につながる可能性もあるため、装着後に再度しっかりと確認してください。

ワイパーゴムの交換費用

ワイパーゴムの交換費用は「誰が交換するか」によって変動します。

自分で交換する場合

自分で交換作業を行なう場合、必要な費用はワイパーゴムの代金のみです。商品価格は種類やメーカーによって変わりますが、安いものなら700円程度、上質なものでも1,000~2,000円程度で購入できます。

業者に依頼する場合

業者に交換作業を依頼する場合、ワイパーゴムの代金に加えて工賃がかかります。工賃はディーラー・カー用品店・ガソリンスタンドなどの業者によって異なるため、事前の見積もりで確認しましょう。ディーラーの場合はやや高く、純正品のワイパーゴムを使うため合計3,500~5,000円程度は必要です。

一方、カー用品店やガソリンスタンドは比較的安く、合計1,500~3,000円程度で済みます。カー用品店なら、店内で好きなワイパーゴムを選べるため、こだわりがある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

定期的にワイパーの点検をしよう

ワイパーの機能は自分で点検することでもチェックできます。雨や雪の日にワイパーが適切に使えないと危険なので、ワイパーの不調を早めに見つけるという意味でも、定期的な点検は欠かせません。

晴れの日でも、ウォッシャー液を出してワイパーを使用すれば、ワイパーの作動状況を点検できます。ワイパーの動きがスムーズかどうか、異音がしないかどうかなど確かめましょう。

まとめ

ワイパーゴムはワイパーの機能性を左右し、安全走行のために欠かせない重要パーツです。劣化したワイパーゴムをそのまま使っていると、視界が悪くなり事故につながる可能性もあります。未然に事故を防ぐために、最低でも年1回は交換したいところです。

ワイパーゴムは自分でも交換できますが、交換方法や商品の選び方に迷ったら、業者に相談してみてはいかがでしょうか。

グーネットピットにおけるワイパーゴム交換の作業実績一覧はこちら

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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