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故障・修理
更新日:2015.03.20 / 掲載日:2015.03.20

一人で出来る、車のブレーキのエア抜き方法

一人で出来る、車のブレーキのエア抜き方法goo-net編集チーム

自家用車を安全に使用することは、
持ち主として当然の義務です。

特に、ブレーキについてのことは、自分や家族・知人の命だけではなく、
他人の命にも関わる重要な部分ですから、
“なんだかブレーキの調子が悪いな…”で済ませることはできませんよね?

ブレーキペダルを踏み込んでもブレーキの効きが悪いとき、
ブレーキ部分にエアー(気泡)が発生している場合があります。

その際は「エア抜き」をする必要があるのですが、
このエア抜きは、方法さえ知っていれば一人でもおこなうことができるのです。

ブレーキフルードとは?

ブレーキフルードとは、
わかりやすく言うとブレーキオイルのことです。

自動車などのブレーキは液圧式(油圧式)ですが、どういうことかというと、
液体を使用して「パスカルの原理」により、
小さい力で大きな力を得るブレーキシステムです。

その力を倍増させるのが油圧です。
そのためブレーキシステムを油圧式ブレーキと言ったりするのです。
油圧には鉱物油が使われることが多いので、
ブレーキオイルと呼ばれるのです。

新品のブレーキフルードは無色透明です。
その特徴は、粘性が低いこと・圧力による体積の変化が小さいこと、
-50℃でも固まらず200℃でも沸騰しないことです。

しかし、ブレーキフルードは経年劣化や吸湿により変化していきます。

劣化すると黄色く変色していき、粘性が高くなり、
吸湿することで沸点が下がってしまい性能が落ちてしまいます。

性能が落ちたブレーキフルードは沸騰しやすく、
そうなると気泡が発生してしまいます。

ブレーキにエアが混入するとどうなる?

ブレーキの油圧系統内に空気(エアー)が混入すると、
ブレーキペダルによって力が加わっても、
その力が空気を圧縮するのに使われてしまうため、
うまく力が使われなくなってしまいます。

つまり、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効きにくい状況になり、
ポンピングしなければならなかったり、
ブレーキに遊びがある状態になります。

この、ブレーキフルードに気泡が発生して、「エア噛み」が発生すると、
ブレーキペダルを踏んでも少ししか力が伝わらずに、
危険な状態となることを『ヴェイパーロック現象』といいます。

エンジンオイルほどではないにしても、
安全のためにブレーキフルードも定期的に交換した方が良いものです。

通常は車検ごとの交換(2年に1度)ですが、
使用状況によって異なります。
よく使用する自動車の場合は、
理想は1年に1度交換した方が良いと言われています。

「ブレーキのエア抜き」=「ブレーキフルードの交換」。
両者は言い方は異なりますが、
同じ作業であることをおぼえておきましょう。

1人でおこなうブレーキのエア抜き方法(ブレーキフルードの交換方法)

ブレーキフルードを交換する順番は、
マスターシリンダーにいちばん遠いタイヤから始めます。

マスターシリンダーは、
ボンネットを開けると運転席部分についていますが、
つまり、ブレーキペダルの近くにあります。

前輪駆動(FF)で右に運転席があれば、
ボンネットを開けると右側の運転席奥側にあるということです。

X配管なら、
「左後」→「右前」→「右後」→「左前」という順番で作業をおこないます。

前後配管なら、
「左後」→「右後」→「左前」→「右前」という順番です。

ただ、正しい順番はないので違っても問題はありません。

準備するもの

・ジャッキとウマ

・メガネレンチとスパナ(8mm~10mm)

・タイヤホイルを外す工具

・新品のブレーキフルード

・無色透明なビニールホース(直径5mm程度で長さ1m程度)とハサミ

・逆流防止弁(ワンウェイバルブ)と留め具

・古いブレーキフルードを溜める容器(ペットボトルなど)

・手袋(耐油性があるもの)

・ブレーキを固定できるもの(助手がいない場合)

・水を入れたバケツとスポンジ(ボディに付いた時のため)

車種によって違うので事前に確認しておきましょう。
ほとんどのものはホームセンターで揃います。

交換の手順

1.フルードが逆流しないように、ビニールホースに逆流防止弁をつけて、
針金などで抜けないようにしっかり締めておきましょう。

2.車のエンジンはかけずに作業をおこないます。

3.タイヤを外してブレーキキャリパのゴムキャップを外し、
レンチと作ったビニールホースを取り付けて、
作業中に抜けないように針金などで締めつけます。

4.ビニールホースに廃油を溜める容器をセットします。

5.レンチをゆるめブレーキを何度か踏み込むと、
古いブレーキフルードが抜けていきます。

6.ボンネット内のブレーキフルードの、
リザーブタンクの液面が下がってくるので、
新しいブレーキフルードをしずかに補充します。

7.ホースの色が透明になったら、
ブレーキを踏み込んだ状態でレンチを締めてホースを外します。

8.レンチを締めたら再度ブレーキを踏んで、
異常がないのを確認し、その車輪の作業は終了です。

9.この手順で4輪すべてをおこないます。

10.4輪すべて作業が終わったら、
エンジンをきった状態でブレーキを強く踏み込んで、
異常がないか確認します。

11.その後、車のエンジンをかけて、
ゆっくり発進させてブレーキテストをおこない、
ブレーキが問題なく効くことを確認しましょう。

ブレーキフルードの交換で注意するべきこと

1.湿度の少ない日を選ぶ

ブレーキフルードには吸湿性があります。
なので、湿度が高いと外気を吸湿しやすいため、
多少は劣化してしまいます。

ブレーキフルードを交換するときは、なるべく天気が良くて、
湿度の低い日を選んでおこなうようにしましょう。

2.ABSがついた車両は、前もって手順を確認する

ABS機能が装備された車両のエア抜きをする場合、
通常よりも特殊な設備や作業が必要な場合があります。

その場合、事前にディーラーに行って、
整備書を見て作業手順を確認しておくようにしましょう。

3.ブレーキフルードは塗装に触れないようにする

ブレーキフルードが塗装に付いてしまうと、
塗装の奥深くまで浸透して塗装をダメにしてしまいます。

そうなると修復は不可能となってしまうため、
交換の際は塗装に付かないように気をつけて作業しましょう。

もしも塗装に付いてしまっても慌てることがないよう、
素早く洗い流せるように、あらかじめ近くに水を溜めて準備しておきましょう。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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