車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
ブレーキホースにヒビがあったりタイラップで固定していると車検には通らないのか
普段は見る機会もないため、ほとんど気にすることもないブレーキホースですが、車検となれば話は別です。ブレーキホースは制動装置の一部であり、検査でのチェック項目に含まれる重要な保安部品です。10万km以上走行している車では、ブレーキホースが経年劣化により傷んで亀裂が入っていることがあります。また、ブレーキホースの交換や車高調を取付ける際に、ブレーキホースを固定する方法として、タイラップ(結束バンド)を使った固定を見かけることがありますが、このような固定方法によって車検に影響が出てくるのでしょうか。ここでは、ヒビの入ったブレーキホースや、タイラップでの固定されたブレーキホースが車検に通るかを見ていきます。
ブレーキホースの中には黄色いブレーキフルード(オイル)が入っており、ブレーキをかけると内部のブレーキフルードに圧力がかかることでブレーキが効きく仕組みです。この圧力は同時にブレーキホースにもかかるため、ある程度使っていると傷んできてヒビが入ることがあるのです。ブレーキホースに多少のヒビ割れが確認される程度であれば、車検には通る可能性が高いと言えるでしょう。ただし、ブレーキホースからオイル漏れが確認された場合は、車検には通らない可能性が非常に高いと言えます。
ただし、万が一、ブレーキホースが破損してしまうと、ブレーキが利かなくなり、大きな事故にもつながりかねません。車検だけを考えるのであれば、ヒビ割れが出ている程度では問題ないと言えますが、ブレーキホースは重要保安部品の一つであるため、ヒビ割れなどの劣化がみられた場合には早めに交換することが賢明です。ブレーキホースの交換時期の目安は、走行距離で10万kmが目安になっていますので、これに該当する車の場合は、ブレーキホースのヒビ割れを疑ってみましょう。
ブレーキホースをタイラップで固定している場合車検に通らない?
結論から言うと、ブレーキホースをタイラップ(結束バンド)で固定している場合では、車検に通らない可能性があります。タイラップでの固定が、独立行政法人自動車技術総合機構審査事務規程における「不適切な補修」とみなされ、車検に通らないケースです。タイラップの固定が「不適切な補修」に抵触するかどうかの判断については、規程の解釈によるところもあり、検査官によって判断が異なる可能性もあり一概には言えません。そのため、車検を確実に通すためにも、元々ブレーキホースが金属製のクリップでステーに固定されている車種の場合では、ブレーキホースを交換した後も、タイラップではなく金属クリップで固定するようにしましょう。ブレーキホースの交換の際に、元のクリップが新しいブレーキホースに合わない場合や、車高調を取付ける場合なども、社外品で合うクリップを取付けてブレーキホースをしっかり固定する必要があります。ブレーキホースにヒビが入っている場合でも、車検には通る可能性が高いですが、車の安全を考えてブレーキホースに劣化がみられた場合は交換することをおすすめします。またブレーキホースをタイラップで固定している場合は、車検に通らない可能性を考えると金属製のクリップを購入してブレーキホースを固定する方が堅実でしょう。自動車においてブレーキシステム(制動装置)は、命にかかわる重要な保安部分です。大切なことは車検に通るかどうかでなく、自分や同乗者、そして周りの人たち安全確保です。車検は点検の絶好の機会なので、しっかりと安全性を含めた車のコンディションを確認することをおすすめします。