エンジンマウントが故障していると車検に通らないのか？交換が必要か？

私たちの日常生活に欠かすことのできない車ですが、車検や定期的なメンテナンスを行うことで、いつまでも快適に安全に乗り続けることができるようになります。ただし、中には走行距離や経年により消耗していく部品もあります。消耗した部品をそのまま使い続けると、快適性を損なったり、場合によっては故障など安全走行に支障が出るリスクもあります。ここではエンジンマウントと呼ばれる部品について説明をしていきます。

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エンジンマウントとは？故障する原因にはどんなものがある？

多くの人には、あまり聞き慣れないエンジンマウントという部品ですが、エンジンと車体を繋ぐための大切な役割を持っています。エンジンマウントは金属製のハウジングというパーツにゴムブッシュを挟み、エンジンと車体を結合するための部品です。エンジンの振動を吸収する機構がないと、そのまま乗員へ不快な振動が伝わりますが、ゴム製のエンジンマウントがエンジンの振動を吸収する仕組みです。エンジンの揺れや振動を低減しつつ、トラクションを的確に動力へ伝え、ドライバビリティの向上にも寄与します。
しかし、車の中でも一番重い構成品であるエンジンを支えるため、エンジンの振動や熱により経年劣化し、性能は徐々に低下します。また、急加速や急減速を繰り返すスポーツ走行や、MT車の場合クラッチ操作をラフに行うことで、エンジンマウントが早く劣化してしまう可能性があります。

エンジンマウントは長年車を運転していると経年劣化してきますが、車検ではエンジンマウントに関して保安基準は定められていません。そのため、エンジンマウントが劣化していても車検を通すことができます。しかし、エンジンマウントが劣化した状態で運転を続けていると、最終的にはエンジンマウントのゴムが切れてしまう可能性があります。ゴムが切れても金属製のボルトが外れない限り支えているエンジンは脱落しませんが、振動を吸収する機能が失われてしまうため、振動や異音が大きくなります。適切にエンジンの振動が吸収できなくなると加速や減速時にエンジンが揺れ、車の挙動がぎくしゃくと不安定になる場合があります。

走行距離や経年により徐々に劣化が進むエンジンマウントですが、どのタイミングで交換するのがよいのでしょうか？エンジンマウントの交換時期は一般的に、10万キロ走行時や新車登録から10年経過したタイミングで行うようメーカーが推奨しています。しかし、大きな振動を感じるようになったり異音がする場合は、一度点検を行い、必要によってはエンジンマウントを交換しましょう。エンジンマウントの相場は一般的なゴムタイプでおおよそ3,000～5,000円/個、オイルが封入されより振動の吸収性が高い液体封入タイプで8,000～10,000円/個が目安となります。また交換に必要な工賃は1個あたり3,000～5,000円が相場の目安となっています。エンジンは車を動かすための重要な基幹部品です。エンジンマウントは重量のあるエンジンを支え、振動を吸収する重要な役割を担う部品であり、車を快適で安全に走行させるためにも、定期的な交換が推奨されます。振動や異音など異常に気が付いたら、ディーラーや整備工場などで点検してもらいましょう。長距離を走行している車両や登録から年数が経過している車両では、エンジンマウントを交換することで効果が体感しやすい部品と言えるでしょう。