車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
錆で車体が腐食していたりフレームに腐食がある場合でも車検に通るのか
車の骨格のほとんどの部分はスチールでできており、経年とともに錆が出てくる場合があります。特に雪国や路面が凍結しやすい地域では、道路に散布される融雪剤の影響で、車体が錆びやすく、錆が進行すると腐食につながります。では、車体やフレームが錆で腐食していると車検には通らないのでしょうか。
車体が多少錆びている程度では、車検に通らないということはありません。ただし、車検時には車両固有の車台番号と原動機型式の刻印を確認するため、その刻印が錆や腐食等で識別が困難になった場合、職権打刻と言って、車検場で打刻や新たな車体番号が刻印された金属プレートを貼り付けてもらう手続きが必要になります。また、職権打刻はナンバープレートの管轄局でしかできないため、一時的に遠くに住んでいる場合などは、車両をもとの管轄の運輸支局等へ持ち込む必要があるため注意が必要です。
車体がどこまで腐食していると車検には通らなくなるのか?
軽トラックやオフロード車などの一部ラダーフレーム構造の車の場合、腐食でフレームに穴が空くと、車検に通らなくなります。車体を支えるフレームの強度を保っていないとみなされるからです。一方、一般的なモノコックフレーム構造の場合、表面が錆びている程度は問題ありませんが、腐食で完全に穴が開いている場合は車検に通りません。車検場では、車両の下側から検査員がハンマーで車体を叩いて腐食をチェックします。検査員はプロですので、車種ごとに腐食しやすい箇所を把握しており、パテや塗装で穴を埋めるという表面上だけの補修では車検をパスできないと考えてよいでしょう。
車体の腐食を防ぐためには?
雪国に住んでいる場合や、降雪や路面凍結した道路を走行したり、マリンスポーツなどで海沿いを頻繁に走行したりする場合は、腐食には特に注意が必要です。一旦車体の錆が発生すると、進行を完全に食い止めるのはなかなか困難です。車体の腐食を防ぐために一番重要なのは、錆の発生を防止することです。最も有効な対策は、車両の購入時に防錆施工をしてもらったり、防腐剤を塗布するなどして対策をすることです。防錆施工を依頼する場合は、おおよそ数万円程度の費用が発生しますが、腐食を防ぐ効果が期待できます。また、前述のように融雪剤が散布された道路や海沿いを走行した場合などは、車体の下回りを念入りに洗い流すことで錆の発生をある程度予防することができるでしょう。もし、既にフレームや車体に進行した腐食がある場合、そのままでは車検に通らない可能性があります。最も重要なのは、錆の発生をできる限り防ぐことですが、既に錆による進行した腐食や穴がある場合は、腐食部分を切り取り、鉄板を溶接するなど修理ができないかどうか、修理工場などのプロに相談することをおすすめします。車体やフレームは、車の骨格となる部分ですので、早めに対策しましょう。