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車検・点検・メンテナンス
更新日:2022.11.01 / 掲載日:2018.08.29

車検を有効期間内に受けないとどうなる?車検費用の相場も併せて解説

車検を有効期間内に受けないとどうなる?車検費用の相場も併せて解説

車検とは正式には「自動車検査登録制度」と言い、自動車を使用する上で保安基準に適合しているか確認するために一定期間ごとに検査を行い、自動車の所有者を公証・登録する制度です。まず車検という制度や車検費用について、またどんな車検の受け方をすれば良いのか、そして車検を受けない選択肢についても見ていきましょう。

車検とは

車検とは

皆さんが使用している自動車には、必ず附帯する「自動車車検証」があります。言わば、この「自動車車検証」にも有効期限があると考えればわかりやすいかと思います。そのために一定期間で更新する必要があるという事です。

『自動車は、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない(道路運送車両法第58条)』と定められており、新規検査・継続検査・構造等変更検査のいずれかを受けて、自動車検査証の交付を受ける必要があります。

新規検査は新車が公道を走行して良いかの検査、継続検査は車検満了を迎えた自動車が車検有効期間の延長を求める検査、構造等変更検査は主幹部分に改造を施した車両が公道を走行する許可の可否を問う検査となっています。私達が普段使う「車検」という言葉の多くは、この中の「継続検査」を指します。

車検の重要性。車検を受けないとどうなる?

車検は、必ず受けなければいけません。車検時期を間違って認識していたり、受けるのを忘れていたり、忙しくて時間がないという方がいるかもしれませんが、車検切れの状態で公道を走行した場合には行政処分、刑事処分の罰則があります。車検の重要性を再認識しましょう。

まず、行政処分は免許の効力の停止や取り消しという処分です。車検が切れているという事は自賠責保険も切れているという事ですので、無車検車運転・無保険車運転の双方の違反が適用されます。無車検運行等で6点、そして無保険運行で6点が課せられます。合計12点となりますが、この場合は6点が加点されます。同時に二つ以上の種別の違反行為の場合は、罰則規定によりこれらの違反行為の点数のうち最も高い点数(同じ点数のときは、その点数)が適用されるからです。但し、事故や飲酒運転などと併せて違反を検挙された場合は、別途規定されています。

参考:http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/tensu.html

そして刑事処分は罰金や禁錮・懲役などの刑罰です。無保険運行等で6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金(道路運送車両法108条)、無保険運行で1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(自動車損害賠償保障法86条の3)となります。車検が切れた車の走行はとても厳しい処分を受ける事になるのです。

車検を受ける期間(有効期間)に違いはあるのか

乗用自動車の車検有効期間は、新車登録からの新規検査が3年、継続検査が2年となっています。

8t未満貨物自動車の有効期間は新規検査が2年、継続検査が1年です。
8t以上は新規・継続ともに1年有効、軽貨物は新規・継続ともに2年となっています。

参考:https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/mie/honcho/seibi/yuukou.htm

車検で確認する点

車検は国が定める一定期間ごとに行い、検査時において該当する自動車が保安基準に適合しているかどうかを確認するものです。検査の項目については、運輸支局で自動車検査独立行政法人が行っている検査を基準に見ていきましょう。

【第1ブロック】

・同一性の確認:車台番号や型式、車体の形状などから車検証と申請書類の内容に相違がないか確認します。
・外観検査:保安装置(クラクションなど)、灯火器類(ウインカーなど)、走行装置(タイヤなど)、乗車装置(シートベルトなど)に異常がないかを確認します。

【第2ブロック】

・サイドスリップ検査:直進状態でのタイヤの横滑りを検査
・ブレーキ検査:前後輪、サイドブレーキがきちんと効くかの確認
・スピードメータ検査:速度計誤差の測定が基準内か、タイヤのぶれがないかを検査
・ヘッドライト検査:照射光度・向きが基準を満たしているかを検査

【第3ブロック】

・排気ガス検査:排気ガス中の一酸化炭素・炭化水素などが基準内にあるかの検査

【第4ブロック】

・下廻り検査:車両下部より各装置に異常がないかの検査官による目視確認(ピット方式)

【第5ブロック】

・総合判定:書類審査と検査結果による総合判定

【第6ブロック】

・その他の検査:排気音や寸法などの検査

これらの検査に1つでも不合格項目があると、整備の上で再検査となります。
参考:https://www.naltec.go.jp/business/inspection/howto/flow/carryingout/index.html

車検費用には「法定費用」と「車検基本料」の2種類の内訳がある

車検費用には「法定費用」と「車検基本料」の2種類の内訳がある

法定費用の概要

車検の法定費用とは自動車重量税・自賠責保険料・印紙代の事で、「どこで車検を受けても同額にかかる費用」の事です。法定費用は自動車の種類、車両重量、車検有効期間等によって異なります。なお、整備はまったく別の費用ですので、ユーザー車検の場合も予め整備工場などでアドバイスを受けると良いでしょう。

法定費用の内訳

【自動車重量税の金額】

自家用乗用自動車の場合、自動車重量税(2年)は以下のように設定されています。

重量 金額
~500kg 8,200円
500kg~1t 16,400円
1t~1.5t 24,600円
1.5t~2t 32,800円
2t~2.5t 41,000円

軽自動車の場合は、自家用乗用車で一律6,600円(2年)です。貨物車は、車両重量ではなく車両総重量で分けられます。車両総重量8t未満の貨物車の場合、車検有効期間は1年ですので以下のようになっています。

重量 金額
~1t 3,300円
1t~2t 6,600円
2t~2.5t 9,900円
2.5t~3t 12,300円
3t~4t 16,400円

参考:https://www.mlit.go.jp/common/001403201.pdf

ただし現在、排出ガス性能や燃費性能に優れた車に対して基準を設け、自動車重量税を免税・軽減する「エコカー減税」という措置がとられています(2022年10月現在)。

軽減率は「免税」または「75%・50%・25%の減税」「本則税率」と燃費基準に合わせて詳細に設定されています。車検時のエコカー減税の適用条件は以下のように取り決めされています。

「2018年5月1日から2019年4月30日までの間に新車新規登録をし、令和2年度燃費基準150%以上達成」「2019年5月1日から2021年4月30日までの間に新車新規登録をし、令和2年度燃費基準190%以上達成」「2021年5月1日から2023年4月30日までの間に新車新規登録をし、令和12年度燃費基準120%以上達成(平成30年排出ガス規制50%低減以上に限る)」いずれかの場合に「免税」となります。

また、「令和12年度燃費基準60%未満(平成30年排出ガス規制50%低減以上に限る) 」ではエコカー減税対象外となり、いずれにも該当しない場合や2回目の車検などの場合は、「本則税率」の区分に入ります(2022年10月時点の情報です)。

【自賠責保険料の金額】

自賠責保険料(24ヶ月分)は、自家用乗用車で20,010円、軽自動車で19,730円となっています(※自賠責保険料の金額は2022年10月時点のものです)
貨物車は自家用(白ナンバー)と営業用(緑ナンバー)、最大積載量が2t以下と2t超で料率が変わります。

【印紙・証紙代】

自動車検査票と重量税納付書に、窓口で印紙・証紙を購入して貼り付けます。印紙には自動車検査登録印紙と自動車審査証紙の2種類がありますが、いずれも印紙・証紙で手数料を支払う事になります。

自動車検査登録印紙は国に検査手数料を収めるためのもの、自動車審査証紙は自動車検査独立行政法人に検査手数料を収めるためのものです。また、2021年10月1日より「技術情報管理手数料」が追加され、検査手数料とまとめて支払うことになっています。

これらを合わせて、小型自動車は2,100円、普通自動車は2,200円、軽自動車は1,800円を支払う必要があります。

参考:https://www.oaspa.or.jp/data/news/2021/04/05/2021040508043946_f.pdf

車検基本料金(点検検査整備代)の概要

先に述べた法定費用とは違い、車検を受けるために必要な点検・整備を行うための費用です。ユーザー車検を行うか、整備工場やディーラーで行うかによって車検費用は異なります。また、車の状態によってエンジンオイルや油脂類、ブレーキパッド等の交換が必要になった場合は別途追加費用となります。

車検は国が定める一定期間ごとの検査ですが、自動車の使用者にはそれとは別に自動車の用途に合わせて一定期間ごとに点検をする義務があります。これが「法定点検」と呼ばれているもので、乗用車で言えば1年ごとに行わなければなりません。そして車検時には「24ヶ月定期点検」と言い、通常の法定点検よりも細かい点検を受ける事が必要となります。

24ヶ月定期点検とは

【24ヶ月定期点検の点検項目】

24ヶ月定期点検記録簿を見ると点検項目が明記されています。エンジンルーム点検、室内点検、足廻り点検、下廻り点検、外廻り点検と続きます。そして排気ガス中の一酸化炭素・炭化水素の濃度、ブレーキパッド・ライニングの厚さ、タイヤ溝の深さは実際の測定値、交換や補充した部品やオイル等はその量を記載します。
点検項目は下記のようになります。

原動機:エンジン本体・潤滑装置等
かじ取り装置:ハンドル・パワーステアリング装置等
制動装置:ブレーキディスク・パッド等
走行装置:タイヤ・ホイール等
緩衝装置:ショックアブソーバー等
動力伝達装置:クラッチ・トランスミッション等
電気装置:点火装置・バッテリー等
エキゾーストパイプ・マフラー:触媒・遮熱板の破損や取付け不良等
車枠および車体:フレーム・ボディの損傷等

【24ヶ月定期点検の点検費用】

自動車の種類にもよりますが、ディーラーで受けると4~10万円前後、民間整備工場で受けると2.5~8万円前後が一般的な料金と言えるでしょう。排気量によって値段が変わりますが、特に点検項目が変わるわけではありません。
ディーラーよりも安く点検してくれる工場もたくさんあると思いますが、ディーラーは整備保証が手厚い傾向にあるので割高になってしまうのもしようがない事です。

推奨整備とは

点検を受けた際に、整備や部品交換等を一緒にした方が良い項目がいくつかあります。

【エンジンオイル&エレメント】

エンジンオイルは走行距離や時間ともに劣化します。定期的に交換が必要ですが、せっかく整備をするのですから一緒にした方が良いでしょう。エレメントは、エンジンオイルの不純物をろ過するフィルターです。エレメントが汚れているとエンジンオイルをろ過できなくなり、燃費の悪化や走行性能の低下、最悪はエンジンの焼き付きにいたる事もあります。整備の時に交換するのがおすすめです。

【ブレーキパッド】

ブレーキパッドはブレーキを踏むたびにすり減るもので、言わば消耗品です。ブレーキパッドがブレーキディスクに押し当てられる事で回転が抑制され、ブレーキが効きます。せっかくブレーキを分解して点検しているのですから、減り具合によっては一緒に交換した方が経済的な場合もあります。

【ブレーキフルード】

ブレーキフルードも時間とともに劣化します。さらにブレーキフルードは水分を吸収しやすい特性があります。水分を吸収すると油圧がかかりにくくなり、ブレーキの効きにも影響します。ブレーキパッドが減ってくるとブレーキフルードの多くがシリンダー内に入るため、リザーブタンクの量が減ってきます。交換・補充は点検時に併せて行う事をおすすめします。

【ラジエータークーラント】

クーラントとは、エンジンの冷却水の事です。 クーラントには凍結防止剤や防錆剤が含まれており、定期的な交換を怠ると本来のクーリング機能が得られないばかりか、錆により冷却系に大きな損傷を与える事にもなりかねません。リザーバータンクで量は確認できても、劣化に伴う微妙な色の変化には気づきにくいものです。なかなか交換する機会もないものなので、同時に交換したほうが良いでしょう。

他にも、いくつか交換を薦められるものがあると思いますが、点検の際には分解を伴う箇所もあります。後日、その部品を交換しようとすると再度分解が必要な場合は分解費用が二重にかかってしまいます。中には今現在交換が必要でなくても、次の車検までに確実に交換が必要になってくるもののありますので、薦められた箇所については、しっかり検討しましょう。

車検整備という言葉は正確にはありません。点検整備を行い、国の指定する継続検査を受けて車検期間を2年延長する手続きです。また、重要なポイントとして、車検時に自動車税の未納分があると車検を受ける事はできません。第一ブロックの申請書類チェック時点で撥ねられてしまいます。自動車税をしっかり納付して車検に臨みましょう。

車検を受ける場所による車検費用の相場

車検を受ける場所による車検費用の相場

車検はどのような場所で受けられるのか

現在は、様々なところで車検が受けられるようになっています。1つ1つ特徴を見ていきましょう。

【ディーラー車検】
自動車を購入した、もしくは所有する自動車メーカーのディーラーで受ける車検の事です。その車種に対しては高い技術と専門性を持つプロであり、部品供給もしっかりしているので安心です。整備料金や工賃が若干割高なのがデメリットでしょうか。その分、整備に保証が付いているので、その点を考えるとリーズナブルな選択とも言えるでしょう。

【車検専門フランチャイズ車検】
車検を受ける事(通す事)を目的に営業しているため、検査に関してはプロです。メリットとしてはスピーディーで明確な安価設定、デメリットとしては車検に必要な検査項目以外の点検整備は基本的に行わない点などが挙げられます。

【民間整備工場車検】
地域密着型の民間整備工場は、安めの価格設定と信頼関係が構築できれば色々と融通が利く点がメリットでしょう。デメリットとしては、最新の車載コンピュータに対応した設備を持っていなかったり、工場による品質や技術にばらつきが生じてしまうことが挙げられます。

【カー用品店車検】
カー用品店では汎用部品は豊富に在庫しているので、多くのメーカーの車に対応できます。比較的新しい年式のメジャーな車種であれば、うまく汎用品を使い整備費用を安くする事も可能でしょう。しかしながら一部の車種を除き、基本的に外車は断られるようです。また、民間整備工場車検と同様のデメリットが考えられます。

【ガソリンスタンド車検】
ガソリンスタンドで車検を扱う店舗の多くは、ユーザー車検の代行です。ブレーキパッドやブレーキローターの減り、油脂系の漏れがある場合は向かない場合もあります。車の状態を十分に理解した上で検討した方が良いでしょう。

【ユーザー車検】
その名の通り、ユーザーが自分で検査場に持ち込む車検です。安価に済ませられたとしても全て自己責任となるため、特に車に詳しい方以外は安易に選択しない方が良いでしょう。

【車検代行業】
ユーザー車検を、代行手数料を支払う事でユーザーの代わりに行ってくれる業者です。持ち込む必要がないので楽ですが、車の状態に関してはユーザー車検と同様に自己責任となるので慎重に比較検討しましょう。

自動車整備工場には、「認証工場」と「指定工場」とがあります。双方ともに自動車に関して整備を行う事を国から認められていますので、分解整備・点検を行う事ができます。決定的に違う点は、自工場内に検査ラインを持っているかという点です。

「認証工場」は検査ラインを持っていませんので、自社で整備をした自動車を陸運支局か検査ラインを持つ指定工場に持ち込み、検査を受けます。もし不適合な箇所があれば、持ち帰って自社で再度整備をして検査を受けに行きます。

それに対して「指定工場」は民間車検場とも呼ばれ、陸運支局に変わって自社で車検を行う事ができる工場です。故に工場内に陸運支局と同じ検査ラインを持ち、同じクオリティで検査を行う事ができます。定期的に抜き打ちで陸運支局より監査が入り、検査不適合車を合格としている事実が発覚すれば、営業停止や指定資格取り消し等の重い処分が下るため、支局の検査より厳しい基準を設けている工場も多くみられます。

前述した中では、ディーラーと車検専門フランチャイズ車検、そして民間整備工場の一部は指定工場となっていることが多いです。残りの民間整備工場とカー用品店、ガソリンスタンドは認証工場や代行業務が多く、認証も受けずにユーザー車検の代行だけをしているところもありますので、しっかり確認してください。

車検を行う場所による費用の目安

法定費用は変わりませんので、どのくらいの車検基本料が上乗せになるのかを見てみます。

車検の場所 金額
ディーラー車検 法定費用+4万円~10万円程
車検専門フランチャイズ車検 法定費用+2.5万円~8万円程
カー用品専門店車検 法定費用+2.5万円~8万円程
ガソリンスタンド車検 法定費用+1万円~3万円程
ユーザー車検 法定費用のみ
車検代行 法定費用+1万円~3万円程

車種別の法定費用について

車検時に支払う法定費用は車種によって異なります。一般的には乗用車でも5ナンバーと3ナンバーがあります。5ナンバーは「小型乗用車」、3ナンバーは「普通乗用車」ですが、この定義は「排気量2,000cc以上、全長4,700mm、全幅1,700mm、全高2,000mmのいずれかに達すると普通乗用車、それに満たないものは小型乗用車」です。

車検で言う車種というのは、車両重量によって分類されますので、ナンバーは車検費用にはあまり関係がありません。但し、検査印紙代は5ナンバーと3ナンバー、指定工場と認証工場でそれぞれ異なります。前述した法定費用(印紙代は3ナンバー、認証工場の例)は以下になります。

車種 法定費用
軽自動車 28,130円
乗用車(1t未満) 38,610円
乗用車(1.5t未満) 46,810円
乗用車(2t未満) 55,010円
大型乗用車(2.5t未満) 63,210円

車検費用の支払いについて

車検費用の支払いについて

車検費用はいつ支払うのか

基本的に、車検全ての費用は整備内容・料金が確定しないと決まりません。従って整備付きの車検を受ける場合は、まず車の状態を確認しなければ正確な費用は計算できませんので、車検代行以外は、車を預ける際には全体の費用が決まっていない場合がほとんどです。ただ、どこで車検を受けても法定費用だけは先払いを求められるケースが一般的です。

例えばディーラーで車検を受けたとします。整備料金は、車を預け点検が終了した時点で確定しますが、そのまま継続検査を通すとなると、自賠責保険料を支払い、保険を延長する必要があります。車検料金を全て後払いにするという事は、自賠責保険料をディーラーが立て替えて納める形になります。ディーラーは損害保険の代理店となり自賠責保険契約の締結を行うわけですが、保険契約者に代わって保険料を立て替える行為というのは保険業法で禁止されています。

保険業法上は「特別な利益の提供」の扱いになり、契約者間の公平性が保てなくなるという理由と、事故が起きた場合に実際の契約者が保険料を納めていない状態で補償されるのは正常でないという観点から禁止されているのです。そのため「費用は全て後払いで良いですよ」という言葉は、安易に喜ぶ言葉ではないのです。

ほとんどのディーラーでは自賠責保険料を含む法定費用の先払いを求めています。同じように、保険に関する正確な知識を持っているところは法定費用の先払いを求めます。ユーザー車検は自分で手続きをしますし、自分で保険料を支払わない限り手続きは完了しないので当然同時に支払うこととなります。

車検費用の支払方法について

法定費用については保険料や税金ですので、通常現金一括払いが基本です。しかし、現在ではクレジットカード支払いが可能なところが多くなっています。

クレジットカードの仕組みを考えれば当然なのですが、ディーラーでクレジットカード払いをしたとしても、ディーラーにはクレジット会社から翌月に決済額が振り込まれます。ユーザーが分割払い、ボーナス払いを選択したとしても、ディーラーには関係ないのです。支払期間もクレジットカード会社とユーザーの間の問題ですので、実質的にクレジットカード払いの取り扱いは、ディーラー側のサービスの一環という側面が大きいと思われます。

車種や車の状態によっては車検費用が大きく膨らむ事も十分あり、金融機関の「マイカーローン」や信販会社のローンを検討してみるのも一つの方法です。金利は発生しますが、検討する価値はあるのではないでしょうか。民間整備工場の一部と、カー用品専門店、ガソリンスタンド、ユーザー車検、車検代行は現金のみのところが多いようです。

外車・輸入車の車検費用は割高なのか

外車・輸入車の車検費用について

基本的に法定費用は輸入車であっても国産車と変わりません。重量税も車両重量ごとに変わるだけなので、国産車と同じと言って良いのですが、車検費用トータルで見た場合、高くなってしまうケースもあります。

外車・輸入車の車検費用が高くなる場合

車検費用が国産車と変わるのは、車検に関して必要な整備が生じた場合です。大手輸入車ディーラーであれば、十分なパーツの在庫は持ち合わせていますが、万一部品のストックが欠品していた場合、何日も到着を待つ事もあります。

部品にしても、1つ1つが国産車と基本的な考え方が違い、供給単位の違いなどから割高に感じてしまうパーツもあります。また、ブレーキパッドやブレーキローターなどは消耗品と割り切り、国産車より消耗が早いのが特徴です。同様に、日本向けにパーツ設計をしたパーツを使っていれば良いのですが、特に気候の異なる国の仕様で作られた車の場合、国産車と比較するとゴム類やブーツ類の耐久性が大きく損なわれるケースが見受けられます。

車検に出しているだけであれば気長に待てば良いのですが、代車を借りている場合はその期間代車を延長しなければなりませんので、代車料金が増えてしまうケースも考えられます。ただし、輸入車ディーラーでは、ユーザーの利便性を損なわないためにも、車検の期限を迎える1~2ヶ月前に車の状態をチェックするようユーザーの来店を積極的に促しています。外車・輸入車の車検にお金がかかると言われる理由は、技術的な部分ではなく、部品供給の手間と時間、輸入コスト等によるものと言えるでしょう。

車検費用が高くなるタイミングについて

時期で車検費用に違いはあるか

車検を受ける時期によって車検費用に差があるという事は、年間を通してもほとんどありません。各店舗で車検キャンペーンなるものを開催していれば別ですが、その場合でも車検費用で上下する部分は「代行料金」くらいのものです。

古い車は車検費用が高くつく?

定期的なメンテナンスを受けてきた車両でも、古い車ほど継続検査を通すために必要な交換部品が増えるのは致し方ないでしょう。それに加えて、初度登録から一定年数経過した車両については自動車税および重量税の追徴課税があります。

自動車税は初度登録から13年経過で約15%(ディーゼル車は11年)、重量税も13年経過で約39%、18年経過でさらに約10%程度割増になります。法定費用・整備費用も高くなるので、総じて車検費用が高くなってしまいます。
参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/sikumi/zyuuryouzei.pdf

10年・10万kmで車検費用は変わる?

10万kmという数字で言えば、これはタイミングベルトやショックアブソーバーの交換時期と合致します。自動車に附帯する整備手帳を見るとわかりますが、様々な部品やオイル・フルード類は「交換年数(又は走行距離)」が決まっています。それを過ぎたからと言ってすぐに壊れるわけではないのですが、「その年数(走行距離)での交換を推奨する事を明記していますので、交換しなかった時の不具合については保証しかねます」というメーカーのメッセージです。

タイミングベルトは概ね10万kmでの交換になりますが、他の交換部品に比べると少し高価な整備になります。ショックアブソーバーも5万km程度を目安に交換を推奨しているので、2度目のルーティーン交換となる時期です。交換した事のない車両でも10万kmを走行していると、本来の機能がだいぶ失われている状態であると言えるでしょう。

交換費用は工賃を含め、普通・小型乗用車の場合、タイミングベルト交換が4万円~5万円程、ショックアブソーバー交換が6万円~10万円程が一般的な料金と言えるでしょう。しかし、年数・走行距離が増えるに従って必要な交換部品が増えてくるのも当然であり、走行していなくとも、経年劣化する部品も多くありますので、年数の経過した車・走行距離の多い車の車検費用が膨らむ傾向にあるのは致し方ない事でしょう。

ちなみに車の走行距離は一般的に1年に1万kmと言われているため、上記で紹介した部品の交換時期の目安が10万kmとされていることから、10年目の車検費用が高いと言われる要因となっています。

車検費用を安く抑える事はできるのか

車検費用が一番安いのはユーザー車検

現在考えうる最も安価な車検の受け方はユーザー車検です。自分で陸運支局に持ち込み、書類を揃えて申請するので余計な費用は一切かかりません。しかし、注意点はたくさんあります。

車検費用の節約のためのユーザー車検ですが、検査場に車を持ち込んで、不具合を指摘された場合、その箇所を修正して再度検査に臨む事になります。車に詳しい人は別として、それ以外の人は意外と時間もお金もかかる方法かもしれません。

また、検査を無事パスしたと言っても、車検に必要な最低限の項目に対して問題がなかったという事で、何かトラブルが起きる可能性や交換・整備をしなければならない箇所があるかもしれないと言う冷静な判断はできていない可能があります。ただ単に「現在継続検査の基準は満たしているので公道を走行しても良い」という許可をもらうだけなので、あとは自己責任という事です。

車に関して知識のない方が安易にユーザー車検を選択するのはおすすめできません。しっかり点検を受けて、整備するところは整備して安心して運転するべきです。

どうすれば車検費用は節約できるか

整備費用については、各ディーラー・工場等によって異なります。自動車を購入する時と同じように複数社から相見積もりを取って検討するのも有効です。同じ整備をするのに依頼する先によって料金が違うのは、数字には見えない作業に対する安心料も含まれていると理解すべきかもしれません。複数回ってみて、どんな点を指摘されるか、整備料金はどのくらいかかるか、日数はどのくらいかかるか、代車は有料か無料か、様々な点を比較してみて検討するのも良いでしょう。

整備項目はしっかり精査する

先にも述べましたが、「推奨整備」なるものもあります。現状必要な整備の他に、「このタイミングでこれもやっておいた方が良いですよ」という整備の事で、必ずしも今必要というわけではないものです。そういったものの中から、現在必要でないものは省いて車検を依頼する事はまったく問題ありません。

推奨整備はほとんどが均一化されたマニュアル通りのものなので、誰に対しても、どんな車に対しても、次の点検(12ヶ月)、車検までに交換が必要になる可能性のある箇所をアドバイスするものです。自分の車の現状を見て、なぜ推奨するのかを質問し、項目ごとに精査して必要な箇所だけの交換を依頼する、これだけでも結構な節約になるでしょう。

愛車の売却金額を定期的に調べておく

車の売却を考えているのであれば、車検を受けないというのも1つの手です。売却した時に10万円にしかならない車に15万円の車検費用がかかるとしたらどうしますか?前述しましたが、年数・走行距離によって車検費用が高くなる時期というのは必ずあるのです。その時期が来る前に買い替えてしまうというのは一番効率的な方法かもしれません。

車検費用は自動車の「維持費」の一部です。維持費が価値を超えてしまう前に新しい車に乗り換えれば、3年間は車検の必要もありませんし、購入車種によってはエコカー減税等で優遇される可能性もあります。愛車の売却金額の相場は定期的に調べておく事をおすすめします。

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グーネットピット編集部

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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