オイル交換
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
車のエンジンオイルの限界は何キロくらいか
“今ならエンジンルームのチェックを無料でおこなっているんですよ”という「無料サービス」をおこなっているガソリンスタンドは多くあります。そこで、“エンジンオイルがだいぶ汚れていますね。交換した方がよさそうです。”と、馴染みのスタッフから勧められたら、“安いし時間もかからないなら、じゃあ…”となってしまいますよね。店側も、検査しやすくて利益率も高くて、更に顧客に勧めやすいのがエンジンオイルですから、本当に交換が必要ではなくても、オイル交換をすることだってあります。しかも早く交換した場合、車にいいことはあっても悪い影響は何もないのがエンジンオイルですから、実際、“本当に交換が必要だった?”と、疑問に感じてしまいますよね。では、エンジンオイルの限界はどこにあるのでしょう?また、オイル交換しないと車にどんな影響があるのでしょうか?詳しく説明していきます。
普通、ターボ車は5,000km・半年、普通車は長くても15,000km・1年で交換した方が良いと言われるエンジンオイルですが、シビアコンディションになると、もっと早い交換が薦められています。では、それ以上になるとどうでしょう?現在では、車のエンジンの燃焼噴射技術が年々良くなっており、長年オイル交換をしなくても、性能が良いエンジンが悪くなったオイルの性能をカバーしてくれます。欧州などでは、オイル交換は「30,000km・2年」というのも珍しくありません。“日本車だって新車なら30,000km・2年はいける?”という場合もありますし、オイルの種類や走行・環境などよって、ほとんどの場合は30,000km・2年は無理なことが多くなります。広い国土があったり制限速度の規制が緩い国と、国土が狭くスピードも制限される日本では、そもそも比べること自体おかしな話です。つまり、『エンジンオイルの限界に関しては無責任なことはいえないので、車の為には通常の間隔でのオイル交換が望ましい』ということです。運が良ければ車検ごとのオイル交換で済んでしまう方もいますが、運が良いだけで車のエンジンに負担がかかるため、確実に車の寿命は短くなります。下取りに出す予定の車も、廃車まで乗り続ける予定の車でも、エンジンの状態が良いことに越したことはないので、面倒でも定期的にオイル交換はおこないましょう。オイル交換は、早い間隔であってもエンジンにはいいことだらけですからね。
劣化したエンジンオイルを使い続けるとどうなるの?
エンジンオイルには、エンジン内部の密封・潤滑・冷却・清浄分散・防錆の役目がありますが、使用頻度や月日が経つにつれて、役割を果たしつつ段々と劣化していきます。そして、劣化と共にオイルの性能も徐々に失われていきます。オイルの中には、劣化を防ぐために添加物を加えて寿命を長くしているものもありますが、エンジンの燃焼時に発生するカーボンやスラッジなどの燃えカスが発生するため、オイルは徐々に汚れていってしまいます。また、細かい汚れはオイルフィルターを通ってしまうので、古いオイルは徐々に色が黒く変化していってしまいます。
エンジンオイルが汚れた状態で走行すると、
・粘度がさがり「密封」機能がさがり、パワーがダウンする
・車の燃費が悪くなる
・車の寿命が短くなる
などの不具合が出てきますが、もっと悪くなると、
・マフラーから煙が出る
・オイルランプが点灯する
・エンジンが焼き付く
などとなり、修理費用がかえって高くついてしまいます。
2年に1度の車検のときしかオイル交換をしない方や、購入してから1度もオイル交換をした覚えがない方などは、エンジンの性能やオイルの性能が良かったなどで、たまたま無事にこれただけの話ですから、この機会にエンジンオイルの確認をしてみてください。オイル交換の際、汚れが蓄積しすぎてヘドロ状になっていると、ドレンコックを外してもオイルが流れてこない場合もあります。そのような状態のオイルは、いつエンジンが燃えるかわからない状態ですから、本当に“運が良かった”というしかないでしょう。